ロミオ化した元彼から逃れる為に求人広告で歳下コミュ障陛下の側室になった俺の、楽しい後宮ライフ

Q矢(Q.➽)

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24 予想してたより痛かった件(※R18描写あり)



初めての、あまりに深い一体感。俺は陛下の背に回した腕に力を込めてしがみつく。強烈な快感に身を委ねながらも、一瞬でも気を抜けば全部をあちら側に持っていかれそうで、怖い。俺は必死に意識を繋ぎ止め続ける。まだだ、今はまだ気を失えない。

「ぁあ…あ、あ…あ…」

「…っ」

 馬鹿みたいに喘ぐ俺、眉を寄せながら無言で力強く腰を打ち付けてくる陛下。空調はしっかり効いている筈の室内に、互いに汗だくの俺達。濃度が上がり続けるいっぽうのフェロモン。快感に耐える為に閉じた瞼の裏でちかちかと弾け続ける閃光。こんな感覚、知らない。
 
 不意に、陛下の動きが緩慢になった。

(?)

 訝しく思って薄目を開けると同時に、ずるりとペニスを引き抜かれ、いっぱいいっぱいだった腹がラクになる。けれどすぐに少し荒い手つきで体をひっくり返された。乱暴ってんじゃなくて、単に焦った感じなんだけど、これはどんな時でも俺を優しく扱ってくれる陛下にしては十分珍しい…なんて戸惑っている内に、今度は後ろから貫かれる。

「あ!!」

 四つん這いにされて腰を抱えられ、腹の奥の奥まで押し開かれていく。知らず、シーツと薄布団を握りしめた。エリアスの粗チンでは届く事の無かった、俺の中の未踏の場所が暴かれていくのだ。実質処女地。素面なら怖かったり痛かったりなんてのを感じるかもしれないけど、陛下のフェロモンに酔わされた俺には、それ以上に震えるような歓びがあった。

 いつの間にか、俺は背中から密着されて抱え込まれる形で揺さぶられていた。俺の胸元をがっしり抱いて、突起を弄ってくる陛下の指先。耳朶に齧りつきながら聴覚を犯してくる低音と熱い息に肩が跳ねる。俺の肩に唇を落として歯を立てながら、一際力強く突き入れてくる陛下。瞼は開いているのに、衝撃で目の前に火花が散る。
 為す術なく追い詰められる様は、まるでライオンや虎に追い詰められて喰われてる兎や鹿のようだ。とすると、さながらヒートフェロモンは死の間際に分泌されて死の恐怖や苦痛を和らげるっていう脳内麻薬の役割りって感じか?明らかに苦痛が快楽に置き換えられてるもんな。本来なら、初めてこんなに奥深くに受け入れる事への怖さや苦しさだって感じても不思議じゃない筈なのに、そんなの全然無い。それどころか、もっと深い結合を求めるように艶めかしくグラインドする陛下の腰の動きに、俺はもう声すら抑えずに素直に強請っている。自分が自分じゃないみたいにコントロールが利かない。

「あんっ、あ、あっ、いいっ、もっと、かきまぜて…っ」

「…っ」
 
 背中に熱い何かが落ちて、芳香を放ちながら肌の表面を伝い落ちていく。俺はそれにすら感じてしまって、恍惚と唇を震わせる。陛下は汗すら媚薬のようだ。アルファとの…いや、陛下とのセックス、多幸感極まり過ぎ。
 肩、次には無防備に晒された首筋に吸い付きながら移動していく陛下の忙しない唇は、とうとう大本命のうなじに辿り着いた。その熱い舌にぺろりと舐められると、今にも薄く敏感な皮膚に鋭い犬歯が当てられて貫通してしまいそうでゾクゾクする。快感なのか緊張なのか判断のつかない何かが背筋を走った。

「あ…っ」

「噛むぞ」

 来たか、とうとうこの時が。
 普段とは全然違う威圧的な口調に、俺の心臓はきゅうっと反応。何この陛下っぽい陛下!?めちゃくちゃ良い!!!Sっ気発動したりMっ気刺激されたり、俺の情緒はどうなってるんだ。陛下はどれだけ俺を翻弄したら気が済むんだろうか。けしからんもっと下さい。

「は、はい…っ」

 どうにか返事を口にした途端に、うなじを突き抜ける鋭い痛み。思わずかはっと口から悲鳴が出た。いや話が違うぞ。脳内麻薬は??!

「くあ…っ!」

 フェロモン鎮痛効果に期待していたのに、思ってたよりしっかり痛い。でもそれ以上に絶対的な多幸感がある。噛まれた箇所から、温い何かが伝っているのを感じる。今振り向いたら、陛下の口は俺の血で真っ赤に染まってるんだろうか。そんな事を思った瞬間、全身の血が沸騰したかのように足の爪先から頭蓋の中までが熱くなった。
 番になる為の変化が始まったのだ。陛下の犬歯から注入された何かが俺の中に浸透していく。体内細胞のひとつひとつに陛下の印が刻み込まれていくように、じんわりと。
 それは想像を超えた、幸福な苦しさだった。

 その状態が続いたのは数分か、実はほんの数十秒だったのか、ハッキリとはわからない。でもなかなか苦しかったのが、酩酊状態に似たふわふわした心地良さに切り替わると、どうやら無事に番が成立したらしいのがわかった。フェロモンに対する好感度で俺と陛下の相性が良いのは知ってたからそう心配してた訳じゃないけど、世の中に絶対は無い。稀にだけど、拒絶反応が出て不成立なんて事もあるって聞くしな。主にオメガ側が緊張しすぎてたり、拒否感を持ってた場合らしいから、俺達には無縁の話だとは思ってたけどさ。
 ともあれ、番になれた安心感に全身の力が抜けた俺は、シーツの上に突っ伏してしまった。力いっぱい握り締めてたというのに、皇室御用達のシーツには皺のひとつもついてない。素材、何なん?
 妙なところに感心していたら、下腹の方に、今までにない圧迫感を感じた。どうやら陛下の陛下(!)も最大級に膨張して、本格的に本領発揮のご様子。こうなるとアルファのペニスは、射精するまで萎えない。睾丸の中で作り出した大量の精子をオメガの子宮内に吐き出して、逆流してこないよう肥大化させた亀頭球で栓をして、それが萎えるまでの時間、結合を解いてはくれないと習った。だからこそ、アルファの精子の着床率は極めて高く、オメガとの生殖率はほぼ100%になるって訳だ。ベータ相手だとそれが格段に落ちるのは、単に生殖器の規格が合わな過ぎるから。
 
「ユウリン…僕の、つがい…。もう一生、離さない」

 真新しい傷を付けられたうなじに、陛下の唇が触れたのを感じて吐息が漏れる。噛み跡が綺麗に定着しながら癒えるのには、数日かかるらしい。じんじんと熱を持つそこは、やっぱり少し痛む。でも、それが嬉しい。そんな事を考えて油断していたら、体を抱きしめる陛下の力が強くなった。

「う…っ」

 陛下が俺の肩に顔を埋めて押し殺した声で呻いて、限界が近いんだろうなってのがわかる。まあ、同じモンも付いてますから。

(ああ、来る…)

 全てを受け入れる為に瞼を閉じた俺は、胎の中に陛下の情熱が注ぎ込まれて、その後死んでも良いと思うほどの幸福に三日三晩悶え狂わされた。
  














 

 


 









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