君だけの理解者になりたい

ラリックマ

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そして彼は、今までの失敗を学ぶ……

第62話作戦会議……

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 何とか花を文化祭の準備に手伝わせることに成功はしたのだが、花は誰とも喋らずに自分の作業を黙々とこなしていた……。
 まあこうなることは予想していなかったわけじゃない。
 むしろ花が他の生徒と協力して、準備に取り掛かるなんて展開が起きないことは分かりきっていた……。
 そして一番計算外だったのは、花と一番仲良くなってほしい阿澄あすみたちがいないことだ……。
 彼女たちと花が和解わかい……というか、花にいい印象を持ってくれれば全て丸く収まるのに……。
 いくら探しても阿澄たちの姿は見えない。
 多分彼女たちも部活動の方に顔を出しているのだろう……。
 そうこうしているうちに、完全下校のチャイムが鳴った。
 担任が手をぱんぱんと叩いて、生徒の注目を集める。

「よーしお前ら、今日はここまで。号令はなしで帰っていいぞー」

 そして準備をしていたクラスメイト達は、『疲れた』や『めんどくせぇ』などと愚痴りながら教室を出ていった。
 俺もそれに続いて教室を出ていく。
 階段を降りて一階にある下駄箱の方を見ると、やたら人目に付く女子生徒が携帯をいじって下駄箱の近くの壁に寄りかかっていた。
 その女子生徒はこちらに気づいたらしく、一瞬目が合った。
 そしてポッケに携帯をしまい、

「よー優太。待ってたよ~」

 っと陽気な様子で、とたとたと小走りで近づいてくる。

「じゃあ行くか」

 そうは言ったものの、自分でもどこに行こうとしているのか分からなかった。 
 橋川は『どこにする?』と聞いてくるが、こっちが聞きたい……。 
 とりあえず俺たちは校舎を出て、当りを見渡す。
 うーん……。
 てか別に話すだけだし店とかに入る必要あるのか?
 そう思うとどこでもいい気がしてきた。
 俺はとりあえず目に入ったところを指さした。

「なあ橋川、あそこでいいか?」

 俺は学校の近場にある公園のベンチの方を指さして橋川に聞いた。
 
「えー、何で公園? だったらあっちでよくない?」

 そういった橋川は、公園の奥の方にあるサイゼリアを指さす。
 なんかサイゼリアで花のことを話すのは二度目のような……。
 いや、前回は俺が話を聞かなかったからノーカウントか……。
 そうして俺は、橋川に無理やり連れられてサイゼリアに入る。
 
「二名様でよろしいでしょうか?」
 
 店員の接客に、手慣れた様子の橋川が対応する。
 さすがはリア充……。
 サイゼリア程度行きなれてるってことですか。
 俺はおどおどしながら店員に案内された席に座る。

「じゃあ早速作戦会議を始めるかー」

「ああ、とりあえずドリンクバー注文するか」

 俺はボタンを押して店員を呼ぶ。

「あのー、ドリンクバー一つお願します」

 すると店員は『ドリンクバー1つ』と言って紙に書いた。
 俺の注文はこれだけだ。
 しかし店員は、席の前に突っ立っている……。
 あれ?
 もしかしてドリンクバーだけだとダメなのかな……。
 心なしか店員の表情が険しくなっていっている気がする……。
 これは『何ドリンクバーだけで済まそうとしてんだ? あと十品は注文しろ』と言っている顔だ……。
 俺はメニュー表の表紙に書いてある「和風ハンバーグ」を注文した。
 だが依然いぜんとして店員はいなくならない。
 まだ頼めっていうのか!?
 サイゼって怖い……。
 その後も俺はサラダやポテトなどを頼んだ。
 たいして腹減ってないのに……。
 そして俺の元には、俺の頼んだ数々の食品が並べられていった。
 その様子をコーラを飲んでいる橋川がガン見していた。

「食べたいのか?」

「いいの!?」

「いいよ別に、たいして腹減ってないし……」

「じゃあ何で頼んだの?」

「まあそれは……いいから食え」
 
 今にして思えば、ドリンクバーを頼んだ時『以上です』って言っておけば良かったのではないかと思う……。
 俺は前にある和風ハンバーグを、橋川に渡す。
 何で作戦会議をしに来たのに、呑気のんきに飯なんか食ってんだよ……。
 俺はカルピス片手に、夕焼けが沈んでいく様子を眺めながら、サイゼリアに来たことを若干後悔していた……。
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