貴方がつくってくれた私の居場所

kanana_aho0727

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第1章

~壊れた扉~

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「あー、ほとんどが虫に食われてるじゃないかっ!!」
と午前4時。近所迷惑もほどほどだ。こんな時間に何故、外にいるかと言うと…
昨夜、白い猫と心地よく寝ているともう1匹の黒い猫が邪魔をしに来る。
「なによ…お前も一緒に寝たいの…?」
と寝ぼけて話しているとバシッと顔に突然痛みが走った。
「っ!!なにっ!?」
と慌てて起きる私と入れ替わりに、黒い猫が私が寝ていた場所にドテンッと寝転ぶ。
「えっ!?ちょっとそこ私の場所!!」
と声を荒らげて黒い猫に言うと、猫は睨み返し戦闘態勢に入りかけた前足をこちらに向けている…
要するに、自分がここで寝るからお前はどっかにいけと言うような態度と顔をしている。
「わかったよ…もぉなんなのー…」
猫に布団を譲り私は椅子に腰をかけた。
さっきの猫パンチにより寝る気分ではなくなった私は部屋のあたりを見渡した。
そしてやはり、目がいく先は決まっていて…玄関の扉だ。
「…やっぱり、気になるわ、あのドア」
仮に玄関としている場所の扉が外れていてプライバシーのかけらもない。外から見たら内側がほとんど丸見えで不用心すぎる。
「初日で壊しちゃったからなぁ…」
壊したというか、外れたというか…とぶつくさ言いながらドアの方へ向かった。
「どのくらい古いんだろ…」
と言って扉を付けていた場所を見るとほとんどの木が少し虫に食われている状態だった。そして冒頭の台詞に戻る。
ドアを付け替えるって問題ではない。だが、アトリエ全体が悲鳴をあげているわけでもなく綺麗な状態で保たれている。数年間、使われてない割に綺麗だ。しかし現では、煤や埃があって蜘蛛の巣もある。だから古いのは変わらない。
「はずれたドアは…あんまり傷んでない…蝶番が錆びてて取れたのか…」
扉の蝶番が着いていたところを見るとボロボロになっている。そういえばと思い、"Warehouse"と書かれた扉を開き、中を覗いてみると…とてつもなく酷い場所だった。部屋は埃まりれで、汚部屋と言っていいほどの物の多さとゴミだらけだった。確かに、母は片付けるのがあまり得意ではなかった。代わりに父が補っていた感じだった。が…にしてもこれは酷すぎる…
「うわぁ…これは…ひどい…」
と言いながら部屋に入ると布を被った場所が1部異様な空間を作っていた
「なにこれ…?」
恐る恐る近づいて行くと、そこにあったのは鍵付きの金庫みたいな箱と茶色く日焼けした封筒が2通あった。
「手紙かなにか入ってる感じのやつだ…!!でも…誰の?」
封筒には蝋がくっついたままでまだ開けられてないものだった。表面を見ると"Dear Loving person"と書いていた。
「ディ…ァ?ラビー、ング…??なにこれ?どういう意味?」
よく分からないからいいや、と思いそのまま放置した。ゴッ…と足先をぶつけて悶える私。
「…ッ痛ったぁ…なにこれぇ…もぉ…」
そこにはとひらがなで書いていた工具箱を見つけた。
「なんで平仮名で書いてるんだろうか…お母さん不思議すぎる…」
でも工具箱らしいし持ってってみるか、と鼻歌を歌いながらその部屋を出た。

****

「さて開封してみますか!!」
と工具箱らしい箱を開けてみるとまた、手紙が入っていた。今度は日本語で、"これを開ける時への私へ"と書かれていた。
「あれ、これお母さんじゃん、なんて書いてるんだろ…」
と中身を見ると、
私は漢字が苦手なので平仮名で書いておきました。これはこうぐばこです。多分、入口のとびらがこわれてしまうとおもうので、ちょうつがいと、修理にひつよなものを入れておきました。だからこわれた時に自分で直してね!
と…漢字が苦手と書いていあるのに所々漢字で書いているのは母らしく、私は笑みをこぼした。
母の手紙通り、扉の修理に向かった。

*****

暫くして、扉が治った。
「よし!これで大丈夫でしょ!!」
1人でも結構何とかなったなぁと扉の方に目を向けようやく、玄関マットが役にたっている感じだ。すると後ろから可愛らしい声とちょっと不貞腐れた声が聞こえてきた。
「にゃぁーお」
「うにゃー」
と。おはようって笑みを浮かべ笑いかけると白い猫がすりすりしてきた。
「超ふわふわじゃんっ…おぉ…めっちゃ気持ちぃ…」
と堪能していると頭をバシッと引張叩かれた。
「痛っ!?またなの!?」
どうやらこの黒い猫は白い猫と私が仲良くしているのが気に食わないらしい…なんて独占欲が強い猫…とも思っていた頃、いつも設定している携帯のアラームが8:00になったことを知らせてきた。
「もうそんな時間かぁ…お腹すいたしー、ご飯にしよー」と冷蔵庫を見てみると、今食べる分はあるが、今日の夜の分は無さそうだ。
「ご飯食べたら、お買い物に行こーと…」
ちらっと2匹の方を見る
「ついでに猫缶も買ってくるかな…」
ボソッと言いながら朝食の準備を始めた私は、冷蔵庫を閉めて今日することを考えながら手を動かしていた。

この後行く買い物の時に袋の底が抜ける事すら考えていなかった…
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