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お祭りとかはじめてだよ

単純っていいなあ

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「ってところだな」




するとみゆうはいつものキャラとはそぐわぬ顔をしていた。







「どうしたんだよ」







「すまない、まさかそこまで重い理由だったとはね...」






しゅんとした顔で見つめてくる、らしくない。






「らしくねえなあ、もう昔の話だよ」






「昔と言っても、中学時代はずっと病院だったんだろう?そんなに経ってないじゃないか」




「まあ経ってねえけど、なんていうかなあ、長い時間眠ってた時の夢、みたいな感じだから全然辛くないっていうか、よくわかんねえや」





「ふぅん...君も君なりに考えてたんだなあ」





「まあ終わった話だしそんなしみったれた感じになってもな!話聞いてくれてありがとうな!」





「ううん、僕が個人的に聞きたかっただけだし。うん。本当にありがとう。」





なんだよ。気持ちわりいな。






「気持ち悪いとか酷いなぁ。僕も僕なりに心配してたんだよ?」




「いやまた心読むなよ..まあそれは本当にありがたいよ」





するとみゆうが何故かニヤニヤとした顔をしていた。





「むっふふ!そうかそうか!そんなに嬉しかったかあ!ふふふ!」






「なんだよその言い方...」





まるで俺がすげえ嬉しかったみたいな言い方。てかそういう言い方。




「あっと!僕この後予定があるんだ!ごめんね!また会いに行くね!」




「おう!ま、またな!」








「うん!また明日!」




ん?待って?ここどこ?





 

「いやこれ...」













「帰り方わかんねえよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」









その後タクシーで仕方なく帰った。タクシーってわりと高いんだね。
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