86 / 171
第4章 秋の戦い
第76話 因縁の対決
しおりを挟む今日こそ。今日こそはぶちのめすぞ。
「覚悟はいいか! ロビカスさんよぉ!!」
俺がこいつと出会ったのは、中学2年生の頃。
シニアの野球も本格的になり、厨二病も全盛期。
まだ、レオンが今ほどバケモノっぷりも発揮しておらず、我が世の春を堪能してた真っ最中。
向かう所敵なしの俺の前に挫折というものを味合わせてくれた存在だ。
パワプ○のサクセスで最強選手を作ったり、栄冠ナインで擬似甲子園を楽しんだりするのが食傷気味になり、新たな野球ゲームを発掘しようと掲示板のスレッドを覗くと、このクソゲーで盛り上がってたのでやってみようと思った訳だ。
最初はほのぼのしたゲームだなと余裕をぶっこいてた訳だが、すぐに洗礼を浴びた。
まず壁にぶち当たったのは、オウカスとかいうクソ野郎。
ダメでしょ、これは。
ナックルとかそんなレベルじゃねぇ。
実力とかそんなの関係ない。
運ゲーなんだよ。
「くそがぁー! くたばりやがれ鳥類!!」
動物愛護団体に全方位喧嘩を売る様な放送禁止用語を垂れ流しつつ、2日程かけてクリアした訳だ。
その頃には、パソコンの前で絶叫している俺を心配した両親と妹も巻き込んで家族総出でこいつの攻略に当たったもんだ。
「メジャーで培ったミート能力を見せてやる!」
「こんなのおかしいわよ。作った人を呼んでちょうだい」
「私、プーさ○嫌いになりそう」
家族が順調に沼にハマっていくなか、ティガカスは比較的すぐに攻略できた。
「なんだこれ、リズムゲーじゃん。よゆーよゆー」
消える魔球なんて知ったこっちゃない。
とにかく同じリズムで振っておけばなんとかなった。
因みに俺は、ゲームは上手いと思ってる。
っていうか、手先が滅茶苦茶器用なんだよね。
転生特典のおかげかなと思っている。
後、コインマジックね。
タネをばらしても見抜けないぐらい上手い。
そして問題のラスボスよ。
クソのロビカス。
もうほんとにね、こいつはクソとしか言いようがない。
俺は一度こいつで挫折を味わった。
そして意外にも一抜けしたのが妹の神奈だった。
失意の中で見せられたあのドヤ顔。
神奈じゃなかったら、フルボッコ間違い無し。
そして、母さん、父さんの順番にクリアしていく中、俺は未だにクリア出来ていない。
流石に中学時代の頃の様な時間は取れてないが、それでもクリアは諦めていない。
プニキはもうMAXまで強化してあるんだ。
後は俺のPSのみ。
なぜクリア出来ないのか。
「くそくそくそくそ。あーイライラする。絶対このゲームのお陰で俺の忍耐力はアップしてる」
隼人とかこのゲームやったら、パソコン何台あっても足りないんじゃないかな。
「こんのクソガキがぁ! ケツの穴から手ェ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろかい!」
「お兄ちゃん…それまだやってたんだ」
「こいつをぶっ倒すまで俺は先に進めねぇんだよぉ!!」
天使神奈が憐れみの目で見てくる。
この哀れな人間を救いたまえ。
「ダメだ。惜しい所まですらいかない」
集中力が切れました。
今宵もロビカスには勝てませんでした。
三波豹馬はこいつに勝つ事が出来るんでしょうか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる