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いざゆけ魔法学校
6
「と、いうわけで。こんなふうに高いところから落ちた時、ある程度の高さなら緩和することができる。飛行試験だと基本中の基本だ、分かったら授業を聞くように」
腰に両手を当てぐるりと見回せば、大抵の新入生はポカンと口を開けていた。中の数人は白けた顔で見てきている。おおかた、魔法があれば危険性もないのに何の茶番を……みたいな顔だろう。
残念ながら俺は魔法が使えないぜ。
だが今俺は呼び出す以外の魔法を使ったと思われている。
「……あの」
「ん?」
「沈んでいってるんですけど……」
「奇遇だな、俺もそう思っていた」
ずぶずぶずぶ。
地面だと思っていたところは地面じゃなかった。
な、何を言ってるのか分からねーと思うが俺も分からねーぜ……!
頼りになる四年監督生の顔を崩したくないのでニコリと笑いかけておくが本当に訳がわからない。
地面が盛り上がっている。明らかに。一メートルくらい。
しかもよく耕された畑みたいにフッカフカだ。堆肥撒かれてなくてよかったー!
先ほどまでこんなふっかふかに盛り上がっていなかったはずなのに今はこれ。ゴーレムでも作るのか?
「……セリオン! 俺は勝手な魔法の行使を許可していないはずだが?」
「……っ」
「え、あれセリオン様……!?」「すごい、あんな大規模な土魔法」「兄思いな方なんですねぇ」
わぁなんかセリオンの株が上がってる! うれし~そうなんですうちの弟は魔法も使えない兄貴をきちんと大事にしてくれている世界でいちばん良い子な超絶ハイパーキュートエンジェルなんです。
「褒めるんじゃない。許可されていない魔法の行使は拘束で禁じられている……俺はお前達の先輩であり、現在は教師でもある。今すぐ解除しろ」
「……でも」
「二度言わせる気か?」
「……」
セリオンが可愛い下唇を噛む。ごめんねお兄ちゃんもあまり厳しくしたくないんだ、でも魔法使用時の魔力に釣られて魔物って寄ってくるから……。
ふわふわの土山がポンと消失する。一メートルほど落ちる前にトランクを持てばまた軽く上に引かれ、着地した。
「セリオン様、かわいそう……」「せっかく助けようとしたのに、あんな言い方ある?」「なんか怖い……」
ヒソヒソされる内容がいちいち刺さる。でも特別扱いしたらしたで今度は教師と同級生から睨まれるんだよなぁ。いや、それに新入生は関係ないか……
(まあ良いか。嫌われ役になってでも規律は覚えてもらおう)
何しろここにいる生徒はその誰もが保護者に愛され大切にされてきた宝物達。そうでなければ何もかもが高額な魔法道具を一式揃え、遠いこの島に入学させるはずがない。
箒を使った飛行は特に危険なものだ。無意識下でも発動する程度には叩き込まないと。
「良いか、新入生──この学校にある規律は全て意味があるものだ。破ればタダで済まないものだと思え」
じっとこちらを見てくるセリオンからわざと視線を逸らしながら、俺は講義に移った。
……えっ、お前は危険飛行してたじゃないかって!? いや俺はほら、死んでもさして惜しむ人はいないし……ねっ!
腰に両手を当てぐるりと見回せば、大抵の新入生はポカンと口を開けていた。中の数人は白けた顔で見てきている。おおかた、魔法があれば危険性もないのに何の茶番を……みたいな顔だろう。
残念ながら俺は魔法が使えないぜ。
だが今俺は呼び出す以外の魔法を使ったと思われている。
「……あの」
「ん?」
「沈んでいってるんですけど……」
「奇遇だな、俺もそう思っていた」
ずぶずぶずぶ。
地面だと思っていたところは地面じゃなかった。
な、何を言ってるのか分からねーと思うが俺も分からねーぜ……!
頼りになる四年監督生の顔を崩したくないのでニコリと笑いかけておくが本当に訳がわからない。
地面が盛り上がっている。明らかに。一メートルくらい。
しかもよく耕された畑みたいにフッカフカだ。堆肥撒かれてなくてよかったー!
先ほどまでこんなふっかふかに盛り上がっていなかったはずなのに今はこれ。ゴーレムでも作るのか?
「……セリオン! 俺は勝手な魔法の行使を許可していないはずだが?」
「……っ」
「え、あれセリオン様……!?」「すごい、あんな大規模な土魔法」「兄思いな方なんですねぇ」
わぁなんかセリオンの株が上がってる! うれし~そうなんですうちの弟は魔法も使えない兄貴をきちんと大事にしてくれている世界でいちばん良い子な超絶ハイパーキュートエンジェルなんです。
「褒めるんじゃない。許可されていない魔法の行使は拘束で禁じられている……俺はお前達の先輩であり、現在は教師でもある。今すぐ解除しろ」
「……でも」
「二度言わせる気か?」
「……」
セリオンが可愛い下唇を噛む。ごめんねお兄ちゃんもあまり厳しくしたくないんだ、でも魔法使用時の魔力に釣られて魔物って寄ってくるから……。
ふわふわの土山がポンと消失する。一メートルほど落ちる前にトランクを持てばまた軽く上に引かれ、着地した。
「セリオン様、かわいそう……」「せっかく助けようとしたのに、あんな言い方ある?」「なんか怖い……」
ヒソヒソされる内容がいちいち刺さる。でも特別扱いしたらしたで今度は教師と同級生から睨まれるんだよなぁ。いや、それに新入生は関係ないか……
(まあ良いか。嫌われ役になってでも規律は覚えてもらおう)
何しろここにいる生徒はその誰もが保護者に愛され大切にされてきた宝物達。そうでなければ何もかもが高額な魔法道具を一式揃え、遠いこの島に入学させるはずがない。
箒を使った飛行は特に危険なものだ。無意識下でも発動する程度には叩き込まないと。
「良いか、新入生──この学校にある規律は全て意味があるものだ。破ればタダで済まないものだと思え」
じっとこちらを見てくるセリオンからわざと視線を逸らしながら、俺は講義に移った。
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