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第一章
エピローグ
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目を覚ますと、僕はベッドに寝ていた。
「・・・ここは?」
「目を覚ましたのですか?」
そう声を掛けてきたのはチビット族の娘のポミュだった。
「えっと・・・。一体何が?」
そう言いながら起き上がろうとするとくらっとする。ポミュが慌てて僕の身体を支える。
「まだ、起き上がってはいけません。ポムさんは3日間寝ていたのですから・・・。」
「3日間?」
「はい。ミネア様もとてもご心配されていました。私、ミネアさんに報告してきますね。」
そう言ってポミュはとてとてと部屋を出ていく。
「う~ん・・・。そんなに寝ていたんだ・・・。でも、あの時の光は一体・・・。」
そう言って僕は額に手をやると何か固いものが額に当たる。
「うん?これは?」
そう思って手を見るとそこにはペンダントが握られていた。
「こんなの持っていたっけ?」
そう思いながらよく見て見る。そのペンダントの中心には白い球がはまっていた。
「アレ・・・?この球って・・・確か・・・。」
そう、その球は化け物と戦闘中に現れたものだった。
「・・・一体何が起こったんだろう?」
そう考えていると、寝室のドアが大きな音を立てて開かれた。
「ポムさん!大丈夫ですか!!」
入ってきたのはミネアさんだった。その顔は今まで見たことがない真剣なものだった。
「は・・・はい。心配をおかけして・・・。」
そう口にする前に力強く抱きしめられた。
「本当に心配したのですからね!!あの狂化の化け物との戦闘後に意識を失ってお医者様に見せても原因が分からないと・・・。」
そう言うミネアさんの目には涙が浮かんでいた。
「もう、無茶はしないでください。あなたは私の大切な仲間なのですか・・・。」
「はい・・・。ごめんなさい。」
そう言うと、ミネアさんは身体を離す。
「いいえ・・・。わたくしたちがもっと強ければポムさんに無理をさせなかったんです。だから、約束します。わたくしたちはもっと強くなります。」
「・・・僕も強くなります。あんなよくわかんない力を使わなくてもいいように・・・。」
そう言ってミネアさんの手を握る。
「約束です。」
「ええ。」
翌日。
僕はドロンさんに担いでもらいギルドに向かっていた。その後ろにはエレナさんがついて来ていた。ミネアさんとアランさんは先にギルドに向かっている。
「すみません、ドロンさん・・・。でも、僕は歩けますよ?」
「無理するな。まだ、ふらついているだろ?」
「そうだよ!3日間寝ていたんだから!」
エレナさんが僕の背中を軽く叩く。
「でも、あの時のポム君すごかったね・・・。なんていうか神がかっていた感じ?」
「そうだな!正直、あの化け物相手にあそこまでやるなんて思わなかったよな!」
「ポム君の活躍が無かったらあたし達、勝てなかったかも!」
ドロンさんもエレナさんも褒めてくれるが・・・。
「でも、結局皆さんにご迷惑をかけてしまいました・・・。本当に申し訳ありません。」
「気にするな!俺たちは仲間なんだからどんどん迷惑かけろ!」
「そうよ!遠慮しないで!」
二人は笑ってそう言ってくれた。
「ありがとうございます。」
そして、僕たちはギルドの前に辿り着く。
「じゃあ、開けるわよ!」
そう言ってエレナさんがギルドの扉を開ける。僕たちがギルドの中に入ると歓声が沸いた。
「おう!今回の功労者の到着だ!」
「よくやったな!坊主!」
そこには、チビット族の救出作戦に参加した面々が顔を並べる。
「・・・これは?」
「今回のチビット族の救出作戦の功労者であるポムさん称えるために冒険者の皆さんとポレラ村の皆さんが駆けつけてくれたのですよ。」
そう言ってミネアさんが説明してくれた。
「でも、あの化け物を倒したのは僕だけの力じゃないですよ?」
「でも、あなたの力がなければわたくし達も無事ではなかった。それは、事実ですよ。」
「ああ。お前は誇っていいぞ。これは、お前の功績だ。」
