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ヘンリ爺さんだけあって変な人だ。だけど何かと頼りになるからこちらとしては何も言えない。知識や経験はヘンリ爺さんの方が遥かに上だし、めちゃくちゃためになる情報をくれたり、その上相談にも乗ってくれる。役に立つのも事実だ。
「ルアンからエイデンに心配しているってちゃんと言葉で伝えたらきっと嬉しがると思うんじゃが」
「何言ってるんですか、そんなこと言ったら迷惑でしょ」
どの面下げて言ってんだとか言われたら生きてけない。まあ、でもそんなことエイデン様々は言わないと思うけど、でもそう思われるかもしれないじゃん。言わないだけで。
「うーん手強いのぅ。じゃあ、早く元気出してって可愛く言ってやりなさい。あやつはコレで一発じゃ」
「はぁ…あの本当に冗談はよしてください」
キモがられたらどうしてくれんだよまじで。責任とれるんですか。ただでさえよく思われないのに更に関係が悪化したらライバルどころじゃないぞ。ヘンリ爺さんは『ルアンは全然わかっておらん』って納得してない感じだった。全くヘンリ爺さんの相手は疲れるのでエイデンの様子でも見に行ってみるか。
その後は部屋に戻り、エイデンの顔色を見ながら良くなるまで手を握ることにした。
「お前…早く元気なれよ、そうじゃないと張り合う奴いなくてつまらないし」
『早く元気出して』と別にヘンリ爺さんがそう言えって言ったからじゃないからな。自然に思っていることが声に出てしまっただけ。こんなんで良くなればいくらでも言ってやるし…。
握る手から先ほどより魔力の伝わりが大きくなった気がした。寝ているのを確認し、自分の頬にエイデンの手を当てた。
「おぉ本当温かいな…気持ちいい」
エイデンの魔力って…その、温かくてとても優しいと感じた。
それから5日後、俺たちはギルドに来ていた。
「おいお前。本調子じゃないのに本当に来てよかったのか?」
家を出る時にも一応確認したが心配で念のため聞く。とても不安だ。
「大丈夫だよ。ルア…じゃなくてルーが看病してくれてだいぶ良くなった。こんなに軽いのは久々」
「ふーん。足手まといにはなるなよ、体調悪くなったらすぐ言えよな」
「ふふ、もちろん」
ご機嫌な様子のエイデン。お願いだから無理はしないでくれ。
ギルドでの俺の名前はルーだからたまに間違えて呼んでしまわないか焦る。一応仮面をつけて変装しているがどこで貴族のやつらが聞いているかわからない。親バレしたらアウトだ。抜け出すのだって学園で研究に没頭していると嘘をついているくらいだし。親バカ過ぎるからギルドなんて行ってるってバレた日には監禁確定だ。
「そうだ。今日の依頼は何だった?」
「あぁ、依頼はコレだ」
今回の依頼内容が書かれた紙を見せた。
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