つい勢いで後輩の童貞を奪っちゃうような女ですが、こんな私でも愛してくれるんですか?

春音優月

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【第一部】

40、もう限界です

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 キスされる、そう気づいた私はとっさに顔を背けてしまった。もう一度キスしようとしてきたのも避けると、不満そうな顔をした慧と目が合う。
 
「何で避けるんですか」
「緊張しちゃって」
 
 てへ、と愛想笑いを浮かべると、慧はますます不満そうな顔で私を見る。
 
「また? 今さらじゃないですか」
「今さらなんだけど! 今さらなんだけどさ、なんかダメなんだよ。おかしいと思うかもしれないけど、友達の時は普通にキス出来たんだよ? でも、ダメなの。今目の前にいる人は私の彼氏で、私の好きな人なんだって思うと、なんか……」
 
 もうダメ。何言ってるか分からないし、この状況がほんとムリ。彼氏とキスって、どうやってするんだっけ。
 
 恩田先輩と別れてからはなんとなく付き合って、時には付き合わずにえっちしたりってことばっかり繰り返してたから、こういう甘い時間は久しぶりでどうしたらいいのか……。
 
「花音先輩でもそんな風になるんですね。まさかそんな可愛いこと言ってもらえるなんて思ってもみませんでした」
 
 そんな言葉と共に、うつむいてる私の頭にポンと慧の手が乗せられる。うぅ……、絶対顔上げられない。
 
 顔を真っ赤にしてうつむいている私の頭を慧はずっとヨシヨシしてくれていたけれど、しばらくして顔を上にあげさせられ、両腕を掴まれる。
 
「意識してくれてるのは嬉しいんですが、じゃあこれからずっとキスもセックスも出来ないんですか?」
 
 目が合った慧は怒ってはいなさそうだったけど、困ったような顔をしていて、なんだか申し訳ない気持ちになった。
 
「そんなことないよ。私もしたいし。
でも、もうちょっと待って。あ、そうだ。私からさせて。私のタイミングで一回しちゃえば、たぶん大丈夫だと思うから」
「……分かりました」
 
 慧は私の腕から手を離し、目を閉じる。
 
 ……。こういうのは、一回しちゃえば平気になるはず。
 
 何もキスするのが初めてなわけじゃないし、何回もしたことあるんだから。今さら恥ずかしがる必要なんてない。そうだよ。……よし。
 
 覚悟を決めて慧に顔を寄せ、唇を重ねようとしたけれど、やっぱり出来なくて身体を離す。
 
 慧からしてもらった方が良かったかも?
 自分から言い出しといて何だけど、なんかこういう「さあどうぞ」ってお膳立てされた状況でキスする方が逆に恥ずかしい気がする。
 
「まだですか?」
 
 そんなことをごちゃごちゃ考えていると、うっすらと目を開けた慧と目が合った。
 
「い、いま出来そうだったのに。もうちょっと待っててってば。慧が目開けたから、またやり直しだよ」
「やり直しって……。いつまで待てばいいんですか」
 
 文句を言いながらも、慧は再び目を瞑ってくれた。
 
 うん、さすがにいっとこう。
 タイミング逃すと永遠に出来ない気がするし、下手したらこのまま夜が明けそう。
 
 そう思って顔を近づけるんだけど、やっぱり出来なくて、顔を引っ込めては近づけての繰り返し。
 
「———もういいです。俺からします」
「え、ちょ、……ん」
 
 いつまでも私からキス出来ないでいたからかな。焦れた慧にぐいっと身体を引き寄せられ、止める暇もなく唇を重ねられる。
 
「ん、んんっ」
 
 後頭部を押さえつけられ、舌で乱暴に口をこじ開けられ、中を暴かれる。
 
 今までに慧としたキスよりも衝動的で、ちょっと強引だったけど、でも慧が私を強く求めてくれていることが伝わってきてすごく嬉しくて、ドキドキする。
 
「けい、すき……」
 
 キスの合間にうっとりと慧を見つめると、ベッドに押し倒されてしまった。服をぐいっと上に持ち上げられ、ブラの上から胸を揉まれる。
 
 どうしよう。私に触れる慧の手が、私を見つめる慧の目が熱くて、どうしようもなくドキドキしておかしくなりそう。
 
「あ、ま、……まって。やっぱりちょっと待って」   
 
 今さら純情ぶっても仕方ないけど、恥ずかしくて死にそう。
 
 性急に事を進めていく慧を止めようと手で押し返したけど、その手を掴まれてベッドの上に縫いとめられる。どうしようもなくなって慧を見上げると、真剣な目をした慧と目が合った。
 
「待てない」
「あの、」
「俺がどれだけ花音先輩のことが好きか、花音先輩は全然分かってないんだ」
「え~っと……慧?」
 
 切羽詰まったようにそう言われ、どうすればいいのか分からなくなって、とりあえず笑っておく。
 
「真面目に告白しても何回もはぐらかされて。それでも諦めきれなくて。俺がどれだけこの日を待ったと思ってるんですか」
「慧……」
 
 告白じゃないと思って流しちゃったけど、そういえば慧は初めてえっちした日の朝にも付き合おうって言ってくれてたんだ。それからも何回も言ってくれて。その度に私はそれをはぐらかしてたけど、それでも慧は私を好きでいてくれて……。
 
「もう限界です。抱かせてください」
「……、はい」
 
 言葉以上に熱いその目から慧の気持ちが伝わってきて、気が付いたら私はそう口にしていた。
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