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嘘つきな心を抱いて
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この国では、ほとんどの子どもたちが11歳までには婚約者になるかもしれない相手同士でペアを組む。
ペアといっても、婚約のように重くはなくて、お試しみたいなね。
それでも早すぎでは?と思うのは当然。
だって子どもだから。
100年前くらいまでは、14歳~16歳頃までに婚約するという感じだったらしいけど・・
色々と問題が生じていたらしい。
曰く、他に好きな人が出来たり
曰く、口喧嘩が絶えなかったり
曰く、他の異性と・・
挙句の果てには婚約破棄をする。
そういうことが多かったらしいので、国が考えた結果がこうだ。
幼い頃からペアリングすることによって、相手のことを知る時間が増える。
相手のことだけでなく、双方の家のことや家族同士の相性など。
成人する16歳までに、5年間の猶予があるためそれまでにお互いを見定めること。
合わないと思ったら、変更がきくこと。
最終的に16歳で婚約者となる者を定めること。
18歳には大体結婚する。
遅くても20歳。
この政策により、それ以降に大きな問題もなく婚約し、結婚し家庭を築いてる国民がほとんどだ。
あまりにもうまくいったので、むしろごく少数の問題になるペアは度合いによっては国から排除されてしまうこともあるらしいとかなんとか・・
今日は私もペアリングパーティーへ参加している。
他の令嬢もみんな緊張しているみたい。
クラナはキッシュ伯爵家の令嬢。
優しくときには厳しい父、
おっとりほんわかな母、
頭も良いが顔も良くゆるシスコンな13歳の兄の4人家族。
キッシュ家の特徴である、淡いラズベリー色の瞳とミルキーホワイトのふんわりロングヘアが甘く可愛らしい印象。
性格もおっとりマイペース。
頭が悪いわけではない。
マイペースすぎるため、つい手伝われることも多いが、実は自分のこともほぼ自分でこなせるし、お茶を淹れるのも得意だったりする。
趣味は読書とお菓子作り。
好きなものは、うさぎ(動物は全般好き) 手作りのもの 家族。
私には大好きな人がいる。
でも言えない、ナイショよ?
・・
みんなには言っておこうかしら?
お兄様のお友達のリオル様。
晴れた日のお空のような空色の髪に、夕陽みたいな濃いオレンジ色の目で、とーっても素敵だったの。
笑ったお顔が綺麗で、お兄様と同じくらいカッコいいって思ったの。
その後、リオル様が遊びに来る日は私も会いに行って少しだけど相手をしてくれたの。
3歳も上のリオル様からしたら、私の相手は本当に退屈だったと思う・・(苦笑)
幼い私が彼を慕うようになるには必然だと思えるくらい、回数を重ねるごとに彼が私に構ってくれる時間も増えていた。
ある日、
お兄様とリオル様の会話を聞いてしまった。
「リオル、クラナに構ってくれるのは嬉しいけど、そろそろ離れたほうがいいんじゃないのか?」
「・・わかっている。僕もペアが居るし、彼女に嫌な思いをさせるつもりはないさ。楽しくてついね・・でも、そうも言ってられないよな。」
「あぁ、クラナもあと数カ月後にはペアリングパーティーに参加するからな。
寂しいのはわかるが(苦笑)」
「いや、こちらこそ気を遣うべきだった。悪かった・・ここに来るのは今日で最後にするよ、お前とは学園で会えるしな」
「そうだな、僕とは毎日会える」
「ありがとう、じゃぁこのまま帰るよ。また明日学園で」
「あぁ、またな」
2人の会話が終わったみたいだ。
急いでその場を去った。
頬に涙を流しながら・・
なんてことなの、もう会えなくなるなんて・・
リオル様にはお相手がもう居るということ・・私がなることはあり得ないんだろう。
この日、私は一晩中泣き続けた。
皮肉にもその時に、好きなんだと自覚したのに。
侍女や家族には心配をかけないために、幼い子にあるまじき・・声を殺して。
翌日、侍女が部屋へ入って来て泣いていたことはバレてしまったけど、家族には内緒にしてもらうように頼んだ。
わたし、忘れられるのかな、リオル様への気持ち。
なーんて、そんなこともあったなぁ。
あれから数カ月、今日この時を迎えた。
忘れるなんて出来なかったけど、仕方ないのよ。
無理矢理忘れたふり。
