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雪解けに願いを込めて
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曇天の寒空の下訪れているのは、この緩やかでだだっ広い斜面。冬枯れしてベージュの絨毯のようになった芝の上には、局所的に白い雪が積もっている――局所的とはいっても、芝生の面積が広すぎるだけで、その直径は50メートルほどありそうだ。
「……あれが噂の」
「はい、楠井さん。あれがお父様に買って頂いた、最新型の人工降雪機ですわ!」
ぼくの独り言に、隣に立つ蛍光ピンクのダウンジャケットを着た黒髪ロングヘアの少女、高校のクラスメイトであ椎名は得意げに言った。
人工降雪機とは文字どおり、人工的に雪を降らせる機械のこと。そして、あそこで少しずつ雪を吐き出し続けている、扇風機と戦車の合体したような装置のことでもある。
「気温に左右されず、より自然に近い質感の雪を生成できる優れものですのよ。開発されて間もなく、国内にまだ5台しかありませんの。予報では夜まで曇り空が続くとあり、初雪ももう少し先と言っていましたが、あれがあればモーマンタイですわ!」
椎名の声に、ぼくは「ふうん」と、そんな空返事を返した。
ここまでの会話で分かるとおり、彼女は普通じゃない。日本でも有数の資産家のもとに生まれ、その両親からとんでもない量の愛情を受けて育った、生粋の箱入り娘なのだ。
まあ、ぼくら一般人における『普通』を逸脱しているとはいえ、椎名にしてみればこの環境こそが『普通』。だから少なくともぼくは、あえて彼女を特別扱いするつもりもない。
『――楠井さん! 明日、私と雪合戦をいたしませんか!』
そんな椎名から、ぼくが出し抜けに変哲な招待を頂いたのは、昨日の放課後のことだ。
むろん、『高校生にもなって雪合戦?』とは思ったけれど、家にいたってどうせやることなんてない。それに、もしかしたら前に遊んだ時みたく、高級なケーキにありつけるかもしれない――てなわけで、他の追随を許さないほどに生粋の甘党であるぼくは、全力のサムズアップを以って了承の意を伝えたのだった。
……我ながら、小狡い思考回路をしているなあ。
ずれている椎名と、すれているぼく。クラスで浮いている者同士という関係性があって、いつからかつるむようになったが、ぼくはともかく、椎名は別に嫌われていたりするわけでもない。どこかファンタジー世界の住人みたいな言動が目立つお陰で、少し話しかけにくい相手だと思われているだけなのだ。
だからぼくなんかじゃなく、それこそ同性の子を誘えばよかったのに――なんてことを考えているぼくの前で、
「さあ楠井さん、こちらへ!」
と、そんな声が聞こえた。
椎名に促されるまま、ぼくは白い地面に足を踏み入れる。ふんわりと積もり、三十センチほどの厚さになった雪の層に体重をかける度、なんだかこそばゆい感覚が体を走った。
歩きづらい足元に苦労しながらも、ようやく積もった範囲の中央辺りまでやって来ると、ぼくはその場に屈み、「どれどれ」と、手袋をはめた右手で足元の雪をすくってみる……うん、多少湿り気があるような気がするけれど、まあ悪くないだろう。むしろ、ほどよい水気のおかげで丸めやすく、雪合戦をするうえでは好都合なのかもしれない。
「では、さっそく始めましょう!」
ハツラツな声に顔を上げると、椎名はなにやら奇妙な準備運動に勤しんでいた。……あ、そうそう、あれはひと昔前に流行ったマエケン体操だ。懐かしいもんやってんな。
「じゃあ、ひとまずルールを決めよう。ただ投げ合うだけじゃつまらないし」
準備運動が終わった頃を見計らって、ぼくは椎名へそう切り出す。その立案に対し、椎名は「それもそうですね」と頷いた。
「まずは範囲か。ドッジボールみたく陣地分けをしてもいいけど、せっかくこれだけ広いんだし、雪が積もってる場所全部を範囲としよう。そんで、そうすると当てるのも難しくなるだろうから、三回クリーンヒットした時点で負けってことにしない?」
「ええ、そういたしましょう。あまり長くやって、体調を崩してもいけませんものね」
そうしてぼくらは、5メートルほど離れた位置に向かい合った。
「準備はいい?」
「はい、バッチグーです!」
「じゃあ、よーいドンでスタートねよーいドン!」
「きゃあ!?」
あの椎名が不意打ちなど予想しているはずもなく、スタートの宣言とほとんど同時にぼくの手を放れたテニスボールサイズの雪玉は、椎名の肩に直撃して崩れ去った。
「はっはっはっ、まさか卑怯とは言うまいな! なにせ、ここはとっくに戦場なんだ。戦争が始まるのが分かっていて銃に弾を込めないまま特攻するような兵に、端から命はないぜ」
つまり、さっきしゃがみ込んだ際、雪の状態を確認する振りをして雪玉を一つ作り、ずっと背中に隠し持っていたというわけさ。
雪玉の破片が首元に入ったのか、マフラーをパタパタとはたく椎名に向け、ぼくは胸を反らす。たとえ相手が女子だろうと、勝負事となれば負ける気はさらさらない。こう見えてぼくは、ムッツリスケベならぬムッツリ負けず嫌いなんだ。
「……やってくれましたわね」
震えるような声音に、ぼくは正面を見据える。すると、顔を伏せる椎名の肩もまた、声と同じくらい震えているのが分かった……もしかしなくても、やり過ぎたか?
久々に雪というものに触れ、柄にもなく高揚していたが、冷静になって考えると(冷静でなくてもそのくらい気づけよ、という話でもあるけれど)誰よりも無垢な深窓の令嬢が相手であることを、もっと早い段階で意識するべきだった。
急な罪悪感に駆られ、歩み寄ろうと視線を椎名から一瞬だけ外したその時、ぼくの目線は白色に遮られた。
「――冷たっ!」
遅れて襲う突き刺すような冷たさから逃れようと、ぼくは自分の顔に張りついた雪を慌てて袖で拭う。ようやく解放された視界の中心で、彼女は笑っていた。
「ざまあみろですわ! 油断していたら、もっと冷たい目を見させますわよ!」
あっかんべー、と、椎名はこちらへ向けて舌を出す。そんな想定外の反応を目の当たりにして、ぼくは思わずその場に立ち尽くした。
「どうしましたか? わたくしの華麗な不意打ち返しに、言葉も出ないといったところでしょうか! 雪だけに、思考もフリーズをしてしまったといったところでしょうか!」
「……ははっ、なんだよそれ」
椎名の無邪気な笑顔に釣られるように、ぼくも笑う。
肩と、それから髪に乗った雪を払い落として、ぼくは白い息を短く吐いた。
「おっけ、仕切り直しといくか……って、あれ? さっきより雪が強くなってないか?」
「あら、本当ですわね。設定変更は一切していないはずですのに……」
ぼくが空を見上げて言うと、椎名も上を向いて言った……うん、間違いない。降る雪の量は間違いなく、さっきまでの2倍ほどに増えている。
「……じゃあ、初雪ってことか? 偽物と混ざってるから、いまいち実感湧かないけど」
「ええ。でも私、こうしてあなたと初雪を見られたこと、心の底から嬉しく思います」
どこか意味ありげなセリフに顔を動かすと、椎名もまたこちらに目線を移していた。
「初雪って年に一度しかないのに、寝ている間に降って、起きたら止んでいることが多いでしょう? それがこうして2人で見られるなんて、これは運命としか思えませんわ!」
目を輝かせながら笑う彼女の声に、ぼくは小さなため息を溢して苦笑した。
「……運命ねえ。そんなもんが実在したら、苦労はないんだけどな」
「はい? 何かおっしゃいましたか?」
無意識に険しい表情をしてしまったからだろうか。椎名は少し不安そうな表情で、ぼくの顔を覗き込むように首を傾げる。ぼくはそれに「なんでもないよ」と返すと、両の手のひらで足元の雪を救い上げ、軽く球状に握った。
「さあ、再開しよう。勝負はまだまだこれからだろう?」
「ええ、望むところですわ!」
そう言って、椎名は笑う。その笑顔はやっぱり、冬の空気よりも澄んでいて、一面に積もる雪よりも純白だ。ぼくは改めて、そんな彼女に憧れているのだとだと実感し、惹かれているのだと痛感した。
本当は、ケーキなんて要らない。あれはあくまで口実のつもりだったんだ……なんて、不器用ゆえ、斜に構えるのがすっかり癖になった今では、口が裂けても言えないけれど。
だから今は、精一杯の気持ちをこの雪玉に込める。春が来て、この雪が解ける頃には、ぼくも少しは変わっている――と、いいな。
「……あれが噂の」
「はい、楠井さん。あれがお父様に買って頂いた、最新型の人工降雪機ですわ!」
ぼくの独り言に、隣に立つ蛍光ピンクのダウンジャケットを着た黒髪ロングヘアの少女、高校のクラスメイトであ椎名は得意げに言った。
人工降雪機とは文字どおり、人工的に雪を降らせる機械のこと。そして、あそこで少しずつ雪を吐き出し続けている、扇風機と戦車の合体したような装置のことでもある。
「気温に左右されず、より自然に近い質感の雪を生成できる優れものですのよ。開発されて間もなく、国内にまだ5台しかありませんの。予報では夜まで曇り空が続くとあり、初雪ももう少し先と言っていましたが、あれがあればモーマンタイですわ!」
椎名の声に、ぼくは「ふうん」と、そんな空返事を返した。
