翔ちゃん、僕のお嫁さんになって下さい!!

Q矢(Q.➽)

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冬休みは、忙しいから。



毎年の事ながら、冬休みが近づいてくると告白ラッシュは加熱する。イベントが多いから手っ取り早くカレカノ確保したいんだろうね。

朝の登校時、学校の休み時間、放課後、帰路。

普通に呼び出して告白はまだ良い。此方も普通に断れる。
どこからともなく飛び出して来て抱きつかれるのが一番嫌いだ。
でも、何故か毎年1人はいるのは何でかな?


「好きです!!」

「ぎゃっ」

角を曲がるといきなりだよ。
待ち伏せは心臓に悪いから本当にやめて欲しい。

んで、そういった事をする輩は何故か変に自信過剰なんだよな…。

今日の女子も、例に漏れずそんなタイプだった。
大きめな胸の脂肪を僕の腕や腹にに押し付けて、マスカラバチバチの上目遣いで、その上臭い。この子、Ωか。

何だろね。僕にこういう手段取ってくるの、それなりに顔に自信のあるΩの子が多い。
こっちが‪α‬だからって舐めてる?あぁん?

効いてるでしょ?効いてるよね?
みたいにくねくねしながら匂いの発散頑張ってるのは隣でドン引きしながら鼻を摘んでる翔ちゃんを見てもわかる。
βの翔ちゃんですら感知出来るくらいの匂いって事だよ。
最早公害レベル。
他の‪α‬達が誘引されてきても、僕の責任じゃないからね。

フェロモン発散自己責任論を僕は推したい。

んで、僕はですね。

「臭いからそれ、やめてくんないかな?」

と、笑顔で彼女を引き剥がす。
ニオイうつっちゃったかなあ。

信じられない、と僕を見上げるΩちゃん。
最早、上目遣いを忘れてる。

「早く帰るかした方が良いんじゃない?…襲われる前に。」

我ながら冷たい声が出るものだなあ、と思うくらい冷えた声が出て、Ωちゃんはビクッとして、周りをキョロキョロ見たあと 走って行った。

あの子が無事帰りつけますように。南無。

確かに僕は‪αだけど、幼き砌より翔ちゃん様の匂いのみを摂取してる内に他の匂いは何とも感じなくなってしまった。
寧ろ、不快。
盛りのついたΩの匂いは、特に不快。

一応抑制剤とか定期的に貰わなきゃなんないからって定期検診に行く度に担当医には

「有り得ない…」

って毎回言われるけど、知らんわ。



中には不快と感じないΩの匂いもあるにはあるよ。
誰かを一心に想ってるのか、秘めてるんだろうな、って一途な匂いを、感じる事もある。
でも、それだけなんだよ。

それが、他に向けられてようが、僕に向いてようが、心や体を動かされるほどのものではない。

僕の五感を刺激するのは何時も、たった一人。


「済んだなら行くぞ。クセェから早く風呂入れ。」

「げっ、ホントだ。腕にバッチリ残り香がぁ…。
Ωと間違われたらどうしよう!」

「…んなデケェΩがいてたまるか。」

「あー、差別発言~。」

翔ちゃんが呆れ顔で歩き出す。

「クリスマス、どっか行く?」

「何処行っても人だらけだろが。」

「でもイルミネーションくらいは見たいじゃん。」

「毎年見てるだろ。受験生なんだから勉強しろよ。」

僕の冬休みはさ、毎年忙しいんだよ。
翔ちゃんとクリスマスしなきゃだし、年末年始の番組一緒に観なきゃだし、夜から初詣に出かけなきゃだし、お正月も翔ちゃんちの店特製のお節食べなきゃだし。とにかく、一瞬一瞬の翔ちゃんを目に焼き付けなきゃなんないから超多忙なの。
よくわかんない男子や女子やΩちゃん達に構ってる暇は一秒だって無い訳。

しかも毎年、お雑煮は翔ちゃんが作る係だからね!僕も手伝ってるから愛の共同作業だけどね!


「お雑煮楽しみだねー。」

「…クリスマスケーキとばすんだ?」


今年のクリスマスケーキは注文したブッシュドノエル、一緒に食べようね!




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