君だけの理解者になりたい

ラリックマ

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彼と彼女の過去……

第31話失敗した自己紹介……

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 俺達は学校へ着くなり、新クラスに入る……。
 まあ別に友達いないから、誰が一緒のクラスとか興味ないんですけどね……。
 俺は新しい学年になって、新しいクラスに入るが、顔見知りは一人もいない……、いや、一人だけいた……。

「あら? また同じクラスなの?」

 隣の席には花が座っていた……。
 
「なんだよ……。てか同じクラスなの分かってただろ!」

「本当に今知ったわよ。別に誰と同じクラスになろうが、関係ないもの……」

 そんな友達のいない幼馴染と、またしても同じクラスになってしまう……。
 この学年はクラスが8個あるから、二年連続になる確率なんて相当低いのに……。
 ボッチはボッチにひかれ合う運命なの?
 クラスを見渡す限り、一人で居る生徒もいれば、もうグループを作っている生徒などもいる……。
 それから直ぐに担任と思わしき先生が教室に入って来る……。

「えー今日からこの二年三組の担任をやらせてもらう笹塚です。早速ですが、まだお互いのことをよく知らないと思うので、自己紹介をしたいと思います!」
 
 教室に入ってきたのは、ショートヘアーの二十代前半ぐらいのお姉さんだった……。
 初めて見るので、新任なのだろうか……?

「じゃあまず私から、名前は笹塚千秋ささづかちあき。趣味はテニスで、テニス部の顧問をさせてもらってます。皆さん、一年間よろしくお願いいたします!」

 元気な自己紹介を済ませた笹塚先生の第一印象は、とても好感が持てる人だと思った……。
 この先生は、すぐに生徒から好かれそうだな……。

「じゃあ一番の人から順番に言ってっていいよ!」

 ようやく生徒の番が回ってきた……。
 この自己紹介、俺の今後の学生生活に大きくかかわる……。
 この自己紹介を成功させて、面白い奴だと思わせることが出来れば、俺は今後みじめな学生生活を送らずに、友達との楽しい学生生活を謳歌おうかすることが出来る……。
 俺の番号は32番……。
 花の次だ。
 時間的にも後5分ほどで、俺の順番が来るだろう……。
 それがタイムリミットだ!
 俺はほかの生徒の自己紹介には耳も傾けずに、自分の自己紹介を考えていた……。

「じゃあ次は31番の子、どうぞ!」

「はい。31番矢木澤花です。趣味は読書で、部活動は入っていません。一年間よろしくお願いします」

 俺の前の花が普通の自己紹介をする……。
 こんなんだからコイツはボッチなんだよ。
 俺は面白い自己紹介をして、クラスの人気者になる!
 それから放課後……。

「それで、新学期一日目にしてボッチが確定した矢須優太君、今の気持ちは?」

「もうほっといてくれ……」

 俺はあの自己紹介で盛大にやらかした……。
 
「まず何、あの趣味は……?」

「そ、それは……」

 俺は自分の趣味を言うときに、別に趣味でも何でもないのに”人間観察”なんて言ってしまった……。

「あの意識だけ無駄に高い人間がいいそうな趣味は何なのよ……」

「はい、なんかこれ言ったらかっこいいとあの時思っちゃいました……」

 まじで何であんなこと言ったんだろう……。

「それから一番ひどかったのは、最後の部活。あの周りを凍死とうしさせるようなダジャレは何?」

「いや……それは……」

「確か、『幽霊部員だけど、幽霊ではないです』だったかしら?」

 もう誰か俺を殺してくれ……。
 
「今のみんなのあなたへの認識は、”意識高い寒い奴”って思われてるわね」

「あぁぁぁぁぁ。俺はこれからどうすればいいんだよ……」

 もうだめだ……。
 この先どうすればいいんだ……。

「俺はこれからずっと一人で学校をすごしていくんだ……」

 すると花が俺の方に手を置いて……。

「大丈夫よ。多分あの自己紹介がなくてもあなたは一人だったわ」

 何も大丈夫じゃないんだが……。
 こうして俺の新たな学生生活は、一日目からお先真っ暗だった……。
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