ちっちゃいもふもふアルファですけど、おっきな彼が大好きで

Q矢(Q.➽)

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みずき君と仲直りして1週間くらい経った時、僕とみずき君が中庭でお弁当を食べてたら、そこにコアリクイ剣持会長に連れられた猫の長瀬先輩が来た。

「どうしてここが?」

と驚く僕に、コアリクイ会長は戸惑ったような顔で答えた。

「いや、君達がここで一緒に昼を過ごしてる事は有名な話だし…。」

「そんな…なんで?!誰にも秘密の真昼のこっそりランデブーなのに?!」

「ひみ…なんて?」

猫先輩が訝しげな表情で耳の横に手を寄せて聞き耳を立てる仕草をする。くっ…その大っきな黒耳は飾りですかっ?!
日数そこそこ経ったのに、なんか猫先輩を見るといまだに悔しい僕、未熟…。
それにしても、僕らのお昼情報がみんなに知られてたなんて知らなかったよ…何なら毎日、お弁当たべおわった後にごちそうさまのチューしてるのもバレてるのかな?僕は少し不安になった。それにしても、何でコアリクイ会長と猫先輩はここに来たんだろう。

「あの、何か用ですか?」

僕の気持ちを代弁するように2人に向かってキリッとした顔で問い掛けるみずき君。その右手には卵で包んだ黄色いまん丸おにぎり。カッコかわいい。
…ハッ、まさかまた猫先輩、そんなラブリーみずき君を狙って?!

僕はベンチから立ち上がって、みずき君を後ろに隠すようにしてコアリクイ先輩と猫先輩の前に立った。
みずき君の唇は僕が守る…。

だけど、そんな戦意満々の僕の前で、コアリクイ会長と猫先輩は視線を交わしながら頷きあってる。なんだろ…?もう茶々入れに来た訳じゃ…ないみたい?
僕は少し戦闘モードを解除した。すると。


「…あの…あの時はほんとにごめんなさい。」

猫先輩は借りてきた猫のように大人しく、僕とみずき君に向かって深々と頭を下げた。
僕、ポカン。みずき君はポカンとした後、ちょっと怖い顔。

「は?今更なんスか?」

って、低い声。僕は慌ててみずき君に向いて肩を押さえた。どうどうどう、みずき君、どうどう。座ってて。立ち上がったら勢いでグリズリースタンド発動しちゃいそう…!って止めたんだけど、一足遅かった。

「びみゃっ!!」

猫先輩が座ってるみずき君頭のだいぶ上を見て悲鳴を上げた。
その様子を見て、僕は悟った。猫先輩は見える方の人なんだね。みずき君の獣姿、見えちゃってるんだね。猫先輩は前と同じようにコアリクイ会長の後ろに隠れた。コアリクイ会長は困ったみたいな顔をしたけど、それでも猫先輩を守るように両腕を広げた。

「壱与君、堪えてやってくれ。時間が掛かったが、コイツは本当に反省したんだ。」

「はっ、どうだか。」

猫先輩を睨んでめちゃくちゃ毒づくみずき君。キスされたの、すごく根に持ってるからね。

でもコアリクイ会長は、そんな激おこみずき君を前にしても冷静だ。もしかして会長って、実はすごい人なんじゃ?

「本当だ。あの後、長瀬とじっくり話したんだ。」

コアリクイ会長が言うと、後ろの猫先輩もうんうん頷いた。

「ほんとに悪かったって思ってるんだ。俺、身勝手だった。自分の恋が実らないからって、他の人達にひどい事した。それがわかったから、許してくれなくても、謝りたかったんだ。」

しょんぼりしながら言う猫先輩は、ホントに反省してる様子だ。僕はみずき君をチラッと見てから、猫先輩に話しかけた。

「じゃあ、もう会長の事は良いんですか?」

すると、それを聞いた猫先輩の頬が、ポッと赤くなった。え、何で赤くなるの?とコアリクイ会長を見ると、僕の視線に気づいた彼はコホンと咳払いをして話し始めた。

「…実は、付き合う事になったんだ、俺達。」

「えっ」

「はぁ…。どうせくっつくならもっと早くくっついといて下さいよ。マジ迷惑。」

「コラ、みずき君。」

「…ごめん。」

そうなった経緯を聞きたい僕は、毒づきが止まらないみずき君に静かにしてもらった。せっかくまとまったくれたのにダメでしょ。

「ずーっとニブチンだったって聞きましたけど、どうして会長は性格のあんまり良くない猫先輩とおつきあいしようと?」

「ラン?ランも結構ひどくない?」

「僕はオブラートに包んだもん。」

「包めてたか?」

みずき君、ちょっと静かに。




「まあ、実際、ずっと手のかかる弟みたいに思っていたから、恋愛対象に見られるのかと言われるとよくわからなかったんだが…。」

コアリクイ会長は悩ましげな表情を作って話し始めた。その会長をうっとり見つめてる猫先輩。会長、ぬぼーって感じだけど背はそこそこあったんだ。猫先輩よりは高い。いつも両手両足広げて立ってたからわかんなかった。

「しかしだ。コイツを振って他の誰かに託せるかと言われると、それも不安だし。多分俺はずっと長瀬を気にし続ける気がするんだ。それならいっそ一緒にいた方が良いかもしれないな、と。」

「あっくん、それってプロポーズ?番にしてくれるの?!」

眉間に皺。覚悟をした目だよ。とても付き合いたてのカップルの片方だとは思えない。よっぽど一大決心だったんだね…。しかも、番って言葉が出てくるって事は、実はコアリクイ会長、アルファ仲間だったんだね。

ぬぼーっとしてる癖に精一杯厳しい顔したコアリクイ会長と、そんな会長の事を、瞳の中にハートいっぱいにしてポーッと見つめてる猫先輩。
そんな2人を見物しながら、僕とみずき君は残りの卵おにぎりをもそもそ食べたのだった。


コアリクイ会長には一生頑張ってほしい。世の中のカップル達の治安と平穏の為に。










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