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聖女が死んだ。
報せを受けたのはベッドの中だった。
昨夜、気心の知れた者達と遅くまで乱痴気騒ぎして飲み明かし、自堕落にも女を抱きながら眠ってしまったベッドの中で。
報せに走って来たのは年老いた元乳母だった。
先頃からは宮の離れに監禁した元聖女の世話係として日に数時間、通いでつけていた老婆。
それが、己の歳も何も知った事かと、とたとたと危なっかしく駆けて来たのだ。
王宮の敷地内であるとはいえ、北の端にある小さく粗末な邸とも呼べぬ邸から、息せき切って。
「聖女様は昨夜の内に身罷られたご様子でした…」
品がよく人好きのするしわくちゃの小さな老婆は、目に涙を湛えながら、小さく嗄れた声で、それでもはっきりとそう言った。
「さいごまで泣き言一つおっしゃらず、おひとりで…。
お見送りしてさしあげられなかった事、心残りでございます。」
老婆の窪んだ瞼の奥の青い瞳は雄弁に私を責めていた。
お前のせいだと。
「私は…負けたのか…。」
ーーー賭けに。
その瞬間から目に映る全てが色を失ったのは、神罰の始まりだったのだろうか。
報せを受けたのはベッドの中だった。
昨夜、気心の知れた者達と遅くまで乱痴気騒ぎして飲み明かし、自堕落にも女を抱きながら眠ってしまったベッドの中で。
報せに走って来たのは年老いた元乳母だった。
先頃からは宮の離れに監禁した元聖女の世話係として日に数時間、通いでつけていた老婆。
それが、己の歳も何も知った事かと、とたとたと危なっかしく駆けて来たのだ。
王宮の敷地内であるとはいえ、北の端にある小さく粗末な邸とも呼べぬ邸から、息せき切って。
「聖女様は昨夜の内に身罷られたご様子でした…」
品がよく人好きのするしわくちゃの小さな老婆は、目に涙を湛えながら、小さく嗄れた声で、それでもはっきりとそう言った。
「さいごまで泣き言一つおっしゃらず、おひとりで…。
お見送りしてさしあげられなかった事、心残りでございます。」
老婆の窪んだ瞼の奥の青い瞳は雄弁に私を責めていた。
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