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決断しました
第120話 結婚式①
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「エリオットはどれがいいと思いますか?ドレス。」
「シェリーは希望ないのか?」
「うーん……どれも綺麗なんですが、細かい違いが分からなくて…せめて3択からとかじゃないと決められそうにないですね……」
「ハハ、じゃあ俺がとりあえず違う系統ので3つくらい選んでくるよ。」
「お願いします。」
あれから……なんと3ヶ月が経った。
私は結婚式用のドレスを選びに来ていて、エリオットもそれについてきた。
そう、これは私達の結婚式……ではなく、リナとオスカル殿下の結婚式に出席するためのものだ。
今まで最低限のドレスで上手いことやりくりしていたが、そろそろ着回しているのがバレそうなのと、せっかくのリナの晴れ舞台に適当な格好で行くのもあれなので、ドレスを新調しようと決意した。
「さて、この辺りでどうだ?」
すると、エリオットがドレスの候補をもってきてくれた。
「ありがとうございます」
候補は3着あり、フリルが豪勢に付いたもの、飾りが少なくスラッとしたもの、その中間くらいのものだ。
宣言通り見事に系統が違うものを持ってきてくれた。
「どれにする?」
「うーん…では真ん中で。」
私は中間くらいのものをチョイスする。
「よしこれだな、すみません店員さん!」
エリオットが店員さんを呼ぶと、一度ドレスを預かり、細かいフィッティングを行うために店裏へ入っていった。
エリオットに候補を絞って貰ったおかげですんなり決めることが出来た。
あれでも、エリオットが持ってきたのって……
「そういえば、候補のドレスが全部琥珀色だったのにはなにか理由が?」
「ん?ああ、この色に見覚えはねえか?」
「見覚え……?」
私は色々記憶を辿ってみるが、なかなか思い出せない。
考えている私の顔をエリオットが覗き込んでくる。なんでそんなに見つめて……あ。
「これか!」
「そういうこった。」
エリオットの見事な琥珀色の瞳を見て理解する。
「貴族の間で自分の目の色のドレスを婚約者に着せるのが流行ってるらしくてな」
「ほう……でもエリオット、そういう流行りとか気にするタイプでしたっけ?」
「いや、流行り自体は正直どっちでもいいんだけどな?乗っかっといた方が手っ取り早く俺の婚約者だって知らしめられるなら悪くねえかなと。」
「なる……ほど?」
エリオットはなんというかこう、自然な流れでキザなセリフを入れるのが上手い。だからその場では気にならないが、後からじわじわくる。
そういうところは敵わないなとつくづく思う。
「……って、気づいてなかったってことはもしかして婚約指輪の宝石のことも気がついてなかったのか?」
「え?……あ。」
言われてみれば、私の指輪には琥珀が使われているし、エリオットの指輪には蒼色の宝石が使われていた。
「ハハ、ムードを考えて説明しなかったが、言っておいた方が良かったな、すまんすまん」
エリオットは笑いながら私の頭をポンポンと撫でる。
私は今の話を聞き、あることを思いつく。
「そういえばエリオットは、こういうとき基本的に騎士団の正装を着てますよね?それ以外のものを着ることはあるんですか?」
「そうだな…それこそ、自分の結婚式のときとかじゃないか?」
「じゃ、じゃあ蒼色の服…いえ、ハンカチとかでもいいんですけど、身につけて貰っても…?」
「……!ああ、もちろんだ。シェリーも独占欲が湧いてきたのか?」
エリオットが満足気に、少し茶化すように言う。
「いえ、というよりは、単純にお揃いみたいでいいかなと……」
「そ、そうか……」
お互い照れてしまい、相手の顔が見られなくなった2人であった。
「シェリーは希望ないのか?」
「うーん……どれも綺麗なんですが、細かい違いが分からなくて…せめて3択からとかじゃないと決められそうにないですね……」
「ハハ、じゃあ俺がとりあえず違う系統ので3つくらい選んでくるよ。」
「お願いします。」
あれから……なんと3ヶ月が経った。
私は結婚式用のドレスを選びに来ていて、エリオットもそれについてきた。
そう、これは私達の結婚式……ではなく、リナとオスカル殿下の結婚式に出席するためのものだ。
今まで最低限のドレスで上手いことやりくりしていたが、そろそろ着回しているのがバレそうなのと、せっかくのリナの晴れ舞台に適当な格好で行くのもあれなので、ドレスを新調しようと決意した。
「さて、この辺りでどうだ?」
すると、エリオットがドレスの候補をもってきてくれた。
「ありがとうございます」
候補は3着あり、フリルが豪勢に付いたもの、飾りが少なくスラッとしたもの、その中間くらいのものだ。
宣言通り見事に系統が違うものを持ってきてくれた。
「どれにする?」
「うーん…では真ん中で。」
私は中間くらいのものをチョイスする。
「よしこれだな、すみません店員さん!」
エリオットが店員さんを呼ぶと、一度ドレスを預かり、細かいフィッティングを行うために店裏へ入っていった。
エリオットに候補を絞って貰ったおかげですんなり決めることが出来た。
あれでも、エリオットが持ってきたのって……
「そういえば、候補のドレスが全部琥珀色だったのにはなにか理由が?」
「ん?ああ、この色に見覚えはねえか?」
「見覚え……?」
私は色々記憶を辿ってみるが、なかなか思い出せない。
考えている私の顔をエリオットが覗き込んでくる。なんでそんなに見つめて……あ。
「これか!」
「そういうこった。」
エリオットの見事な琥珀色の瞳を見て理解する。
「貴族の間で自分の目の色のドレスを婚約者に着せるのが流行ってるらしくてな」
「ほう……でもエリオット、そういう流行りとか気にするタイプでしたっけ?」
「いや、流行り自体は正直どっちでもいいんだけどな?乗っかっといた方が手っ取り早く俺の婚約者だって知らしめられるなら悪くねえかなと。」
「なる……ほど?」
エリオットはなんというかこう、自然な流れでキザなセリフを入れるのが上手い。だからその場では気にならないが、後からじわじわくる。
そういうところは敵わないなとつくづく思う。
「……って、気づいてなかったってことはもしかして婚約指輪の宝石のことも気がついてなかったのか?」
「え?……あ。」
言われてみれば、私の指輪には琥珀が使われているし、エリオットの指輪には蒼色の宝石が使われていた。
「ハハ、ムードを考えて説明しなかったが、言っておいた方が良かったな、すまんすまん」
エリオットは笑いながら私の頭をポンポンと撫でる。
私は今の話を聞き、あることを思いつく。
「そういえばエリオットは、こういうとき基本的に騎士団の正装を着てますよね?それ以外のものを着ることはあるんですか?」
「そうだな…それこそ、自分の結婚式のときとかじゃないか?」
「じゃ、じゃあ蒼色の服…いえ、ハンカチとかでもいいんですけど、身につけて貰っても…?」
「……!ああ、もちろんだ。シェリーも独占欲が湧いてきたのか?」
エリオットが満足気に、少し茶化すように言う。
「いえ、というよりは、単純にお揃いみたいでいいかなと……」
「そ、そうか……」
お互い照れてしまい、相手の顔が見られなくなった2人であった。
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