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出会い
ドラゴンは語る
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昔、と言っても今から約一年半前。
私は王宮から派遣された騎士団の一人だった。
私は仲間と一緒に、この森の奥深くに住んでいるというドラゴンの退治に来ていた。
そのドラゴンは、特に人間に害を及ぼしたり、悪さをしている訳では無かった。
しかし、ドラゴンというだけで、悪さをするのではないか、人を喰うのではないかと、近隣の村人や、近くを通った旅人から退治をして欲しいと依頼が、多数王宮に寄せられたのだった。
正直に言って、私は乗り気ではなかった。
ドラゴンは静かに暮らしたいだけではないか。害を及ぼしている訳ではないのに、私達人間が、むやみやたらにドラゴンの生活を脅かしているのではないか、と不安になった。
しかし、仲間達はドラゴンを退治して、報酬を受け取ったり、出世をする事しか頭にはないようであった。
やがて、ドラゴンを見つけた私達は、上官からの指示通りに動いて、ドラゴンを追い詰めた。
その時、たまたま、私がドラゴンの死角にいた。
上官から合図をされた私は、ドラゴンに斬りかかろうとした。
しかし、刃が触れるかという時に、私は躊躇ってしまった。
このドラゴンを、本当に退治してもいいのかと。
このドラゴンは穏やかに暮らしたいだけではないか、このドラゴンにも家族や仲間など守りたい存在がいるのではないかと。
その躊躇いが、私の運命を変えてしまったように思う。
私が斬りかかると思った他の仲間達が、一斉にドラゴンに向かって矢を放った。
そうして、矢に驚いて怯んだドラゴンを、仲間の一人が斬りかかって、首を刎ねたのだった。
刎ねられたドラゴンの首から、大量の青い血が落ちてきた。
ドラゴンの真下に居た私は、それを頭から浴びてしまったのだった。
滝の様に流れ落ちてきた、大量のドラゴンの血を浴びた私に異変が起こったのは、それからすぐの事だった。
まず、私の身体が白銀色に輝いた。
内側から光が溢れ出てくるような感覚に襲われて、次いで私の身体が盛り上がって、身につけていた服や防具が弾け飛んだ。
私の身体はどんどん大きくなっていって、気がつくと、私の身体は白銀色の鱗に覆われていた。
その様子を見ていた仲間達が、気味悪がって次々と矢を放ってきた。
しかし、白銀色の鱗は矢を弾いたのだった。
私は何か言わなければならないと思った。だが、何を言えばいいのだろうか。
そう考えている間に、仲間の一人が叫んだ。
「ば、化け物……! アイツは仲間でも、人間でも無い……!」
そうして、上官も含めた仲間達は、弾かれたようにバラバラに逃げて行った。
私は仲間が言った「仲間でも、人間でも無い」に、殊の外、ショックを受けていたようだった。
騎士団に入ってから今日まで、私は早く騎士団の一員になれるように、仲間の一員になれるように、必死になっていた。
それを否定されたのだ。
ドラゴンになってしまった。
ただ、それだけで。
私は悲しくて泣いた。
しかし、私の声はドラゴンの鳴き声であった。
それから少しして、ようやく、人間の言葉を話せるようになった。
ドラゴンの身体と生活に慣れてくると、他のドラゴンを探して旅をした。
他のドラゴンの中にも、私と同じように、人間からドラゴンになった者がいるのではないか。
人間に戻れる方法を知っているのではないかと、期待を抱いて。
その中で、人から隠れて住むドラゴンにも出会えたが、人間味があるからか、ドラゴンらしくなかったからか、誰も私を仲間に入れてくれなかった。
それが悲しくて、私は隠れ住むようになった。
人間やドラゴンに居場所がバレそうになると、私は場所を移動し続けた。
私は王宮から派遣された騎士団の一人だった。
私は仲間と一緒に、この森の奥深くに住んでいるというドラゴンの退治に来ていた。
そのドラゴンは、特に人間に害を及ぼしたり、悪さをしている訳では無かった。
しかし、ドラゴンというだけで、悪さをするのではないか、人を喰うのではないかと、近隣の村人や、近くを通った旅人から退治をして欲しいと依頼が、多数王宮に寄せられたのだった。
正直に言って、私は乗り気ではなかった。
ドラゴンは静かに暮らしたいだけではないか。害を及ぼしている訳ではないのに、私達人間が、むやみやたらにドラゴンの生活を脅かしているのではないか、と不安になった。
しかし、仲間達はドラゴンを退治して、報酬を受け取ったり、出世をする事しか頭にはないようであった。
やがて、ドラゴンを見つけた私達は、上官からの指示通りに動いて、ドラゴンを追い詰めた。
その時、たまたま、私がドラゴンの死角にいた。
上官から合図をされた私は、ドラゴンに斬りかかろうとした。
しかし、刃が触れるかという時に、私は躊躇ってしまった。
このドラゴンを、本当に退治してもいいのかと。
このドラゴンは穏やかに暮らしたいだけではないか、このドラゴンにも家族や仲間など守りたい存在がいるのではないかと。
その躊躇いが、私の運命を変えてしまったように思う。
私が斬りかかると思った他の仲間達が、一斉にドラゴンに向かって矢を放った。
そうして、矢に驚いて怯んだドラゴンを、仲間の一人が斬りかかって、首を刎ねたのだった。
刎ねられたドラゴンの首から、大量の青い血が落ちてきた。
ドラゴンの真下に居た私は、それを頭から浴びてしまったのだった。
滝の様に流れ落ちてきた、大量のドラゴンの血を浴びた私に異変が起こったのは、それからすぐの事だった。
まず、私の身体が白銀色に輝いた。
内側から光が溢れ出てくるような感覚に襲われて、次いで私の身体が盛り上がって、身につけていた服や防具が弾け飛んだ。
私の身体はどんどん大きくなっていって、気がつくと、私の身体は白銀色の鱗に覆われていた。
その様子を見ていた仲間達が、気味悪がって次々と矢を放ってきた。
しかし、白銀色の鱗は矢を弾いたのだった。
私は何か言わなければならないと思った。だが、何を言えばいいのだろうか。
そう考えている間に、仲間の一人が叫んだ。
「ば、化け物……! アイツは仲間でも、人間でも無い……!」
そうして、上官も含めた仲間達は、弾かれたようにバラバラに逃げて行った。
私は仲間が言った「仲間でも、人間でも無い」に、殊の外、ショックを受けていたようだった。
騎士団に入ってから今日まで、私は早く騎士団の一員になれるように、仲間の一員になれるように、必死になっていた。
それを否定されたのだ。
ドラゴンになってしまった。
ただ、それだけで。
私は悲しくて泣いた。
しかし、私の声はドラゴンの鳴き声であった。
それから少しして、ようやく、人間の言葉を話せるようになった。
ドラゴンの身体と生活に慣れてくると、他のドラゴンを探して旅をした。
他のドラゴンの中にも、私と同じように、人間からドラゴンになった者がいるのではないか。
人間に戻れる方法を知っているのではないかと、期待を抱いて。
その中で、人から隠れて住むドラゴンにも出会えたが、人間味があるからか、ドラゴンらしくなかったからか、誰も私を仲間に入れてくれなかった。
それが悲しくて、私は隠れ住むようになった。
人間やドラゴンに居場所がバレそうになると、私は場所を移動し続けた。
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