「アランさん・・・。」
アランさんは笑いながら僕をドロンさんから降ろしてくれた。
「あの・・・。ポレラ村を代表してお礼を申し上げます。」
そう言ってポミュが頭を下げる。
「ううん・・・。僕は当然のことをしたまでです。それに、この場に居る冒険者の方々全員がポレラ村を救うために立ち上がってくれたんです。」
「それでも、お前さんの働きは評価されるべきだ。それに、ミネア様のパーティーも・・・。」
そう言ったのは救出作戦のリーダーであるガーリーさんだった。その横にはチビット族の女性と女の子が立っていた。
「おかげで、家内や俺の娘も無事だった。お前さんとそこの猫耳族の娘には感謝してる。ありがとうな!」
「そんな・・・照れるなぁ・・・。」
そう言ってエレナさんが頭を掻く。
「俺たちはみんな感謝してるんだ。ポレラ村には大切な家族や友人がいる冒険者が多い。」
「ああ。ミネア様がすぐに行動を起こしてくれたから俺たちは大切なものを失わずに済んだんだ。」
「本当にミネア様たちパーティーには感謝しかないぜ!」
そう冒険者の皆が言った。その顔には笑顔が浮かんでいた。僕はその光景を見て嬉しくなる。
「本当に救えてよかったですね、ミネアさん。」
「ええ。この笑顔を護るためにわたくし達がいるのですわ。」
ミネアさんは笑顔でそう言った。
「では、今回のクエストの報酬を受け取りましょう。」
そうミネアさんが言うとギルドの受付の女性が前に出る。その手には袋と魔力球が乗っていた。
「今回の緊急クエストの報酬、金貨50枚と魔力2000お納めください。」
その言葉の後に、魔力球から魔力が僕に流れ込んできた。
「ポム
レベル10
守護属性 風 光
メインジョブ 格闘家
サブジョブ 僧侶
HP75 MP35 攻撃力38 防御力50 素早さ42 魔力32。
技 足払い 正拳突き 回し蹴り 光拳
魔法 ウインド ライト エイド
装備 武器 なし
防具 皮の鎧 皮の脛あて 皮の小手」
「おめでとう、ポムさん。」
「ありがとうございます、ミネアさん。」
そして、僕のパーティーとしての初クエストは成功に終わったのだった。
「・・・ここは?」
「目を覚ましたのですか?」
そう声を掛けてきたのはチビット族の娘のポミュだった。
「えっと・・・。一体何が?」
そう言いながら起き上がろうとするとくらっとする。ポミュが慌てて僕の身体を支える。
「まだ、起き上がってはいけません。ポムさんは3日間寝ていたのですから・・・。」
「3日間?」
「はい。ミネア様もとてもご心配されていました。私、ミネアさんに報告してきますね。」
そう言ってポミュはとてとてと部屋を出ていく。
「う~ん・・・。そんなに寝ていたんだ・・・。でも、あの時の光は一体・・・。」
そう言って僕は額に手をやると何か固いものが額に当たる。
「うん?これは?」
そう思って手を見るとそこにはペンダントが握られていた。
「こんなの持っていたっけ?」
そう思いながらよく見て見る。そのペンダントの中心には白い球がはまっていた。
「アレ・・・?この球って・・・確か・・・。」
そう、その球は化け物と戦闘中に現れたものだった。
「・・・一体何が起こったんだろう?」
そう考えていると、寝室のドアが大きな音を立てて開かれた。
「ポムさん!大丈夫ですか!!」
入ってきたのはミネアさんだった。その顔は今まで見たことがない真剣なものだった。
「は・・・はい。心配をおかけして・・・。」
そう口にする前に力強く抱きしめられた。
「本当に心配したのですからね!!あの狂化の化け物との戦闘後に意識を失ってお医者様に見せても原因が分からないと・・・。」
そう言うミネアさんの目には涙が浮かんでいた。
「もう、無茶はしないでください。あなたは私の大切な仲間なのですか・・・。」
「はい・・・。ごめんなさい。」
そう言うと、ミネアさんは身体を離す。
「いいえ・・・。わたくしたちがもっと強ければポムさんに無理をさせなかったんです。だから、約束します。わたくしたちはもっと強くなります。」
「・・・僕も強くなります。あんなよくわかんない力を使わなくてもいいように・・・。」
