君だけの理解者になりたい

ラリックマ

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彼女の心境……

第21話秋と体育祭……

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 早かった夏休みも終わり、季節は秋……。
 秋といえばやはり……なんだ?
 食欲? 
 読書?
 どれも当てはまらないな……。
 まあ俺の……というより、この学校の秋といえば……。

「じゃあお前ら! 来週は体育祭だから、しっかり準備しとくように! いいか、何をしてでも勝つんだ!」

「「「おーーー!」」」

 担任の鼓舞に、生徒がそれに応えるように声を出す。
 はぁ……なんでみんなやる気まんまんなの?
 体育祭って体育会系の奴が盛り上がるから、無駄に暑苦しいんだよな……。
 あ―ヤダヤダ、体育祭なんて早く終わればいいのに……。
 みんなが盛り上がってる中で、俺だけ冷めていた……。
 いや、俺達’’といった方が正しいか。

「くだらないわね」

 そこには腕を組んで、だるそうな表情の矢木澤がいた……。

「何でだ? お前、運動は結構得意な方じゃなかったか?」

「えぇ、まあ人並み以上は出来る方だと思うけど……」

「なら楽しみじゃないのか?」

「運動ができるからって、体育祭が楽しみの理由にはならないわ。暑苦しいし、めんどくさいし……。そういえばあなた、中学の時は運動部じゃなかったかしら?」

「まあそうだな」

「確か……幽霊ゆうれい部? だったかしら?」

 何だよ幽霊部って!
 どう考えても運動部じゃないだろ……。

「俺はバスケ部で、幽霊部員だっただけな!」

「あぁそうそう! 誰とも馴染めずに、誰からもパスをもらえないからやめたんだったかしら?」

「っ……確かに、誰も俺にパスしてくれなかった……というか、試合に出てることすら忘れられてる時もあった……」

 てかおかしいだろ!
 影薄いのって強みじゃないの?
 味方にまでかかってたよ、”ミスディレクション”……。
 俺たちがそんな、昔の俺の悲しい部活の話をしていると、教卓の方からクラス委員の渡部さんが近づいてきた。

「ねぇねぇ矢木澤さん、リレー選やらない?」

 どうやら渡部さんは、矢木澤に『リレーの選手にならないか?』という誘いをしに来たらしい……。
 てか体育祭来週なのに、まだ決まってなかったのかよ……。
 やる気があるんだか、ないんだか分かんねえな……。

「どうして私なんですか?」

「いや、前に体力測定したときさ、矢木澤さん五十メートル走すごく早かったじゃん! だからどうかなーって……」

 渡部さんは、手を合わせて矢木澤にお願いする。
 
「でも私、バトンパスの練習とか何にもしてないですし……」

「大丈夫! 矢木澤さんなら出来るよ!」

 何が大丈夫なのか、俺には全く分からなかったが、まあ矢木澤なら大丈夫なんだろう……。
 矢木澤は、目をつむって少し考えた後に……。

「わかりました、やります」

 っと返した。

「本当!? じゃあ走順とか決めるからこっち来て!」

 矢木澤は渡部さんに手をつかまれて、教卓の方に向かっていった……。
 そして俺はいつも通りボッチになった……。
 リレー選とかめんどくさそうだな……。
 まあ俺は、学年種目と綱引きしか出ないから楽でいいんだけど。
 俺は種目決めの時、迷惑が掛からず、目立たない種目を選んだ。
 そんなこんなで、俺たちのめんどくさい体育祭が始まろうとしていた……。

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