アークナイト物語

わっしー

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2.騎士に導かれし者

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「なんだ!?何が起こっているんだ!?」
俺達は帰っている最中に爆発音を聞く。
「お兄ちゃん!アレ!」
そう言ってメイが指す方向を見るとそこには起き上がる巨人がいた。
「あれは・・・まさか「ウィザード」!?」
「ウィザード」というのは「ワイズ」の主力機動兵器。その戦闘力は皇国軍の艦隊を3時間で壊滅させるほどだった。
「とにかく逃げるぞ!」
そう言って俺はメイとクウヤと共に走り出す。
ウィザードは俺たちに気が付き接近する。
「く・・・来るな!!」
叫んだ瞬間だった。ウィザードの背中に銃弾が弾ける。ウィザードは大してダメージを受けた様子もなく振り返る。その方向を見ると戦闘機が飛んでいた。
「あれは「イーグル」!皇国軍が来てくれたんだ!」
クウヤが興奮したように言う。そして、そのイーグルの後ろには巨人がいた。


『ちっ!やはり、普通の銃弾じゃどうしようもないな・・・。』
「ボラン大尉!民間人がいます!?」
『ちっ!ユウキ。お前は民間人を守るぞ!』
「はい!」
僕は盾を構えて剣を構える。ウィザードも棒を取り出す。その棒から魔力刃が形成される。
『来るぞ!』
次の瞬間、ウィザードは切りかかって来る。それを僕は盾で受け止め突きを放つ。その攻撃がウィザードの頭部をかすめる。
剣を横に薙ぐがウィザードは屈み剣を避ける。
「この!」
僕は頭部のバルカンを発砲する。バルカンの弾はウィザードに命中するが魔力障壁に阻まれる。
「これが、魔力障壁・・・。」
「魔力障壁」。ウィザードは魔力を持つ「魔導士」によって起動することが出来る。そして、起動すると魔力量に応じてウィザードの周りに薄い膜が張られる。
それにより、従来の火器が通用しない。
『ユウキ!そのまま攻撃を続けろ!奴らの魔力も無限ではない!だから!!』
そう言ってボラン大尉は銃撃を続ける。
「はい!」
僕も剣を構えて切りかかる。ウィザードも「魔導砲」を取り出して発砲する。僕はそれを盾で防ぐ。
『くそ・・・。ユウキ!』
「なんでしょう?」
『お前はアークナイトの元に行け!アレを奪われることがあれば最悪だ!』
「でも・・・ボラン大尉だけではウィザードに勝つことは・・・。」
『お前みたいなひよっこに心配される程ヤワじゃねえ!さっさと行け!!』
そう言ってボラン大尉の「イーグル」は銃撃を仕掛ける。
「・・・わかりました!」
僕はそのままアークナイトの元に向かった。

「ここは、どこなんだろう?」
俺達はいつの間にか知らない場所にいた。
「暗いなぁ・・・。どこなんだ、ここ?」
そう言いながらクウヤが辺りを見回していると・・・。
「動くな!」
そう言われて俺たちは両手をあげる。そこには一人の男性は銃を構えて立っていた。
「お前達、何者だ?ここに何しに来た?」
「お・・・俺達逃げている最中にここに来てしまって・・・。」
そう言うとその男性は銃を下ろす。
「そうか・・・。君達を避難所まで誘導したいが俺はここにあるものを安全な場所に移動させないといけないからな・・・。」
そう言って男性は何かを見上げる。その視線の先を見るとそこには鎧があった。
「君達の中に戦闘機の操縦が出来る者はいるか?」
「俺、一応一通りの操縦が出来ます。」
俺が手をあげると男性は頷く。
「なら、君はその白い機体に乗りなさい。避難所までは俺が誘導しよう。」
そう言って男性はもう一つの灰色の鎧に乗り込む。
「これに、乗るのか・・・。」
それが俺と「アークナイト」との出会いだった。
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