ぴかぴか学園のこころのルールブック

バルス

文字の大きさ
7 / 22

第六章:こころのルール?

しおりを挟む
たろうくんは、今でも、毎朝、校門の鏡の前で、三秒、呼吸を合わせる。  
でも、今は、七回目で合わせられる。  
時計の音、風の音、自分の鼓動——それらが、一つの調べになる。  

彼は知っている。  
「みんなと同じペースで歩ける」という証明をして初めて、自分の個性を出しても許される場所(居場所)がもらえるのだということを。
それは、妥協でも、屈服でもない。  
それは、「自分を、集団という大きな楽器の一部として、丁寧に調律する」
という、静かな、そして、極めて高度な技術だった。  

ぴかぴか学園の「こころのルールブック」には、こう書かれている。  

> 1.観察は、自分を消すことから始まる。  
> 2.同調は、相手に合わせることではなく、自分を調整することだ。  
> 3.感情は、自分だけのものではなく、集団の空気を震わせる音波である。  
> 4.「ブー!」は罰ではなく、集団の物理的防衛反応である。  
> 5.信頼は、大きな声ではなく、小さな合図の積み重ねでしか築けない。  
> 6.「和」とは、誰かが我慢することではない。  
> それは、全員が、自分の周波数を、ほんの少しだけ合わせることで生まれる、共鳴の瞬間である。  
> 7.だから、自分の音を響かせたいなら、まず、その音が、他の音と、共に響くことを学べ。  
> 8.静かに輝く者だけが、真の光を放つ。  
> なぜなら、光は、闇を切り裂くのではなく、闇と調和して、初めて、その輝きを証明するからだ。

たろうくんは、心の中では、どんなに大きな情熱が渦巻いていても、  
表に出すときは、心地よい微風のように。  
それが、この学園で生き残り、愛されるための——  
「こころのルール」なのだ。  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...