そう言ってミネアさんの手を握る。
「約束です。」
「ええ。」
翌日。
僕はドロンさんに担いでもらいギルドに向かっていた。その後ろにはエレナさんがついて来ていた。ミネアさんとアランさんは先にギルドに向かっている。
「すみません、ドロンさん・・・。でも、僕は歩けますよ?」
「無理するな。まだ、ふらついているだろ?」
「そうだよ!3日間寝ていたんだから!」
エレナさんが僕の背中を軽く叩く。
「でも、あの時のポム君すごかったね・・・。なんていうか神がかっていた感じ?」
「そうだな!正直、あの化け物相手にあそこまでやるなんて思わなかったよな!」
「ポム君の活躍が無かったらあたし達、勝てなかったかも!」
ドロンさんもエレナさんも褒めてくれるが・・・。
「でも、結局皆さんにご迷惑をかけてしまいました・・・。本当に申し訳ありません。」
「気にするな!俺たちは仲間なんだからどんどん迷惑かけろ!」
「そうよ!遠慮しないで!」
二人は笑ってそう言ってくれた。
「ありがとうございます。」
そして、僕たちはギルドの前に辿り着く。
「じゃあ、開けるわよ!」
そう言ってエレナさんがギルドの扉を開ける。僕たちがギルドの中に入ると歓声が沸いた。
「おう!今回の功労者の到着だ!」
「よくやったな!坊主!」
そこには、チビット族の救出作戦に参加した面々が顔を並べる。
「・・・これは?」
「今回のチビット族の救出作戦の功労者であるポムさん称えるために冒険者の皆さんとポレラ村の皆さんが駆けつけてくれたのですよ。」
そう言ってミネアさんが説明してくれた。
「でも、あの化け物を倒したのは僕だけの力じゃないですよ?」
「でも、あなたの力がなければわたくし達も無事ではなかった。それは、事実ですよ。」
「ああ。お前は誇っていいぞ。これは、お前の功績だ。」
「アランさん・・・。」
アランさんは笑いながら僕をドロンさんから降ろしてくれた。
「あの・・・。ポレラ村を代表してお礼を申し上げます。」
そう言ってポミュが頭を下げる。
「ううん・・・。僕は当然のことをしたまでです。それに、この場に居る冒険者の方々全員がポレラ村を救うために立ち上がってくれたんです。」
「それでも、お前さんの働きは評価されるべきだ。それに、ミネア様のパーティーも・・・。」
そう言ったのは救出作戦のリーダーであるガーリーさんだった。その横にはチビット族の女性と女の子が立っていた。
「おかげで、家内や俺の娘も無事だった。お前さんとそこの猫耳族の娘には感謝してる。ありがとうな!」
「そんな・・・照れるなぁ・・・。」
そう言ってエレナさんが頭を掻く。
「俺たちはみんな感謝してるんだ。ポレラ村には大切な家族や友人がいる冒険者が多い。」
「ああ。ミネア様がすぐに行動を起こしてくれたから俺たちは大切なものを失わずに済んだんだ。」
「本当にミネア様たちパーティーには感謝しかないぜ!」
そう冒険者の皆が言った。その顔には笑顔が浮かんでいた。僕はその光景を見て嬉しくなる。
「本当に救えてよかったですね、ミネアさん。」
「ええ。この笑顔を護るためにわたくし達がいるのですわ。」
ミネアさんは笑顔でそう言った。
「では、今回のクエストの報酬を受け取りましょう。」
そうミネアさんが言うとギルドの受付の女性が前に出る。その手には袋と魔力球が乗っていた。
「今回の緊急クエストの報酬、金貨50枚と魔力2000お納めください。」
その言葉の後に、魔力球から魔力が僕に流れ込んできた。
「ポム
レベル10
守護属性 風 光
メインジョブ 格闘家
サブジョブ 僧侶
HP75 MP35 攻撃力38 防御力50 素早さ42 魔力32。
技 足払い 正拳突き 回し蹴り 光拳
魔法 ウインド ライト エイド
装備 武器 なし
防具 皮の鎧 皮の脛あて 皮の小手」
「おめでとう、ポムさん。」
「ありがとうございます、ミネアさん。」
そして、僕のパーティーとしての初クエストは成功に終わったのだった。
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