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第2章
9.女と男(5)
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「っ…」
伊吹の目が揺れて必死に見上げてくる。京介は眠っていると思い込んでいたのだろう、無防備な視線と押し付けた身体がはっきり竦んで、止まらなくなった。
「ごめん」
首筋に顔を埋める。ぞくりと波を走らせた伊吹が、それでも一瞬京介の唇を迎えるように仰け反る。もう、限界、と切れ切れに訴えた。
「頑張ったんだよ、僕だって」
「あっ」
吸いつくというより噛みつくに近い。獲物に牙をたてる獣になったような気がして、口に入った肌を舌で舐め回す。拒むように掴んできた腕をはねのけ、掌が沈み込む柔らかな感触にくらりとして声を漏らした。
「ああ」
ジャージの下の二つの膨らみは京介の掌を軽く押し上げる。弾力を確かめるように撫でると、掌の下で緩やかに波打ちながら揺れる。
「柔らかいんだ」
指で辿る通りに凹むのに、もっとはっきりしたものを感じたくなって思わず両手で握りしめた。
「ふ、っ」
ひくっと伊吹が喉を晒して身体を跳ねさせた。唇を噛む苦痛の顔、痛かったのかと手を離したとたんに弛んだ表情の頼りなさに、感じたことのない熱いものが中心に固まるのがわかる。そろそろと指を立てながら、握る気配を漂わせて撫でると、伊吹が少しずつ息を弾ませていく。
「固くなってきた」
「か…ちょ…」
掠れた甘い声が呻いた。胸が応じるみたいに京介の掌の中で膨れ上がってくる。頼りなく揺れていたものが、愛撫を待って京介の指をねだるように押し返してくる。
「僕の手に掴まれたがってるみたい」
尖った部分が布を通しても掌にわかる。堪え切れなくて、もう一度思いきり掴むと、小さな声を上げて伊吹が仰け反った。細い首筋に目印のようにさっきのキスマーク、胸を京介に掴まれて震える伊吹の喉にもう一度所有を刻む。
「ほら…きた」
「っう」
悔しそうな声にぞくぞくした。与えられた感覚に息を乱している伊吹の両足の間に滑り込み、胸のチャックを引き降ろし手を滑り込ませる。布に覆われていると思ったせいか、あっさり両方とも侵入を許した伊吹の甘さに、煽られると同時に腹立たしさが広がった。
こんなに簡単に落ちちゃうの?
なのにあんなに拒んだの?
相打ちは後で、今はやめて、と軽くからかって囁くと、伊吹は眉を寄せながら目を開いた。
「か…ちょう……っ」
なじる声、それでも危ういほど熱に熟れているのにくすりと笑う。
「いじっぱり……シャツ一枚で守れるって?」
あ…あっ、と小さな悲鳴が上がって、形がはっきりわかった胸を揉みしだかれて伊吹が腕にすがりついてくる。そんなものでは許せなくて、指を少し立てたまま両方撫で回すと、微かに伊吹の腰が浮いた。まるで迎え入れるような動きに思わず強く腰を押し付ける。
「んうっ」
呻く伊吹が唇を噛んで首を振る。我慢できない、そういう顔で喘がれて、指先で絡みつくような弾力を味わっていると、張り詰めた場所が熱くて耐え切れなくなってくる。
視界が何度も薄白く濁る。ぞくぞくする感覚、自分が伊吹を好き放題にしている、と喉を干上がらせながら思う。
「どうしよう、伊吹さん…?」
布を隔てたまま擦りつける場所が、もどかしくて遠くて甘い。取り出して直接触れたい、そう思いながら、掴んで伊吹を身悶えさせているこの場所も手放したくなくて、無防備に揺さぶられている相手の頼りなさがどんどん京介を煽っていく。
「僕、もう」
駆け上がりたい。
伊吹の何もかもをこの手におさめたまま、邪魔なものを取り去って一気に奥まで貫きたい。
「っ、く、」
胸をきつく握りしめた。伊吹が顔を歪めて半泣きになる、その顔を見ながら腰を何度も当てるたびに、もっと、もっと、と頭の中で声が響く。
もっとだ、もっと、もっとだ、京介、もっとその顔でねだってみろ。
響いた声に恐怖と苦痛と吐き気が込み上げ、萎えそうになりながら快感を追う。
違う、違う、違う、僕は、あんたに抱かれてるんじゃなくて、あんたにイかされるんじゃなくて、あんたに犯されるんじゃなくて、今僕が欲しいのは。
「は…っ、あ」
喘ぎながら伊吹にしがみつく。握った柔らかなものに噛みついて自分の場所を確かめたい。大輔ではなく恵子でもなく、ここに居るのが伊吹なのだと感じたい。京介が今抱いているのは伊吹で、今京介を抱いてくれるのが伊吹なんだと、ああでも、もう。
「ほ…しい…っ」
助けて、イきたい、溺れたい、安心してただ愛されて。でも、だめ、なの?
「っう」
泣きそうになったとたん、ふいに細い腕が京介を抱えた。汗に濡れた視界を瞬いて自分も伊吹を抱きかかえようとしたとたん、
「きょう、すけ」
伊吹の目が揺れて必死に見上げてくる。京介は眠っていると思い込んでいたのだろう、無防備な視線と押し付けた身体がはっきり竦んで、止まらなくなった。
「ごめん」
首筋に顔を埋める。ぞくりと波を走らせた伊吹が、それでも一瞬京介の唇を迎えるように仰け反る。もう、限界、と切れ切れに訴えた。
「頑張ったんだよ、僕だって」
「あっ」
吸いつくというより噛みつくに近い。獲物に牙をたてる獣になったような気がして、口に入った肌を舌で舐め回す。拒むように掴んできた腕をはねのけ、掌が沈み込む柔らかな感触にくらりとして声を漏らした。
「ああ」
ジャージの下の二つの膨らみは京介の掌を軽く押し上げる。弾力を確かめるように撫でると、掌の下で緩やかに波打ちながら揺れる。
「柔らかいんだ」
指で辿る通りに凹むのに、もっとはっきりしたものを感じたくなって思わず両手で握りしめた。
「ふ、っ」
ひくっと伊吹が喉を晒して身体を跳ねさせた。唇を噛む苦痛の顔、痛かったのかと手を離したとたんに弛んだ表情の頼りなさに、感じたことのない熱いものが中心に固まるのがわかる。そろそろと指を立てながら、握る気配を漂わせて撫でると、伊吹が少しずつ息を弾ませていく。
「固くなってきた」
「か…ちょ…」
掠れた甘い声が呻いた。胸が応じるみたいに京介の掌の中で膨れ上がってくる。頼りなく揺れていたものが、愛撫を待って京介の指をねだるように押し返してくる。
「僕の手に掴まれたがってるみたい」
尖った部分が布を通しても掌にわかる。堪え切れなくて、もう一度思いきり掴むと、小さな声を上げて伊吹が仰け反った。細い首筋に目印のようにさっきのキスマーク、胸を京介に掴まれて震える伊吹の喉にもう一度所有を刻む。
「ほら…きた」
「っう」
悔しそうな声にぞくぞくした。与えられた感覚に息を乱している伊吹の両足の間に滑り込み、胸のチャックを引き降ろし手を滑り込ませる。布に覆われていると思ったせいか、あっさり両方とも侵入を許した伊吹の甘さに、煽られると同時に腹立たしさが広がった。
こんなに簡単に落ちちゃうの?
なのにあんなに拒んだの?
相打ちは後で、今はやめて、と軽くからかって囁くと、伊吹は眉を寄せながら目を開いた。
「か…ちょう……っ」
なじる声、それでも危ういほど熱に熟れているのにくすりと笑う。
「いじっぱり……シャツ一枚で守れるって?」
あ…あっ、と小さな悲鳴が上がって、形がはっきりわかった胸を揉みしだかれて伊吹が腕にすがりついてくる。そんなものでは許せなくて、指を少し立てたまま両方撫で回すと、微かに伊吹の腰が浮いた。まるで迎え入れるような動きに思わず強く腰を押し付ける。
「んうっ」
呻く伊吹が唇を噛んで首を振る。我慢できない、そういう顔で喘がれて、指先で絡みつくような弾力を味わっていると、張り詰めた場所が熱くて耐え切れなくなってくる。
視界が何度も薄白く濁る。ぞくぞくする感覚、自分が伊吹を好き放題にしている、と喉を干上がらせながら思う。
「どうしよう、伊吹さん…?」
布を隔てたまま擦りつける場所が、もどかしくて遠くて甘い。取り出して直接触れたい、そう思いながら、掴んで伊吹を身悶えさせているこの場所も手放したくなくて、無防備に揺さぶられている相手の頼りなさがどんどん京介を煽っていく。
「僕、もう」
駆け上がりたい。
伊吹の何もかもをこの手におさめたまま、邪魔なものを取り去って一気に奥まで貫きたい。
「っ、く、」
胸をきつく握りしめた。伊吹が顔を歪めて半泣きになる、その顔を見ながら腰を何度も当てるたびに、もっと、もっと、と頭の中で声が響く。
もっとだ、もっと、もっとだ、京介、もっとその顔でねだってみろ。
響いた声に恐怖と苦痛と吐き気が込み上げ、萎えそうになりながら快感を追う。
違う、違う、違う、僕は、あんたに抱かれてるんじゃなくて、あんたにイかされるんじゃなくて、あんたに犯されるんじゃなくて、今僕が欲しいのは。
「は…っ、あ」
喘ぎながら伊吹にしがみつく。握った柔らかなものに噛みついて自分の場所を確かめたい。大輔ではなく恵子でもなく、ここに居るのが伊吹なのだと感じたい。京介が今抱いているのは伊吹で、今京介を抱いてくれるのが伊吹なんだと、ああでも、もう。
「ほ…しい…っ」
助けて、イきたい、溺れたい、安心してただ愛されて。でも、だめ、なの?
「っう」
泣きそうになったとたん、ふいに細い腕が京介を抱えた。汗に濡れた視界を瞬いて自分も伊吹を抱きかかえようとしたとたん、
「きょう、すけ」
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