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ノワールだけは決して意地悪して来ない。逆に自分のパーティーの人たちが迷惑かけて申し訳なさそうに謝ってくる。俺的にこいつは何もしてないので別に謝らなくてもいいと思うんだが…。責任感の強いやつだと思った。なぜ同じパーティーなのにこうも違うんだと不思議に思う。考え事をしていたらだんだん周りの視線が強く痛いため、ノワールに掴まれた腕を振り払った。
「あっ…ルーくん…」
傷ついた顔をさせてしまった。本当ごめんなさい。あとなんか、そのルーくん呼びされるの新鮮すぎて照れるんでやめてもらえますか。直接、今そんなこと言えないので一刻も早くここから立ち去りたい。
「人の心配はいいからお前は寝ろよ。クマできてるぞ。じゃあな」
「…っ。え、あ、ありがとう!」
まさか感謝されるなんて。なんか心配になってきた。パーティーの奴らにいいように使われていなければいいけど。
「ちょっとノワール!こんなやつに何ペコペコしてるのよ」
同じパーティーのニーナが不満を溢している。その他2人もぐちぐちと面白くなさそうに後ろで文句を言っていた。これはとても疲れますね。にっこり。
「…お前たちが悪いんだ。ルーくんに謝れよ」
…お、や?
「チッ。なんで俺たちが…」
「あ?弱いくせに態度だけデカい。誰のおかげでここまで来たと思ってんの?」
パーティーメンバーは不服そうだが何も言い返せず沈黙した。
んんん?なんか、さっきとノワールの雰囲気違くね?ドスのきいた声が聞こえた気がするけど大丈夫?冷静を装っていますが内心めちゃくちゃ困惑している。お、俺のせいで仲違いとかは絶対やめてね。それだけはまじ勘弁!
心配してたけどパーティー内の立場はノワールの方が上っぽいな。知らないけど強いのかな。俺みたいなやつにでも平等に扱ってくれるなんて芯がある人だ。
「…ルーくんまたね!」
「あっ、はい」
軽く会釈し、逃げるようにその場から立ち去った。多分あれだ、絶対に怒らせてはいけないタイプだ。怖かった…。
「…大丈夫?」
エイデンが俺の顔を覗き、心配していた。
「あ、あぁ。いつものことだし平気だ。でもあぁいうものはもう一生関わりたくない」
人間関係は希薄な方が一番だ。狭く浅くでよろしくお願いします。エイデンの冒険をこの目で見るまで死ねない。敵は最小限にしておかないと。
「それならいいけど…ルア、ルーが悪く言われるのは嫌だ。冒険者やめたい。そして二人でのんびり…」
「そ、それはダメだ!!!」
そんなことしたら物語が始まらなくなる。原作勢から殺される!
「でも…」
「お、俺と一緒に強くなるんだろ!これも修行だ」
エイデンは俺が悪く言われるのが堪えられないらしい。うぅ…神様仏様。一生推します。
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