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しおりを挟む日ごろ、誰とも話せていない分、マリーとたくさん話して癒された。
自分の寮の部屋に帰ると、扉の前に誰か立っていた。
あれって…、ヴァル・リード?
もしかしなくてもあのチャラ男がいた。
絡むと面倒になることは目に見えている。でも部屋の前にいるし…、これでは部屋に入れない。…仕方ない。早く部屋に入って休みたい俺は、歩き出した。
「アレン!」
俺を見た瞬間、顔が明るくなった。あの、すぐ抱きつくのやめてもらっていいですか。
「苦しいです」
「ごめんねぇ。アレンが可愛くってつい」
そう言って解放されたが、語尾に星が付きそうなトーンの話し方もやめてほしい。
「何でここに?」
「だって、なかなか俺に会いに来てくれないし?しかもアレンの噂すごいことになってて心配になってきたんだよ~」
「俺は大丈夫なんで、そこ退いてほしいです」
「そんなこと言わずにさ。今度ゆっくり話をするって約束したのに何で会いに来てくれないの、俺口が滑ってあのこと言っちゃうよ?」
ニヤと悪戯に笑う。あのことって多分アレだよな。俺がマリーのふりしてパーティーに出た時のこと。
「…性悪」
外で誰かに見られるとまずいので仕方なく、中に入れることにした。
「そう言えば、何であの時、マリーじゃなくて俺だってわかったんだ?」
今度会った時に聞こうと思っていたが、すっかり聞くのを忘れていた。
「え~、それは秘密だよ。それより、何でアレンの悪い噂が話題になっているか教えてよ」
「教えないなら俺も教えない」
「そういうと思った。あの噂は全部嘘でしょ?」
「うるさいな。本当だよ」
「アレンはそんなことできるような人間じゃないって俺わかるんだよね。多分、あれでしょ。マリーちゃんのため。理由はわからないけど、まぁ、俺的に、その噂のおかげでアレンに下心丸出しの奴が近づかなくていいけど」
「なんだよ、それ。噂は本当。だからお前も俺に近づいて嫌われても知らないぞ」
「あぁ、アレンはやっぱり、可愛いな。ねぇ、俺と付き合っちゃう?」
「冗談でも絶対無理」
「うわ、傷つく。俺本気なのに」
こいつの下半身の緩さとチャラさはゲーム内でよくわかる。まぁ、こいつも一応マリーが好きな四人の一人だからな。できれば付き合ってほしくないのが本音。
こいつからマリーのことどう思ってんのか聞いてみようかな。同じクラスだし。
「そういえば、お前、マリーと同じクラスだけど、マリーはクラスで大丈夫か?」
「本当、マリーのことだけだね。まぁうーん、そうだなぁ…、マリーちゃんはすっごくモテてるよ」
良かった。それなら安心だ。さすがマリー。
「そっか。それでお前はマリーのことどう思ってるんだ?」
一応、自分でも情報を調べないと。
「ふふ、アレン。もしかして気になるの?」
「悪いけど、今の聞かなかったことにして」
聞いた相手を間違えてしまったみたいだ。
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