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第4章 秋の戦い
第98話 祝勝会
しおりを挟む「豹馬!」
「ん? なんだ、霊山か」
試合後の挨拶が終わり、スタンドへ応援してくれた人達にも挨拶に行こうとしたら、すっかりした顔の霊山が声をかけてきた。
「完敗やわ~。結局レオン君にも打たれてしもたし、新しく警戒せなあかん奴も出てきおって」
「あ? ああ、大浦か」
「せやせや。なんやのん、あいつ。あんな隠し玉聞いてないで?」
「突然変異種だ。うちの打線と勝負しないといけない他の投手は気の毒でしかない」
「ずっこいわ~。せっかく豹馬と投げ合いやったのに、気にしてる余裕もなかったわ。まぁ、レオン君に全打席打たれた前よりは抑えれたからええけどさ」
「レオン、今スランプっぽいぞ? 前の試合からなんかおかしいらしい」
「は? そうなん? 僕、タイムリー打たれてるんやけど?」
「ご愁傷様。お前がレオンを完璧に打ち取るのはまだまだ早いって事だな。ま、今回は俺の勝ちって事で」
「今回だけわな! この冬でパワーアップしてリベンジしたるわ! 甲子園で負けるんやないで!」
フシャーって威嚇して、負け惜しみを言いながら霊山は去って行った。
まぁ、これで世代No.1投手の称号は俺のもんだな!
甲子園で高校No.1の称号に変えて待っていてやろう。
ふはははは!
「長ったらしい話するんもあれやし、さっさと始めるでー。甲子園出場おめでとう! 不祥事だけは起こすなよ! はい、かんぱ~い!」
「「「うぇーい!!」」」
「「「かんぱーい!!」」」
学校に戻って来ると、理事長から祝勝会用の飲み物や食べ物が用意されていて、部室で祝勝会を挙げる。
「豹馬、ナイスピッチング」
「うへへへ! ありがとうございます」
紙コップ片手にキャプテンの三井先輩がやって来る。
目元が赤いのは泣いたからだろうか。
「キャプテンも甲子園デビューですね」
「後輩に連れて行ってもらって情けない限りだけどな」
「わはははは! 甲子園では期待してますよ!」
キャプテンはこの前ようやくギプスが取れて、少しずつリハビリを開始している。
衰えた筋肉を戻すのはしんどいからなー。
この冬は地獄をみてもらおう。
「いえーい! 楽しんでるー?」
「テンション高いな」
キャプテンとのお話もほどほどに、普段はあんまり話さない先輩方とも交流を深めて、ふらふらしていたら酔っ払った様なテンションのウルが飛びかかってきた。
「レオンのとこ行こうよ! あいつ、タイムリー打ったのに今日の試合の結果には納得してないみたいだからさ」
今日の影のMVP様に誘われたら行くしかありませんな。
先制点の口火を切ったセーフティバントに、あわや同点になりそうだった打球のファインプレー。
個人的には、あそこで同点にならなかったのが大きいと思ってます。
「レオーン! 楽しんでますかー?」
「それなりにな」
「テンション低いようにみえるけどー?」
「今日のバッティングがな…」
まだ短い野球人生だけど、ここまで調子を崩した事がないから気にしてるらしい。
タイムリー打ってるくせに、なんて嫌味な奴だ。
これが、天才にしか分からない悩みって事ですか。
「俺の疲労が抜けたら、好きなだけ練習付き合ってやんよー! 神宮は金子メインでお願いする予定だし」
「ああ。頼む」
こう、真っ直ぐな目でお願いされると断れないじゃんね。
普段は不遜な態度取ってくるくせにさ。
祝勝会も終わりに近付いてきたころ、とうとう俺のアドレナリンが切れてきた。
「ふぁー。ねむっ。なんか一気に疲れが押し寄せてきたな。流石の俺も今日は張り切りすぎたか」
高校入って初の連投だったし、仕方ないか。
そろそろお開きにしてもらって、家に帰って体のケアをしなければ。
家族にもお礼を言わないとなぁ。
献身的なサポートがあったからこそ、ここまで伸び伸びと野球が出来てる訳だし。
これを当たり前と思っちゃいけないよね。
感謝の気持ちを忘れずに、甲子園に殴り込んで、龍宮旋風を巻き起こそう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これにて、第四章は終了です。
正直、今回も龍宮高校の負けにしようか悩んでたんですが、書いてるうちに気付いたら勝ってました。笑
まぁ、主人公はちょっぴりチート貰ってる様なもんですからね。
これぐらいやってもらわないと!
この後は、掲示板と閑話をいくつか挟み、登場人物紹介も更新しようかなと思っています。
作者は他にも作品を更新してますので、良ければそちらもご覧下さい。
ではではまた次章で~
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