27 / 73
33日目-1
しおりを挟む33日目
MP340/382
んー……寒っ。
ブルッと震え火置き場に火を焚く。
寒い寒いと火置き場の前に移動し手を火にかざして暖を取る。
今日も冷えるな…。吐いた息が白い。
手を擦り合わせながら外を見やる。また雪か。
ほとんど毎日よく降るな…。
数日前に光景が頭を過ぎる。
また入り口が塞がらないよう気を付けないと。
ぐー……。
お腹が鳴った。
……朝食にするか。
インベントリから焼きトマト1本と器と箸を取り出す。
箸でトマトを器に落とし串をインベントリに仕舞う。
塩を取り出して振りかけ味を調える。
頂きます。
あったまるなぁ。
ほぉ……と一息ついて飲み込んだ。
あっという間に平らげて雪の降りしきる中器と箸と串を洗う。
インベントリに収納した。
今日は始めに物作りをしよう。
インベントリから園芸用のこてと土を取り出す。
土を盛っていき長方形に固めていく。
高さはおおよそ30cm、幅も30cm、奥行20cm程。
こてで土を均していき形が整った所で魔力を込めて固めていく。
消費MPは90。
固まったところでそおっと箱を上に持ち上げた。
一面だけ開いている箱が出来た。
一旦それを横に置いておく。
続いて残った土の塊に箱を持ち上げた際崩れた部分に土を足して形を整える。
整ったら一番上の面だけ魔力を込めた。
これを取り外す。
長方形の土の板が出来た。
土の板を地面に置き、板を縁取るように細長く土を盛っていく。
土の板に合わせた長方形の囲いが出来た。
土の板にくっつかないよう注意しながら魔力を込めて固めていく。
土の枠が出来た。
土の枠を先ほど出来た箱の上に置いておく。
土の板の上に残ってる土を落とす。
綺麗になったら今度はその上に奥行の幅(20cm)と長さが一緒になるよう細長い棒状に土を乗せていく。
今度は先ほど作った土の枠を手に取る。
今作った土の棒を動かさないよう慎重に重ねていく。
重なったら棒と枠と棒のつなぎ目に魔力を込めて固定していく。
連子窓(れんじまど)みたいなのが出来た。
これをいったん箱の上に置いておく。
続いて土の板の上の土を払って綺麗にする。
今度は横の幅(30cm)と同じ長さの細長い棒上に土を載せていく。
固める前に先ほどの連子窓状の物を持ち上に重ねる。
土が凹む。
そのまま魔力を込めて固めていく。
格子状(こうしじょう)になった。
先ほどの箱に嵌めていく。
開いている面を上にし、下から2/3の高さで固定する。
そのままだと格子状の板が落下してしまう。
箱と格子の隙間を埋めるように土を盛る。
魔力を込め固めていく。
四か所全て固め終わった。
おっと忘れてた。
底に接する側面の一か所に拳状の穴を開けた。
火を入れる穴にする。
これをいったん置いておく。
先ほどの残った長方形の土の塊の上に魔力を込めて固めていく。
地面に置き縁に土を足して固めていく。
真ん中位に土を盛り取っ手を作り魔力を込めて固める。
蓋が出来た。
残った土をこてでインベントリに片づける。
ピュリフィケイションを唱えた。
うん。いい出来だ。
バーベキューコンロ(小)の出来上がり。
底があるので火が入ってても持ち運びやすい。
この間バケツにファイアーを唱えたとき外側は全然熱くならなかったし。
これで野菜の世話をしながらでも焼き加減を見れるな。
……試してみようかな。
インベントリからバケツに入ったトマトを取り出す。
切りかけのナスもあったがまずは在庫の多いトマトで試してみる。
ヘタを取ってゴロゴロと格子の上に載せていく。
まずは10個かな。
バーベキューコンロの穴の所に掌を当ててファイアーを唱えた。
MP215/382
焼いている間に壁の補強をしよう。
……の前に道具を作ろうか。
昨日こてで土を均していったのだがかなり時間がかかった。
先ほどの作った土の板を活用しよう。
土の板を魔力を使って1/3と2/3に割る。
1/3の方をさらに2か所の角を削り取る。
五角形の板が出来た。
インベントリから土を取り出し持ち手を2個作る。
一つを五角形に付ける。
もう一つは残った2/3の土の板に付けた。
簡単だが左官道具が出来た。
続いてインベントリから水やり用のバケツを取り出す。
その中にインベントリから土を取り出す。
先ほど使った園芸用のこてでぎゅうぎゅうに詰めていく。
土を詰め終わったらひっくり返しそおっとバケツを取り外す。
崩れた部分の形を整えて魔力を込め固めていく。
ついでなのでバケツを2個作っておいた。
一つは左官用に使用する。
といっても土と水を混ぜるだけだけど。
本格的な左官は材料もないので出来ない。
土の壁の凸凹を均すためだけの道具だ。
こてで壁を叩いて均すより泥を塗りつけて均した方が早いだろう。
残った土は園芸用のこてでインベントリに片づけた。
1
あなたにおすすめの小説
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
冒険者パーティから追放された俺、万物創生スキルをもらい、楽園でスローライフを送る
六志麻あさ
ファンタジー
とある出来事をきっかけに仲間から戦力外通告を突きつけられ、パーティを追放された冒険者カイル。
だが、以前に善行を施した神様から『万物創生』のスキルをもらい、人生が一変する。
それは、便利な家具から大規模な土木工事、果てはモンスター退治用のチート武器までなんでも作ることができるスキルだった。
世界から見捨てられた『呪われた村』にたどり着いたカイルは、スキルを使って、美味しい料理や便利な道具、インフラ整備からモンスター撃退などを次々とこなす。
快適な楽園となっていく村で、カイルのスローライフが幕を開ける──。
●表紙画像は、ツギクル様のイラストプレゼント企画で阿倍野ちゃこ先生が描いてくださったヒロインのノエルです。大きな画像は1章4「呪われた村1」の末尾に載せてあります。(c)Tugikuru Corp. ※転載等はご遠慮ください。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる