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第弐幕
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慎太郎が漸くにして桃色の背中を目で捉えた時、少女の前に三人の男の壁が出来て居た。身形が良いとは口が裂けても言えない、大中小の三人組。皆一様に胸元を開け、真ん中の中背の男は白木の鞘の刀を挿して居る。他の二人も懐中から鍔の無い短刀で在る匕首の一つは出て来そうだ。不成者で在ろうか。だが、慎太郎にとっては少女の足止めに為って居る手前、有難いとしか言い様が無かった。
「此処は稲白一門の縄張りだ。勝手な商売は困ると言って居るだろうが」
「御頭が甘い顔して居るからって、図に乗りやがって!」
「是は御頭に突き出さなきゃ為りませんねい」
如何やら、話を聞く限り、揉め事の様で在る。所詮は摺で、彼の態度だ。幾ら少女と言えど、致仕方無しと云った所で在ろう。慎太郎は思わず同情の念を抱いた。
「何、御頭も鬼じゃねえ。素直に股を開けば、今迄の事には目を瞑ってくれるさ」
少女の顔を覗き込むと、中背は自分の顎に手を遣り、べろりと舌舐めずりをした。
「はん!あんな糞爺の女に為る位なら、舌を噛み切って死んだ方が増しよ‼」
嫌がって中背の肩を両手で押し除ける少女。然うして少し隙間を作ると、眉間に深い皺を作り乍ら唾を吐き掛け、今にも噛み付かん許りに捲し立てた。其の勢いに漸圧倒されたのか、中背は少女の唾を避ける様に前屈させた腰を後ろに反らせた。
「此処は稲白一門の縄張りだ。勝手な商売は困ると言って居るだろうが」
「御頭が甘い顔して居るからって、図に乗りやがって!」
「是は御頭に突き出さなきゃ為りませんねい」
如何やら、話を聞く限り、揉め事の様で在る。所詮は摺で、彼の態度だ。幾ら少女と言えど、致仕方無しと云った所で在ろう。慎太郎は思わず同情の念を抱いた。
「何、御頭も鬼じゃねえ。素直に股を開けば、今迄の事には目を瞑ってくれるさ」
少女の顔を覗き込むと、中背は自分の顎に手を遣り、べろりと舌舐めずりをした。
「はん!あんな糞爺の女に為る位なら、舌を噛み切って死んだ方が増しよ‼」
嫌がって中背の肩を両手で押し除ける少女。然うして少し隙間を作ると、眉間に深い皺を作り乍ら唾を吐き掛け、今にも噛み付かん許りに捲し立てた。其の勢いに漸圧倒されたのか、中背は少女の唾を避ける様に前屈させた腰を後ろに反らせた。
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