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幼少期
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しおりを挟むこのままで立派な男に成長できるかと不安になった。でもなんだかんだありつつ、健やか?に育ち、俺たちは小学4年生になった。
もちろん、日頃の勉強や運動も頑張っている。ちゃんと遊びも取り入れつつ楽しい日々を送っていた。
新学期。
「そ、そんなぁ」
クラス表を見たとき、櫂が泣き崩れた。
初めてクラスが別々になった。さすがにそうだよな。4年連続とはいかないよな。今までが奇跡だったんだ。もはやマンモス校で3年連続一緒だったってことはギネスだと思う。
「かいくんとはなれるなんて聞いてない!」
隣でクラス表の紙を見ながら文句を言っている白雪。あぁ、そうだった。白雪も俺たちと3年連続でクラスが一緒だったんだ。
櫂が1組で、白雪が3組。ちなみに俺が8組とみんなバラバラになっている。
白雪からは『かいくんといっしょのクラスになれなくて悔しいけど、あんたみたいなはりあうやつがいなくなってせいせいしたわ!べ、べつにつまらないとか思ってないから!』と言われた。相変わらずの嫌われっぷり。
「ゆうせいといっしょじゃなきゃ無理…しぬ」
「櫂…、そんなこと言うなって。俺だって櫂と離れて寂しいんだ」
「それでもやだぁ。ゆうせいといっしょがいい!」
「わかった。休み時間は必ず会いに行くから」
「1組と8組じゃ、階がちがう!!すぐに会いに行けないもん!」
頑なに、俺と一緒がいいと拗ねる櫂。そんなこと言ってくるのはかなり嬉しい。気持ちはわからなくもないが決まったことは、寂しいけどどうすることもできない。
最後の最後まで納得のいっていない櫂を諭して、クラスまで連れて行った。
1組のクラスの前で俺の手をなかなか放さない櫂。とうとう担任の先生がやって来てしまった。事情を知った先生は気まずそうに半ば無理矢理だが櫂を強制的にクラスへと引きずり込んだ。
そして、解放された俺は櫂に『またらあとで』と言いながら手を振って少し遅れて新しいクラスへと向かった。
ゆっくりとバレないように新しいクラスに入るもすぐに気づかれて笑われてしまった。
「俺の名前は伊澄悠生といいます。スポーツが大好きです。これからよろしくお願いします」
新学期になると自己紹介は定番だ。
ふと、あることを思った。
櫂とクラスが離れて今気づいたが俺、櫂以外に友達いないな。櫂の心配より自分の心配をしなくては。さすがにぼっちはきつい。
そして、その日の休み時間。約束通り櫂に会いに行くと誓ったため、櫂のクラスへ足を運んだ。
クラスを覗くと、俺の心配もよそに櫂の周りには男女問わずたくさんいた。
楽しそうに何か話をしていて俺が入るスペースなんてなかった。櫂がせっかくクラスメイトと馴染もうとしているのに今俺が入って邪魔したらまずいよな。正直櫂が他の子と交流しているのを見ると寂しい思いがあるが仕方ない。
ちゃんと友達作って偉いぞ、櫂。コミュニケーションは大切だ。
不安だが俺も友達できるだろうか。
そのまま俺は櫂に申し訳ないと思いながら、声をかけず自分のクラスへと戻った。
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