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第6章 春到来
第148話 決戦前夜
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「明日先発誰でくるやろなぁ」
「エースちゃうんか? 三波は準決で投げとったやろ?」
桐生が宿泊してる宿の一室にて。
選手と監督が集まりミーティングをしていた。
決勝の相手は龍宮高校。神宮大会では勝った相手とはいえ、ここまでの快進撃をみると油断出来ない。
「金子ってピッチャーもおったやろ? あいつはどないなんや?」
「やたらカーブを投げ分けてくる奴やな。神宮で当たったやろ。ビデオ見る限りあれから更にキレが増してるように見えるで」
監督の北西は選手達の会話に口を挟まず、明日の試合展望を考える。
(もし三井か三波が出てきたら一点勝負になるかもしれんなぁ。かと言ってうちの投手陣があの打線を抑えられるかというと…)
思わずため息を吐きそうになり、すんでの所で止める。流石に選手達の前ではまずい。
球数を投げさせようにも、龍宮には良い投手が更に控えている。こちらのエースと控えピッチャーも充分全国クラスなのだが、三井とは互角にやり合えても三波と投げ合って勝てる自信はない。
(たまらんなぁ。ほんま、三波だけでも欲しかったわー。あんなんズルやろ。まだ2年なってないのに150キロは速度違反やで。切符切られてまえや)
「三井か三波。どっちが出て来ても狙い球絞ってブレずに愚直に待ち続けるしかないやろ。変に配球読んでも、両方球種が多いからな。狙いを外されるのが目に見えてるわ」
「各々得意な球種を狙う感じやなぁ」
「3点や。3点取ったら、後はうちのエースが抑えてくれるで! な!」
「当たり前や! しっかり3点以内に抑えたるわ!」
「3点取られたらあかんやろ!」
「あはははは!」
「いやでもしょーみな話、あの打線を3点以内に抑えれたら御の字やで。浅見は勿論やけど、4番の大浦もやばいわ。1.2番も5.6番もやばいし、打線が化け物すぎるで」
「龍宮だけでホームラン何本打ってんねんって話やで、ほんまに」
「それでもうちのエースは?」
「抑えたるがな!!」
北西監督は選手達の様子を見て安堵する。
どうやら気負いやらそういうのはないらしい。
明日もいつも通りリラックスした状態で挑めそうだ。
(なんとか勝たせたりたいなー。新設校やのに戦力揃いすぎやでまったく)
選手達の話し合いが一段落した所を見計らって、監督はみんなに声をかける。
「明日は一点一点が大事になってくるで。焦らずいつも通りやった方が勝つと思えよ。お前らは高校野球最強とまで言われた大阪桐生なんや。新設校に負けてられんぞ。明日は絶対勝つで!」
「「「はい!!」」」
話を纏めて檄を飛ばし、監督は退出する。
明日は采配も重要になってくるだろう。
(もう一回試合映像を見返して、少しでも癖がないか情報部と話し合おか。センバツやからって気ぃ抜いてられんわ。夏も決勝で負けとるしな。そろそろ優勝しやんと。後援会の連中もうるさくてかなわん)
そして、北西監督は自室に随行している情報収集担当の人間を呼び、ビール片手に夜遅くまで対策練っていった。
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