未冠の大器のやり直し

Jaja

文字の大きさ
96 / 183
第4章 秋の戦い

第85話 ミーティング

しおりを挟む

 
 「よし、ほな始めるでー」

 放課後の部室にて。
 練習は疲れが残らない程度に軽くやってから、次の対戦相手の関東一高のビデオを見る。

 「特別こいつは要注意って奴はおらんな。強いて言えば全員高いレベルでまとまってる感じか。松美林の上位互換や。白馬はおらんけど」

 機動力で引っ掻き回してくるチームだよね。
 塁に出したらめんどくさいんだろうなー。

 「先発は豹馬。1人で投げ切ってもらう予定やけど、金子も試合展開によっては出番あるかもしれへんからな。準備はしといてくれ」

 秀徳相手に完投した金子は、試合が終わった翌日はヘロヘロだったけど、今はやる気に満ち溢れてる。
 前回の完投はイライジャには打たれたけど自信になっただろうな。

 「打線に関しては特に心配はしてへん。相手のエースも三井と比べたら全然や。お前らなら打ち崩せる」

 龍宮の打線は都内屈指だもんね。
 今の俺でも無失点はちょっときついかもしれん。
 レオン、大浦、隼人のクリーンナップが残酷すぎるんだよ。
 
 「って事は次の試合は俺の出来次第って感じ? プレッシャー半端ないな」

 まあ、緊張する程でもないが。
 未だ体が本調子ではないとはいえ、負ける気はしないな。
 予期せぬアクシデントには注意だけど。

 「パンがプレッシャー感じる事とかないでしょ。世界大会の決勝でも飄々としてたのに」

 「確かに。お前緊張した事あるのか?」

 あるわ、馬鹿たれ。
 美人と話する時はいつもガチガチじゃい。
 野球関連ではないかなー。
 死後に、文字通り時間を忘れる程練習したからな。
 練習でやってる事を、試合でも同じようにやるだけ。
 身の丈に合わん事をしようとしなければいいのさ。

 「じゃあ、今日はこのビデオ見て解散な。自主練してもええけど、疲れは残すなよ」

 よーし! ブルペン行くぜー!
 最近ちょっと試してる球種があるんだよね。

 「タイガー! ブルペン付き合えー!」

 「えー、俺、最近調子悪いからバッティングの練習したいんだけど」

 むむむ。
 そう言われると無理にはお願い出来ないな。
 秀徳戦では四球一つだったし、本人も思う所があるんだろう。

 「父さんに相談したら? 最近こっち来てないから、不調の原因が分かるかもよ?」

 父さんは、最近経営の方で忙しい。
 新しく手を出そうとしてる事があるらしい。

 「そうしようかな。勝弥さんのアドバイスは的確だし、何か現状を打破出来る事があればいいんだけど」

 うむ。
 俺にはバッティングの事は分からんからな。

 「じゃあブルペン行こうか。今日もアレ投げるの?」

 「投げる! 手首に負担がかかるから数は投げれないけどな! 試合で投げれる程度には仕上げたい」

 「現状の変化球だけでも、充分プロレベルだと思うけどね」

 馬鹿野郎。
 プロレベルで満足出来る訳ないだろ。
 俺は世界最高のピッチャーになるんだ。
 背番号15は三波豹馬。
 これ、万国共通にしたいね。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜

遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった! 木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。 「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」 そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

処理中です...