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群馬のキャバクラに行きました

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 少し前Youtubeを見ていて、「変装してキャバクラに潜入した」という動画を見た。一昔前のテレビのような企画だが、動画を見ていて怪しいと思った点が3つあった。

 1.カメラアングルが仕込まれている。明らかに店側の協力がないとできないアングルで、店内の様子が撮影されている。その状態で、何も知らない店長が面接をするところから始まる。

 2.ドキュメンタリーすぎる。途中途中でリアルタイム風にyoutuberの感想が入るが、※嘘くさかった。
 ※モキュメンタリー:フィクションを、 ドキュメンタリー 映像のように見せかけて演出する表現手法

 3.やらせが多いYoutuber。

 という好奇心に突き動かされ、群馬県へ行った。夜、群馬の繁華街を歩くと、きらびやかな店とキャッチの多さに驚いた。噂で聞いたが、ここには裏〇俗と呼ばれる店もあるようだ。確かに路地裏に付近に立つキャッチがいる。彼らに連れられてマンションに行くと...ってやつだ。近くに交番があるが、なかなかにアングラな雰囲気が路地裏に漂っている。

 雰囲気も相まって少し物怖じしていたので、景気づけに少し飲んでから向かう。繁華街だけあって居酒屋も多い。案内所を経由して、目的のキャバクラにつく。こういう店に入ると、警察に補導されるかガサ入れがはいらないか少しびくびくしてしまう。
 キャバクラに入って、ホステスAがつく。綺麗だが目つきがきつく、ちょっと圧を感じる子だった。

 A:「こんにちはー、今日はどこから来たの」

 私:「宮城県からです」
(もちろん嘘である。が、4年ほど住んでいたので、リアリティがある話はできる)

 A:「宮城って、仙台?」

 私:「そう、仙台だよ、地元の子?」
(仙台?っていう時点であまり地理には詳しくないようだ)

 A:「そう、○○だよ」

 私:「〇〇?あー隣の県ね。インターチェンジそこで降りたよ」
(嘘である。事前に調査済み、本当は反対方向から電車できました)

 いきなり、本題を聞くのも忍びないので、ホステスのドリンクを頼み、一度の延長を挟んた。

 私:「この店って、youtubeの動画で知ったんだけどさ」
(ここまでいれば、直球でも大丈夫でしょ、もう来ないし)

 A:「あー〇〇ね」

 私:「あれって、ほんとに変装して潜入したの?」
(話が早い、よく話題にでるんだろうな)

 A:「や〇せだよ。撮影も昼にしていたし」

 私:「そうなんだ」
(ですよね)

 そのあとは、明日は埼玉に行くと言って、延長なしで会計をした。請求書を見ると、ゾッとした。

 動画の真相を探ろうと、群馬に行ってかかった費用は移動も込みで5だった。
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