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第伍幕
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色事とは男女の交わりであり、遊郭には遊女と云う店員と、其れを買う男の客が存在する。遊郭には「吸いつけ煙草」為る物が存在し、其れが客の男らしさを計る指標と為って居た。
江戸時代には紙巻の煙草は存在しない。紙が貴重で在る為、繰り返し使える様、羅宇と云う管の両端に金属製の受皿と吸口を付けた「煙管」に刻んだ煙草の葉を詰めて吸って居た。
遊郭に売られた遊女達は借金の形に取られて居る訳で、所謂、奴隷の扱いで在る。張見世と云われる店先の格子の中から客を呼び込み、「金で買われて牢屋から出して貰う」と云うのが習わしなのだ。
其の際、愛用して居る朱羅宇の煙管を一口吸いつけて火を点けてから懐紙で拭って差し出すのだが、客が煙管を受け取れば目出たく契約成立と為る。勿論、事が終われば元の張見世に逆戻り。併し、借金が無く為れば遊郭で働く必要も無い訳で、地獄絵図から抜け出す為に、遊女は常に気に入られた御仁に買い受けて貰える機会を狙って居るので在る。
是等の事例は歌舞伎演目「助六由縁江戸桜」で後世に伝えられて居り、「煙管の雨が降る様」とは、女に困らぬ良い男と云う事を示す。まあ、遊女にとっては、只の「都合の良い男」で在る可能性を否定は出来ないのだが。
江戸時代には紙巻の煙草は存在しない。紙が貴重で在る為、繰り返し使える様、羅宇と云う管の両端に金属製の受皿と吸口を付けた「煙管」に刻んだ煙草の葉を詰めて吸って居た。
遊郭に売られた遊女達は借金の形に取られて居る訳で、所謂、奴隷の扱いで在る。張見世と云われる店先の格子の中から客を呼び込み、「金で買われて牢屋から出して貰う」と云うのが習わしなのだ。
其の際、愛用して居る朱羅宇の煙管を一口吸いつけて火を点けてから懐紙で拭って差し出すのだが、客が煙管を受け取れば目出たく契約成立と為る。勿論、事が終われば元の張見世に逆戻り。併し、借金が無く為れば遊郭で働く必要も無い訳で、地獄絵図から抜け出す為に、遊女は常に気に入られた御仁に買い受けて貰える機会を狙って居るので在る。
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