悪役令息に転生したので、死亡フラグから逃れます!

伊月乃鏡

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『君と待つ光』

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どういうことなんだ。俺は人をたらした記憶はないぞ。セリオンとペアになれてウキウキしていれば、ホールの壁際でレイがまたこちらに手を振っているのが見える。何かトラブルだろうか?

「セリオン、ちょっと俺運営行くけどご飯食べてるか?」
「は? なんで。パートナーなんだしついていくよ」

そっかそっか。義務感からついてきてくれるセリオンには悪いが、長期休暇のどこでもいっしょ状態を思い出させて和んでしまう。妄想の中だけなのでセリオンは全くお兄ちゃん大好きなんだからとほざかせてもらえるだろうか。というか、ほざく。表に出ない思考はないのと同じなので。

続々と合流する生徒たちの間を縫って、レイの元に歩く。一体どうしたのだろうか。
この後四十二番が三枚見つかった放送もしないといけないので、最終的には合流するつもりだったが。

「レイ! どうした?」
「おっきた学級長~! 堪忍な、せっかく楽しんどった時に。トラブル言うわけや無いんやけど、せっかくパートナー分けたんやし何もしやんのかな思って」
「あー……」

そういえば、パートナーを作ってくっつけさせようとかくらいしか考えてなかった。突発的にペア分けをしてしまったのでこの先のことはノープランである。
どうやってもヴィンセントとルースをくっつけたい、それが先行してしまった。

「定番といえば、王様ゲーム……でもペア同士で仲良くなってほしいしな、ポッキーゲームは早いか? 第一印象……うーん」
「王様ゲーム?」
「なにそれ」
「簡単だ、同じ形の棒を用意して数字を振るんだ。一本にだけ先っぽにマークをつけておく。先っぽを隠してランダムに引いてもらって、マークがついた棒が当たった人が王様。軽い命令を聞いてもらえる」

一応これは合コンであるので、いくつか盛り上がりそうなゲームを羅列したら王様ゲームに妙に食いついていた。そうか、二人とも内容知らないのか。解説してみれば少し興味を持ったらしい。何を命令するんだと聞かれたのでそのまま答える。

「普通は頬にキスとか? 飲み物買ってこいとかもあるし、まぁ簡単にその場でできるものだよ。重くとらえるようなものでも無い」
「きっ、キス!?!? 破廉恥!」
「破廉恥では無いだろ頬にキスは。普通に愛情表現でするんだから」
「天才くんはジュンジョーやねぇ」

本当に。少し潔癖に育てすぎただろうか? いや危ない、こういうところがセリオンにとって嫌がられる一員なのだ。俺はあくまでセリオンの便宜上の兄であり、世話を焼いたり保護者ヅラできる立場には無いのだから。
ともかくセリオンがプルプルと首を振ったし、二人きりの王様ゲームとか死ぬほどつまらんので却下になった。別にパートナー以外と組ませてもいいが、今回は強制的にパートナーとくっついてもらいたい。俺がBL世界強制力だ……!

「あ」

BL世界の強制力といえば、いいのがあるじゃないか。
背景を描きたくない時、流れを考えたくない時、とにかくエロが描きたい時。BL好きの中で強い味方、ついでにみんな知ってるのでとりあえずやってみようという気概になるもの。

「出られない部屋、とか?」
「なんやそれ?」
「あー……俺の考えついた、強制絆深め部屋みたいな……。ある条件を達成しないと出られない部屋に閉じ込めて、絆を深めてもらうんだよ。例えばそうだな、ある薬を調合しないと出られないとか、共同で魔法を使わないと出られない、とか」

本当はセックスなのだがそんなことを言えばドン引きされること必至である。実際最近は単純にセックスだけさせるような部屋も少なくなってきて、バリエーションが豊富である。これならばギリギリ普通に友情を深めるイベントとして出してもおかしくないのではないか?

そう考えて口にすれば、二人が顔を見合わせて、まぁ、みたいな顔をした。

「余興一つに、本気で魔法使う人もいない、だろうし……パートナーで隔離してみる、はあり? かな……? 結界魔法、ちょっと工夫したらできると思う」
「せやなぁ。ま、この集まりに来るんやから、大なり小なり交流を深めたい思った奴らやろうし。条件簡単にすればいい余興になるんやない?」
「紙吹雪も魔法で出現させたもの、だし……今なら痕跡辿って、隔離はいけるかも」
「さすが天才」

なんか進んでるぜ話が! 二人ともあんまり乗り気じゃなさそうな声色の割にぐいぐい話を進めていく。いや、面白いと思うけどね俺は。出られない部屋、是非とも見たいものだし。
レイたちが条件について話し合っている中、俺は俺で42番を三枚にしてしまったことを放送し詫びる。また、今42番を持っている人は26番とくっついてくれとも。
紙吹雪を出現させたのは俺なので、何故26番があぶれていると知っているのかという疑問は出なかった。ここもまた清廉潔白な学級長様という肩書きが作用していた気がする。センキュー昔の俺。

「それで? 達成条件は固まったか?」
「あ、うん。個々の親密度によって変えようかなって……さっき全体サーチして測ってみた、多分いける」
「ど、どういう理屈???? さらりと新魔法作るなお前は」
「ん」

困惑していると心なしかセリオンは誇らしげだった。というか運営側のゴタゴタを手伝わせてごめんな。お前めちゃくちゃ有能だな。

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