29 / 75
第4章 ルーベルト王国王都
第二十七話 決めました‼私、頑張ることにします‼
しおりを挟む
ブォン
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前: 合田結菜(ユーナ·アイーダ)
レベル: 8→13
体力: 72→83
攻撃力: 32→44
防御力: 45→61
魔力: ∞
魔法攻撃力: 2→3
魔法防御力: ∞
魔法: 風 聖 光
※無→光
敏捷性: 24→36
能力: 家事 物作り 風の耳 a-の眼 鑑定+ 所有者 聖 精霊術
※無→精霊術
称号: 狭間の迷い人 鑑定師 所有者 a-e'vの分身 聖女 精霊の愛し子
※無→聖女 精霊の愛し子
※鑑定士→鑑定師
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……マジか‼」
自身のステータスを見て叫んでしまった。横から覗き込んでいるロンも驚いている。いい感じに成長できているみたいだ。結菜はさっきまで不安がっていたことも忘れて、にっこにっこしている。
ゲームの自分のお気に入りのキャラが順調に育っていくのを眺めている気分になり、結菜は素直に喜んでいた。にやにや笑いが止まらない。……単純である。
「それにしても、やっぱり魔法攻撃力は全然上がらなかったな…………。まぁなんとなく予想してたからいいんだけどさ」
そう、なんと魔法攻撃力が1しか上がらなかったのだ。もうちょっと上がってほしいと思ってしまうのも無理も無いことである。まぁ、こればかりは仕方がない。
興奮を抑えて、結菜とロンは問題の箇所を見た。そこには『聖女』とはっきり書かれている。
『主、そなた聖女になっておるぞ?』
「うん。なってるねぇ……」
『どうするつもりなのだ?』
どうするつもりって言われても、と結菜は少し困った顔をした。もう聖女になってしまった以上、取り消してくださいとも言い難い。たぶん言っても取り消せないだろうし……。……仕方がない。
しかも、その上、まさか自分が聖女になるとは思ってもみなかったのだ。
「ねぇ、ロン。聖女ってさ、自由でいられると思う?」
『自由か?……微妙だな。状況次第ではないのか?』
「状況次第、か……」
結菜は考えた。もう聖女になったことは仕方がない。そこは置いといて、問題は結菜にとって自分がしたいことが思いっきりできるかどうかであった。
結菜が普通の生活を望むのも、もともとはこれが根底にある。結菜は普段から自分の興味を持ったことをとことんやり尽くすタイプの人間である。合田家ではそれが日常だった。よって、それこそが結菜にとっての普通の生活の水準である。つまり、自由だったのだ。
しかし、この世界でそれをなかなか難しいだろうと結菜は思っていた。アル達のクランであればまだ容易であったにちがいない。しかし、自分は聖女になってしまった。
「ロン、自由でいるためにはどうしたらいいと思う?」
『む?頑張ればなんとかなるであろう』
「いや、もっと詳しく」
大雑把すぎるわ‼と結菜はロンにツッコんだ。
『大丈夫だ‼主なら自由など簡単に手に入る‼我が保証するぞ‼』
………本当に大雑把すぎる。結菜はため息をついた。しかし、こうなった以上本当に頑張るしかないようだ。結菜は覚悟を決めた。自由と自分の好奇心を満たすためなら何でもしようと。
「うん、私決めた‼聖女として頑張りながら自由を手に入れる‼そんで、普通の生活をするの‼」
ガッと拳を握り結菜は誓った。やっと自分のゆくべき方向が定まったように感じる。
『主。そろそろ戻らねば、賢者達が心配するぞ?』
「うん。行こっか」
その顔はどこか晴れやかで、やる気に満ち溢れキラキラしている。
結菜はロンを抱きかかえて、もと来た道へ戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前: 合田結菜(ユーナ·アイーダ)
レベル: 8→13
体力: 72→83
攻撃力: 32→44
防御力: 45→61
魔力: ∞
魔法攻撃力: 2→3
魔法防御力: ∞
魔法: 風 聖 光
※無→光
敏捷性: 24→36
能力: 家事 物作り 風の耳 a-の眼 鑑定+ 所有者 聖 精霊術
※無→精霊術
称号: 狭間の迷い人 鑑定師 所有者 a-e'vの分身 聖女 精霊の愛し子
※無→聖女 精霊の愛し子
※鑑定士→鑑定師
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……マジか‼」
自身のステータスを見て叫んでしまった。横から覗き込んでいるロンも驚いている。いい感じに成長できているみたいだ。結菜はさっきまで不安がっていたことも忘れて、にっこにっこしている。
ゲームの自分のお気に入りのキャラが順調に育っていくのを眺めている気分になり、結菜は素直に喜んでいた。にやにや笑いが止まらない。……単純である。
「それにしても、やっぱり魔法攻撃力は全然上がらなかったな…………。まぁなんとなく予想してたからいいんだけどさ」
そう、なんと魔法攻撃力が1しか上がらなかったのだ。もうちょっと上がってほしいと思ってしまうのも無理も無いことである。まぁ、こればかりは仕方がない。
興奮を抑えて、結菜とロンは問題の箇所を見た。そこには『聖女』とはっきり書かれている。
『主、そなた聖女になっておるぞ?』
「うん。なってるねぇ……」
『どうするつもりなのだ?』
どうするつもりって言われても、と結菜は少し困った顔をした。もう聖女になってしまった以上、取り消してくださいとも言い難い。たぶん言っても取り消せないだろうし……。……仕方がない。
しかも、その上、まさか自分が聖女になるとは思ってもみなかったのだ。
「ねぇ、ロン。聖女ってさ、自由でいられると思う?」
『自由か?……微妙だな。状況次第ではないのか?』
「状況次第、か……」
結菜は考えた。もう聖女になったことは仕方がない。そこは置いといて、問題は結菜にとって自分がしたいことが思いっきりできるかどうかであった。
結菜が普通の生活を望むのも、もともとはこれが根底にある。結菜は普段から自分の興味を持ったことをとことんやり尽くすタイプの人間である。合田家ではそれが日常だった。よって、それこそが結菜にとっての普通の生活の水準である。つまり、自由だったのだ。
しかし、この世界でそれをなかなか難しいだろうと結菜は思っていた。アル達のクランであればまだ容易であったにちがいない。しかし、自分は聖女になってしまった。
「ロン、自由でいるためにはどうしたらいいと思う?」
『む?頑張ればなんとかなるであろう』
「いや、もっと詳しく」
大雑把すぎるわ‼と結菜はロンにツッコんだ。
『大丈夫だ‼主なら自由など簡単に手に入る‼我が保証するぞ‼』
………本当に大雑把すぎる。結菜はため息をついた。しかし、こうなった以上本当に頑張るしかないようだ。結菜は覚悟を決めた。自由と自分の好奇心を満たすためなら何でもしようと。
「うん、私決めた‼聖女として頑張りながら自由を手に入れる‼そんで、普通の生活をするの‼」
ガッと拳を握り結菜は誓った。やっと自分のゆくべき方向が定まったように感じる。
『主。そろそろ戻らねば、賢者達が心配するぞ?』
「うん。行こっか」
その顔はどこか晴れやかで、やる気に満ち溢れキラキラしている。
結菜はロンを抱きかかえて、もと来た道へ戻った。
10
あなたにおすすめの小説
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる