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60.『肉体を愛するなかれ』(2)
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「あ…」
「ん、よし」
「よし、じゃな……っん、ぅ」
ほ、と軽く息を吐いて頷いたオウライカが緩やかに上下に揺らし始める。さっきのように激しいものではない、けれどその擦り付けてくる場所は確実にカザルの弱い部分で。
「あっ、あっ……ぁあっっ」
ぞくん、と甘い快感が走り上がったのに、根元を締められ弾けられなくて、カザルは目を見開いた。
「や……っ」
「大丈夫、そうだな」
「ぃやっ……いや、外して…っ」
柔らかく揺さぶられ愛撫が重ねられる。自分で外そうにも、そのたびにきつい部分を突かれて、倒れそうになって必死にすがる。じわりと赤みを増していくものは銀色の輪で快楽の縁に追い詰められたまま、何度も何度も内側だけで駆け上がらされて蕩けるほどに濡れている。
「痛むか?」
「いた…くない…けど……もう……もう……」
ぎっちり嵌まっているのではなくて、膨れ上がるそのものに僅かに形を緩ませながら、それでも肝心のところを緩めてくれなくて、カザルの頭の中には紅の海が広がる。
「もう…オウライカさ……おれ…………っ、ぁ、ぁあ、」
ぞくん、ぞくんと身体を震わせながら、今までとは知らない奥がうねるように快感を届けてきて、カザルは身をよじった。触れられないほど深い場所、身体の中心のその奥で何かが震えながら固まっていく。
「な…に……っ……こ…れ……あ……ぁあ……っ」
それは柔らかくてぷるんとしていて半透明で薄赤く光っている。
「あうっ、あうう」
いつの間にか、オウライカは動きを止めていた。カザルが腰を揺すり、そのものに辿りつこうとするのをじっと待つように、深く刺さったままでいる。
「これ…っ……これ……」
「そこへ行きたいか?」
「う…っ…うん…っ……いき……たい……っ」
背筋が寒い。全身溺れかけたみたいに汗びっしょりで震える。
「いき…たい……っ……いけ……いけな………っ……ひ…んっ」
身体を揺すり押し付けよじるけれど、どの刺激もそこへ辿りつかせてくれない。上下させてみたり思いっきり奥まで受け入れてみたりしてもだめだ。
「ど………して……っ? ……どう……して……けない……っの」
「カザル」
「は……っん」
「目を開けてみろ」
「んっ」
オウライカの声に自分が目を閉じて追っていたことに気付く。
「まだそれが見えるか?」
「んっ……ん」
目を開いていても脳の奥の方で光っているのがわかるから、必死に頷く。
「じゃあ、来い」
「え……っ」
「私に口付けしに来い」
「う……んっ」
静かに笑うオウライカの額にはしっとりと汗が光っている。いつもより紅潮した頬に伝うそれに誘われて、頭を下げる。舐めようと伸ばした舌をオウライカの唇が受け止めてくれる。
「カザル」
「んっ」
「ほら、お前の中にあるもの」
「っふ」
「この舌の先に繋がってて、それを今」
「は、ぁ」
唇を触れながら囁かれることばが意識を切り刻む。伸ばした舌を嬲られる。
「私が……舐めてる」
「っぁ」
脳裏の紅の塊を直接舐められたような震えが襲った。反応できなくなったカザルの舌をオウライカの舌が舐めていく。
「ほら、こんなに奥まで」
「ひ…ぁ」
舌を辿って突っ込まれる。その感覚と寸分狂いなく下半身に刺さったものが熱を増した。両方の感覚に追い込まれたカザルが再び促されて目を開く、その視界にオウライカの指がゆっくりと紅に熟れたカザルのものに近付いていくのが見える。
「オ…ウ……っ」
よだれが口から零れ落ちる。涙が溢れて止まらない。そこへ近付くオウライカの指がカザルの中の紅の塊にもじわじわと近付いていく。
「舌を」
「は…」
震えながら突き出した舌にまだ何も触れない。もう一度促されて目を開ける。まっすぐで強い黒い瞳が見返してくる。開いた口から舌が伸びてくる。
もう少し。
もう少し。
頭が焼けて他に何も考えられない。
ただ欲しいのは、その触れる瞬間だけ。
もう少し。
もう。
「、っっう!」
舌が触れあった。膨らんだものに指が埋まった。紅の塊を容赦ない力が握り潰す。
その瞬間、カザルは、消えた。
「ん、よし」
「よし、じゃな……っん、ぅ」
ほ、と軽く息を吐いて頷いたオウライカが緩やかに上下に揺らし始める。さっきのように激しいものではない、けれどその擦り付けてくる場所は確実にカザルの弱い部分で。
「あっ、あっ……ぁあっっ」
ぞくん、と甘い快感が走り上がったのに、根元を締められ弾けられなくて、カザルは目を見開いた。
「や……っ」
「大丈夫、そうだな」
「ぃやっ……いや、外して…っ」
柔らかく揺さぶられ愛撫が重ねられる。自分で外そうにも、そのたびにきつい部分を突かれて、倒れそうになって必死にすがる。じわりと赤みを増していくものは銀色の輪で快楽の縁に追い詰められたまま、何度も何度も内側だけで駆け上がらされて蕩けるほどに濡れている。
「痛むか?」
「いた…くない…けど……もう……もう……」
ぎっちり嵌まっているのではなくて、膨れ上がるそのものに僅かに形を緩ませながら、それでも肝心のところを緩めてくれなくて、カザルの頭の中には紅の海が広がる。
「もう…オウライカさ……おれ…………っ、ぁ、ぁあ、」
ぞくん、ぞくんと身体を震わせながら、今までとは知らない奥がうねるように快感を届けてきて、カザルは身をよじった。触れられないほど深い場所、身体の中心のその奥で何かが震えながら固まっていく。
「な…に……っ……こ…れ……あ……ぁあ……っ」
それは柔らかくてぷるんとしていて半透明で薄赤く光っている。
「あうっ、あうう」
いつの間にか、オウライカは動きを止めていた。カザルが腰を揺すり、そのものに辿りつこうとするのをじっと待つように、深く刺さったままでいる。
「これ…っ……これ……」
「そこへ行きたいか?」
「う…っ…うん…っ……いき……たい……っ」
背筋が寒い。全身溺れかけたみたいに汗びっしょりで震える。
「いき…たい……っ……いけ……いけな………っ……ひ…んっ」
身体を揺すり押し付けよじるけれど、どの刺激もそこへ辿りつかせてくれない。上下させてみたり思いっきり奥まで受け入れてみたりしてもだめだ。
「ど………して……っ? ……どう……して……けない……っの」
「カザル」
「は……っん」
「目を開けてみろ」
「んっ」
オウライカの声に自分が目を閉じて追っていたことに気付く。
「まだそれが見えるか?」
「んっ……ん」
目を開いていても脳の奥の方で光っているのがわかるから、必死に頷く。
「じゃあ、来い」
「え……っ」
「私に口付けしに来い」
「う……んっ」
静かに笑うオウライカの額にはしっとりと汗が光っている。いつもより紅潮した頬に伝うそれに誘われて、頭を下げる。舐めようと伸ばした舌をオウライカの唇が受け止めてくれる。
「カザル」
「んっ」
「ほら、お前の中にあるもの」
「っふ」
「この舌の先に繋がってて、それを今」
「は、ぁ」
唇を触れながら囁かれることばが意識を切り刻む。伸ばした舌を嬲られる。
「私が……舐めてる」
「っぁ」
脳裏の紅の塊を直接舐められたような震えが襲った。反応できなくなったカザルの舌をオウライカの舌が舐めていく。
「ほら、こんなに奥まで」
「ひ…ぁ」
舌を辿って突っ込まれる。その感覚と寸分狂いなく下半身に刺さったものが熱を増した。両方の感覚に追い込まれたカザルが再び促されて目を開く、その視界にオウライカの指がゆっくりと紅に熟れたカザルのものに近付いていくのが見える。
「オ…ウ……っ」
よだれが口から零れ落ちる。涙が溢れて止まらない。そこへ近付くオウライカの指がカザルの中の紅の塊にもじわじわと近付いていく。
「舌を」
「は…」
震えながら突き出した舌にまだ何も触れない。もう一度促されて目を開ける。まっすぐで強い黒い瞳が見返してくる。開いた口から舌が伸びてくる。
もう少し。
もう少し。
頭が焼けて他に何も考えられない。
ただ欲しいのは、その触れる瞬間だけ。
もう少し。
もう。
「、っっう!」
舌が触れあった。膨らんだものに指が埋まった。紅の塊を容赦ない力が握り潰す。
その瞬間、カザルは、消えた。
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