ここまでの会話で分かるとおり、彼女は普通じゃない。日本でも有数の資産家のもとに生まれ、その両親からとんでもない量の愛情を受けて育った、生粋の箱入り娘なのだ。
まあ、ぼくら一般人における『普通』を逸脱しているとはいえ、椎名にしてみればこの環境こそが『普通』。だから少なくともぼくは、あえて彼女を特別扱いするつもりもない。
『――楠井さん! 明日、私と雪合戦をいたしませんか!』
そんな椎名から、ぼくが出し抜けに変哲な招待を頂いたのは、昨日の放課後のことだ。
むろん、『高校生にもなって雪合戦?』とは思ったけれど、家にいたってどうせやることなんてない。それに、もしかしたら前に遊んだ時みたく、高級なケーキにありつけるかもしれない――てなわけで、他の追随を許さないほどに生粋の甘党であるぼくは、全力のサムズアップを以って了承の意を伝えたのだった。
……我ながら、小狡い思考回路をしているなあ。
ずれている椎名と、すれているぼく。クラスで浮いている者同士という関係性があって、いつからかつるむようになったが、ぼくはともかく、椎名は別に嫌われていたりするわけでもない。どこかファンタジー世界の住人みたいな言動が目立つお陰で、少し話しかけにくい相手だと思われているだけなのだ。
だからぼくなんかじゃなく、それこそ同性の子を誘えばよかったのに――なんてことを考えているぼくの前で、
「さあ楠井さん、こちらへ!」
と、そんな声が聞こえた。
椎名に促されるまま、ぼくは白い地面に足を踏み入れる。ふんわりと積もり、三十センチほどの厚さになった雪の層に体重をかける度、なんだかこそばゆい感覚が体を走った。
歩きづらい足元に苦労しながらも、ようやく積もった範囲の中央辺りまでやって来ると、ぼくはその場に屈み、「どれどれ」と、手袋をはめた右手で足元の雪をすくってみる……うん、多少湿り気があるような気がするけれど、まあ悪くないだろう。むしろ、ほどよい水気のおかげで丸めやすく、雪合戦をするうえでは好都合なのかもしれない。
「では、さっそく始めましょう!」
ハツラツな声に顔を上げると、椎名はなにやら奇妙な準備運動に勤しんでいた。……あ、そうそう、あれはひと昔前に流行ったマエケン体操だ。懐かしいもんやってんな。
「じゃあ、ひとまずルールを決めよう。ただ投げ合うだけじゃつまらないし」
準備運動が終わった頃を見計らって、ぼくは椎名へそう切り出す。その立案に対し、椎名は「それもそうですね」と頷いた。
「まずは範囲か。ドッジボールみたく陣地分けをしてもいいけど、せっかくこれだけ広いんだし、雪が積もってる場所全部を範囲としよう。そんで、そうすると当てるのも難しくなるだろうから、三回クリーンヒットした時点で負けってことにしない?」
「ええ、そういたしましょう。あまり長くやって、体調を崩してもいけませんものね」
そうしてぼくらは、5メートルほど離れた位置に向かい合った。
「準備はいい?」
「はい、バッチグーです!」
「じゃあ、よーいドンでスタートねよーいドン!」
「きゃあ!?」
あの椎名が不意打ちなど予想しているはずもなく、スタートの宣言とほとんど同時にぼくの手を放れたテニスボールサイズの雪玉は、椎名の肩に直撃して崩れ去った。
「はっはっはっ、まさか卑怯とは言うまいな! なにせ、ここはとっくに戦場なんだ。戦争が始まるのが分かっていて銃に弾を込めないまま特攻するような兵に、端から命はないぜ」
つまり、さっきしゃがみ込んだ際、雪の状態を確認する振りをして雪玉を一つ作り、ずっと背中に隠し持っていたというわけさ。
雪玉の破片が首元に入ったのか、マフラーをパタパタとはたく椎名に向け、ぼくは胸を反らす。たとえ相手が女子だろうと、勝負事となれば負ける気はさらさらない。こう見えてぼくは、ムッツリスケベならぬムッツリ負けず嫌いなんだ。
「……やってくれましたわね」
震えるような声音に、ぼくは正面を見据える。すると、顔を伏せる椎名の肩もまた、声と同じくらい震えているのが分かった……もしかしなくても、やり過ぎたか?
久々に雪というものに触れ、柄にもなく高揚していたが、冷静になって考えると(冷静でなくてもそのくらい気づけよ、という話でもあるけれど)誰よりも無垢な深窓の令嬢が相手であることを、もっと早い段階で意識するべきだった。
急な罪悪感に駆られ、歩み寄ろうと視線を椎名から一瞬だけ外したその時、ぼくの目線は白色に遮られた。
「――冷たっ!」
遅れて襲う突き刺すような冷たさから逃れようと、ぼくは自分の顔に張りついた雪を慌てて袖で拭う。ようやく解放された視界の中心で、彼女は笑っていた。
「ざまあみろですわ! 油断していたら、もっと冷たい目を見させますわよ!」
あっかんべー、と、椎名はこちらへ向けて舌を出す。そんな想定外の反応を目の当たりにして、ぼくは思わずその場に立ち尽くした。
「どうしましたか? わたくしの華麗な不意打ち返しに、言葉も出ないといったところでしょうか! 雪だけに、思考もフリーズをしてしまったといったところでしょうか!」
「……ははっ、なんだよそれ」
椎名の無邪気な笑顔に釣られるように、ぼくも笑う。
肩と、それから髪に乗った雪を払い落として、ぼくは白い息を短く吐いた。
「おっけ、仕切り直しといくか……って、あれ? さっきより雪が強くなってないか?」
「あら、本当ですわね。設定変更は一切していないはずですのに……」
ぼくが空を見上げて言うと、椎名も上を向いて言った……うん、間違いない。降る雪の量は間違いなく、さっきまでの2倍ほどに増えている。
「……じゃあ、初雪ってことか? 偽物と混ざってるから、いまいち実感湧かないけど」
「ええ。でも私、こうしてあなたと初雪を見られたこと、心の底から嬉しく思います」
どこか意味ありげなセリフに顔を動かすと、椎名もまたこちらに目線を移していた。
「初雪って年に一度しかないのに、寝ている間に降って、起きたら止んでいることが多いでしょう? それがこうして2人で見られるなんて、これは運命としか思えませんわ!」
目を輝かせながら笑う彼女の声に、ぼくは小さなため息を溢して苦笑した。
「……運命ねえ。そんなもんが実在したら、苦労はないんだけどな」
「はい? 何かおっしゃいましたか?」
無意識に険しい表情をしてしまったからだろうか。椎名は少し不安そうな表情で、ぼくの顔を覗き込むように首を傾げる。ぼくはそれに「なんでもないよ」と返すと、両の手のひらで足元の雪を救い上げ、軽く球状に握った。
「さあ、再開しよう。勝負はまだまだこれからだろう?」
「ええ、望むところですわ!」
そう言って、椎名は笑う。その笑顔はやっぱり、冬の空気よりも澄んでいて、一面に積もる雪よりも純白だ。ぼくは改めて、そんな彼女に憧れているのだとだと実感し、惹かれているのだと痛感した。
本当は、ケーキなんて要らない。あれはあくまで口実のつもりだったんだ……なんて、不器用ゆえ、斜に構えるのがすっかり癖になった今では、口が裂けても言えないけれど。
だから今は、精一杯の気持ちをこの雪玉に込める。春が来て、この雪が解ける頃には、ぼくも少しは変わっている――と、いいな。
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