嘘つきな心を抱いて今日を乗り越える。
ーーーーーー
新タイトル始めました。
また地道に進めて参ります。
ペアといっても、婚約のように重くはなくて、お試しみたいなね。
それでも早すぎでは?と思うのは当然。
だって子どもだから。
100年前くらいまでは、14歳~16歳頃までに婚約するという感じだったらしいけど・・
色々と問題が生じていたらしい。
曰く、他に好きな人が出来たり
曰く、口喧嘩が絶えなかったり
曰く、他の異性と・・
挙句の果てには婚約破棄をする。
そういうことが多かったらしいので、国が考えた結果がこうだ。
幼い頃からペアリングすることによって、相手のことを知る時間が増える。
相手のことだけでなく、双方の家のことや家族同士の相性など。
成人する16歳までに、5年間の猶予があるためそれまでにお互いを見定めること。
合わないと思ったら、変更がきくこと。
最終的に16歳で婚約者となる者を定めること。
18歳には大体結婚する。
遅くても20歳。
この政策により、それ以降に大きな問題もなく婚約し、結婚し家庭を築いてる国民がほとんどだ。
あまりにもうまくいったので、むしろごく少数の問題になるペアは度合いによっては国から排除されてしまうこともあるらしいとかなんとか・・
今日は私もペアリングパーティーへ参加している。
他の令嬢もみんな緊張しているみたい。
クラナはキッシュ伯爵家の令嬢。
優しくときには厳しい父、
おっとりほんわかな母、
頭も良いが顔も良くゆるシスコンな13歳の兄の4人家族。
キッシュ家の特徴である、淡いラズベリー色の瞳とミルキーホワイトのふんわりロングヘアが甘く可愛らしい印象。
性格もおっとりマイペース。
頭が悪いわけではない。
マイペースすぎるため、つい手伝われることも多いが、実は自分のこともほぼ自分でこなせるし、お茶を淹れるのも得意だったりする。
趣味は読書とお菓子作り。
好きなものは、うさぎ(動物は全般好き) 手作りのもの 家族。
私には大好きな人がいる。
でも言えない、ナイショよ?
・・
みんなには言っておこうかしら?
お兄様のお友達のリオル様。
晴れた日のお空のような空色の髪に、夕陽みたいな濃いオレンジ色の目で、とーっても素敵だったの。
笑ったお顔が綺麗で、お兄様と同じくらいカッコいいって思ったの。
その後、リオル様が遊びに来る日は私も会いに行って少しだけど相手をしてくれたの。
3歳も上のリオル様からしたら、私の相手は本当に退屈だったと思う・・(苦笑)
幼い私が彼を慕うようになるには必然だと思えるくらい、回数を重ねるごとに彼が私に構ってくれる時間も増えていた。
ある日、
お兄様とリオル様の会話を聞いてしまった。
「リオル、クラナに構ってくれるのは嬉しいけど、そろそろ離れたほうがいいんじゃないのか?」
「・・わかっている。僕もペアが居るし、彼女に嫌な思いをさせるつもりはないさ。楽しくてついね・・でも、そうも言ってられないよな。」
「あぁ、クラナもあと数カ月後にはペアリングパーティーに参加するからな。
寂しいのはわかるが(苦笑)」
「いや、こちらこそ気を遣うべきだった。悪かった・・ここに来るのは今日で最後にするよ、お前とは学園で会えるしな」
「そうだな、僕とは毎日会える」
「ありがとう、じゃぁこのまま帰るよ。また明日学園で」
「あぁ、またな」
2人の会話が終わったみたいだ。
急いでその場を去った。
頬に涙を流しながら・・
なんてことなの、もう会えなくなるなんて・・
リオル様にはお相手がもう居るということ・・私がなることはあり得ないんだろう。
この日、私は一晩中泣き続けた。
皮肉にもその時に、好きなんだと自覚したのに。
侍女や家族には心配をかけないために、幼い子にあるまじき・・声を殺して。
翌日、侍女が部屋へ入って来て泣いていたことはバレてしまったけど、家族には内緒にしてもらうように頼んだ。
わたし、忘れられるのかな、リオル様への気持ち。
なーんて、そんなこともあったなぁ。
あれから数カ月、今日この時を迎えた。
忘れるなんて出来なかったけど、仕方ないのよ。
無理矢理忘れたふり。
嘘つきな心を抱いて今日を乗り越える。
ーーーーーー
新タイトル始めました。
また地道に進めて参ります。
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