異世界で農業をやろうとしたら雪山に放り出されました。

マーチ・メイ

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50日目−2

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MP472/723

火置き場の前まで戻る。

インベントリからトロ箱、バケツ、柄杓、シャベルを取り出す。
バケツに雪解け水を注ぎトロ箱に土を出した。
柄杓で水を入れ捏ねていった。


MP505/723

雪解け水が無くなったので道具にピュリフィケイションを唱え綺麗にし収納した。

バケツに向かってライトを唱え補強の続きをする。
入口から向かって左側、サツマイモから大根やニンジンを植えていた場所に向かう左側の壁。

インベントリから鏝板と左官用の鏝を取り出す。
鏝板に泥を出し鏝で拭い壁に塗りつけていった。


MP325/723

左側の壁の補強が終わった。
キリが良いので今日はここまでにする。

道具にピュリフィケイションを唱え綺麗にしインベントリに収納した。

火置き場の前に戻る。
インベントリから焼き芋を取り出し皮を剥いて頬張る。
水を取り出し喉を潤した。

脇芽を確認する。

ナスの脇芽は白く小さい根が見え始めていた。
トマトの苗は順調に根の本数を増やしている。

それぞれにウォーターを唱え水を補充して置いた。

MP334/723

火属性Lv1経験値944/1000

……。

あれ?もしかして残ってるMPだけでLvアップ出来る?

バケツを取り出し中に雪を入れる。
その場に座りバケツを抱えファイアーを唱えた。

997…998…999…1000…。

MP184/723

火属性魔法Lv2経験値1000/3000

バケツの中に溜まった雪解け水をインベントリに注いだ。

早速外に出て試してみよう。


スペースを確保する為インベントリを広げ除雪をした。

……これぐらいで良いかな。

場所が確保できたので早速掌に魔力を込めた。

ファイアーシールド頭に文字が浮かんだので唱えてみた。

目の前に現れたのはウォーターシールドと似たような炎の板状のもの。

消費MPは33だった。

見た目は熱そうだなとかそんな事を思ったが、近くにあるのに不思議と熱さは感じなかった。
とはいえ流石に触るのは戸惑われたのでインベントリから枝を取り出した。

ブスッと刺しこむ。

火が燃え移るのを待つ。
そろそろいいかなと引き抜いた。

……燃えていない?
そこには差し込む前と何ら変わりのない薪があった。

火に突っ込んだ部分に触れてみる。
最初は触る程度、熱く無かったので握り込む。
……温度も上がってないようだ。

薪をインベントリに収納しシールドに手を近づける。
炎に炙られるようなジリジリとした熱さもない。
少し顔を近づけふぅっと息を吹きかける。

風に煽られ炎が揺れた。


熱を感じる部分まで近づいてみようと手を伸ばす。
炎と指の距離は数cm。

そこまで近づけても熱くない。
ただファイアーを唱えた時はちゃんと熱が感じられたのに。

人差し指でちょんちょんと突く。
……やっぱり熱くない。

熱くない事を良いことに両手をズボッと炎の盾に差し込んだ。


柔らかいものでくすぐられるような感覚があり両手を引っこ抜いた。

どこも火傷を負っていない。

……シールドとして役に立つのか?

インベントリから小石を取り出しシールドに向けて投げてみた。

ゴオッ‼︎

燃えた。消えた。何だこれ。

投げた小石は盾に当たり通り抜けるあたりで燃え尽きたようだ。
石なのに。

何故それが見えたかというと燃え尽きる少し前、石が燃えた瞬間盾が消えたからだ。


……これは燃やした分だけ耐久が減っていくって事なのか?

薪は攻撃じゃないから燃えなかったってことか?

もう一度ファイアーシールドを唱える。

インベントリから先ほどの薪を取り出し差し込む。
燃えないのを確認し1m程距離を取る。

シールドに向かって投げつけた。

ゴオッ‼︎

薪は生乾きなのにも関わらず勢いよく燃え消えてしまった。

シールドも消えてしまった。

もう一度ファイアーシールドを唱える。
今度は小石を手に持ちシールドの中に突っ込んだ。

……これは燃えないか。

つまり自分が触れているものは燃えないが自分から手が離れたものが触れたら燃えるってことか?

今は別に良いけどね。
例えばパーティーを組むとして味方にファイアーシールドを出す。
味方がそれに触れたら燃えるのか?それとも平気なのか?どちらだろう。

……今は関係ないか。

検証はこのくらいにして洞窟に戻っていった。

MP103/723

火置き場の火が消えていたのでファイアーを唱えた。


ゴオッッ‼︎

おおおおう⁈

忘れてた。水の時も量が倍になったんだっけ。
火置き場に焚かれた火はいつもの二倍の大きさだった。

ウォーターを唱え消火した。

もう一度火置き場に火を焚こうとして手を止めた。
一度外で練習するか。

雪の上にいくつかバケツを置いていく。

一つ目。
何もせずただファイアーと唱えた。炎が約二倍の大きさになった。
二つ目。
ウォーターを濃縮した時のように魔力を圧縮する感覚でファイアーを唱えた。
オレンジの炎が青くなった。
三つ目。
オレンジの炎を意識しながら魔力を圧縮する感覚でファイアーを唱えた。
元の大きさのままでオレンジの炎が出た。

そのまま放置しMPの回復時間から持続時間を測る。

MP124/723

MPが30回復したところで一つ目と二つ目の炎が消えた。
さらにMPが30回復したところで三つ目の炎が消えた。

ファイアーは大きさか温度か持続時間を選べるのか。
バケツをインベントリに収納し洞窟の中に戻った。

火置き場に魔力の圧縮とオレンジの炎を意識しながらファイアーを唱えた。

トロ箱を取り出す。
インベントリからバケツと柄杓とシャベルを取り出し雪解け水を注ぎ土を捏ねた。

MP178/723

ピュリフィケイションを唱えて道具を綺麗にしインベントリに収納した。
バケツにライトを唱えサツマイモの苗のところに移動する。

AからCの苗を見る。
下の葉の色が変わってきていた。
明日には収穫できるかな?

それぞれに魔力水やウォーターを唱え水をやり、他の苗も一緒に蔓返しをした。


MP172/723

ライト入りのバケツを小脇に抱えトマトの苗のところに移動した。

収穫を終えたのでトマトの苗Bを撤去するべくインベントリからナイフを取り出した。
誘引していたサツマイモの蔓を切る。
支柱をバラバラに外しインベントリに収納し代わりにシャベルを取り出し根元に突き立てた。
シャベルで根を切り土も柔らかくなったところで根元を掴み引っこ抜いた。

邪魔になるのでインベントリに収納しておいた。

トマトの苗Aは側枝Dの実が生っているので片付けるのは明日だな。


MP190/723

インベントリから謎の袋を取り出す。
魔力を込め果菜を選択しカボチャを選択する。
成長速度上昇1を付けると枯らしてしまいそうなので付けないでおく。
これを二つと……。後は何にしようかな?

そうだ。香り付けにハーブを育ててみようかな。
その他の植物を選択しバジルを選択した。

残りのMPは玉ねぎに変えておいた。

インベントリから育苗トレーを取り出し植えていった。

……畑を纏めたしシイタケの原木を置いているところに棚でも作ろうかな。


とりあえず今日の作業はここまでにしようと休むことにした。




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