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第6章 春到来
第126話 初勝利
しおりを挟む「ふぎぎぎぎぎ」
「ほら、見苦しいから行くよ」
甲子園で快勝した後のインタビュー。
監督と二本のホームランを打ったレオンが呼ばれて行ったのを嫉妬100%の目で見送る。
「やはり直訴してでも初戦の先発で行かせてもらうべきだったか。俺が投げてたら今頃もっときゃーきゃー言われてた筈なのに」
「渚ちゃんと良い感じなんでしょ? あんな可愛い子が居るんだから満足しなよ」
それはそれ。これはこれ。
連絡先を交換したいとか、仲良くなりたいとか、そういうのじゃないんだ。
ただ注目されて人気者になりたい。
きゃーきゃー言われて良い気持ちになりたいだけなんだ。
それだけで俺のパフォーマンスは5割増しよ。
その後、宿舎に戻りミーティング。
次の対戦相手は明日まで、分からんから本当に軽くだけど。
「今日はお疲れさん。野次が凄かったけど、そこまで緊張もせずによくやったと思うわ。今日投げた三井と金子はケアすんの忘れんようにな。打者陣も今日は体を休めとけ」
甲子園来てから練習量少ないしなぁ。
体は元気なのに、練習する場所があんまり無いのが難点だね。
「一応、期間中は近くの練習場を借りてるけど、それも時間制限があるからな」
「うーん。練習が出来ないってなると、したくなるこの気持ちはなんだろうね。で、実際練習してみたらなんか違うなぁってなるんだけど」
人間ってなんてわがままなんでしょう。
「始まったぞ!!」
その日の夜。
チームメイトのみんなで、TVの前にもかぶりつき、甲子園特集番組を見る。
正直いつも寝てる時間だし、俺はどうせ出てないしであんまり興味はないんだけど。
レオンがチヤホヤされるのを、嫉妬するぐらいか。……なんだ、いつも通りか。
目をしょぼしょぼとさせながらも、今日の試合のハイライトを見る。
「レオンの紹介のされ方よ。木製バットを使ってるのも、画面映えするんだろうな」
まだ一試合しかしてないのに、既に高校No.1打者みたいな感じで紹介されてる。
確かに、レオンはバケモノだけど、探せば絶対にレオン並みの選手は居ると思う。
そういう選手がプロの上澄みなんだろうし。
「個人的には白馬君とか嫌だしなぁ。あのどこに投げても打たれる感覚。バットコントロールはレオンより上だと思うし」
大浦と清水先輩のホームランもしっかり放送されてるし、キャプテンも好投手としてフォーカスされてるな。すっごい羨ましい。
「俺はホームランを打たれた所しか映ってないや」
「僕とタイガは一応猛打賞なんだけどな。レオンメインで一瞬しか映らなかったや」
金子、ウル、タイガが不貞腐れてるな。
映っただけ良いじゃん。俺は出番無かったしさ。
まぁ、次の試合の先発を任されたから、次は俺メインにしてみせるけど。
そんな事を思ってたら、俺の耳に手を当てて聞こえませんポーズが映っていた。
「良かったね。別の意味で有名人じゃん」
「うげー。なんか悪役認定されてない? こういうのは辞めましょうだってさ」
辞めませーん。じゃあ野次馬を黙らせて下さーい。なんで言われっぱなしでいなきゃいけないんだよ。俺達はまだ高校生だぞ?
逆にこういうのから守る姿勢を見せて欲しいよね。やっぱりウケが悪いのが良くないのかね。
「まぁ、ちょっとピキりはしたけど、どうでも良いな。辞めないし、実力で黙らせる」
これが一番よ。掌が捩じ切れるぐらいグリングリンに返せばいいさ。
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