お蔵入り作品集

わっしー

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杉沢村物語 全4話

4.廃屋探索

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僕達は三組に分かれた。
久島さん、三島さん、美香さん、夜見さんが食材をまとめる。いざという時の保存食を探していた。
村田さんと上代さん、それから起きたばかりの桐生さんは外を警戒している。
そして、僕と鷲山さん、水上さんは廃屋内を探索していた。
「う~ん・・・。ここってどうやら村の倉庫みたいね・・・。食糧庫は私たちがいた場所でその隣は物置・・・。」
「そうだね。」
そう言って鷲山さんは荷物を下ろしていた。そして箱を開けると・・・。
「これってリュックかな?」
そう言って取り出したのは古そうなリュックだった。
「みたいね・・・。でも、かなり古い・・・。」
「うん。でも、荷物を運ぶのには良さそうだね。」
そう言って鷲山さんは箱からリュックを取り出す。どうやら、中には三つ入っていたようだ。
「数は足りないけど無いよりはマシだよね?」
「はい。僕もそう思います。」
そして、鷲山さんがリュックを片手に持っていると・・・。
「ちょっと!これ見て!」
そう言ったのは水上さんだった。
「どうしたんだい、水上さん。」
鷲山さんが水上さんに近づいて中を見る。そこには封がしてある箱があった。
「なんか、お宝かも!?」
「・・・怪しくない?」
鷲山さんが冷静に指摘するが水上さんはさっさとはこの封を解いてしまう。
「あ!これ、使えるかも!」
そう言って取り出したのはナイフと軍刀だった。鞘から取り出すと刃こぼれや錆はなかった。
「これってあの斧の男が来たときに使えないかしら?」
「そうだね・・・。無いよりはマシかな?」
鷲山さんも頷き、箱から取り出す。軍刀とナイフは丁度10本ずつあった。そして、それぞれ紋章が刻まれていた。
「とりあえず、皆の所に行こう。」
鷲山さんの言葉に僕たちは頷く。

「リュックがあってよかった。」
そう言って三島さんと久島さん達は食べ物を入れていく。ご飯は炊けるだけ炊いて焼きおにぎりにして野菜などは漬物にしてツボに詰めてあった。
水筒は竹製のモノがあったみたいでその中に入れてある。
「これ、誰が持つんだ?」
そう言って桐生さんが呆れる。
三つに分けたからと言って重さはだいぶある。
「問題はこのナイフとかだが・・・。」
その時だった。箱の札が光りだす。僕たちは目を瞑る。
そして、目を開けるとそこには白い髪と白い肌をした少女がいた。
『・・・あなた達をお待ちしていました。』
その少女が口を開く。
「私はこの村を守護する存在、「杉沢姫」。どうか、この村をお救い下さい。」
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