GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第二章・それぞれの成長 ―

第43話 一難去って・・・・。

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首の右後ろから左前へと、刀で貫かれた神が、

「ぐッうぅッ。」

と痛みで顔を歪める。

「猛毒だ、諦めろ。」

と、影が告げたタイミングで、神の全身が青白くなっていった。

これは、アサシンの【武器伝導】である。

影の場合は、通常の毒がスキルアップして“猛毒”になっているらしい。

「がはッ!!」

と血を吐いた神が脱力していき、影が刀を抜いたら、うつ伏せで倒れた。

神は、

「はひゅーッ、はひゅーッ。」

と呼吸しながら痙攣している。

しかし、数秒後には動かなくなったので、絶命したようだ。

結界を解いた金時きんときが、信義のぶよしに駆け寄り、フーリィが後に続く。

金時とフーリィが、

「久しぶりだね!」

「元気そうで何よりだ。」

と、声を掛け、信義が、

「ああ、お前たちも。」

と返した。

彼らが何かしら語り合っている際に、影が清虎きよとらに近づいて、

「あの神は末っ子でして…、ここの南方領主である母に最も溺愛されていたようです。」

と、述べる。

それを聞いた侍王が、

「ふむ。」
「ならば、激怒して、突撃してくるやもしれんのぉ。」
「先程、敵のサーヴァントであろうハーピーが3体ぐらい報告しに行ったようじゃから…。」

と右手で白髪交じりの顎髭を撫でて、

しからば…。」
「皆の者、警戒を強めよ!」

と、下知した。


ちなみに、以前、ヒーゴンとの国境付近で戦った三柱は、南方領主の弟たちである。


戦場のあちらこちらで攻防が繰り広げられていた。

そんな喧騒のなか、紫蓮しれんらが、総帥を中心に隊列を組み直す。

眼前の敵は、自分たちの司令官であった神を負かされたことに恐れをなし、遠巻きで様子を窺っている。

そこへ。

相手の軍勢の最後尾から、一柱の神が飛来してくるのが確認できた。

身長は3Mといったところであろう。

背中から一対の大きめな翼を生やしている。

腰あたりまでの長さがある金髪は全体的にウエーブしており、瞳は青い。

見た目は40歳前後だが、300~400年は生きていそうだ。

装着しているアーマーと、額のサークレットは、どちらも銀色である。

互いの距離が4Mくらいになった所で、

「我が子を死に至らしめたのは、己等おのれらかぁーッ!!」
「虫ケラどもめ、決して許さぬぞッ!!」

と怒りを顕わにし、右手から直径1.5Mの光線ビームを放った。

金時が再び結界を展開するよりも早く、

「なんのッ!」

と、清虎が左のてのひらから、ビームと同等の“火炎”を発す。

ドォ――ンッ!!

とブツカリ合ったそれらが消えゆくなかで、右手で抜刀した侍王が【武器伝導】を用いる。

ボッ、ボボッ、ボォウッ!

と、炎を纏った刀を、総帥が勢いよく前方に突き出したところ、直径2Mの“火の渦”が、一直線に、

ゴオオオオッ!!

女型めがたの神めがけて、向かっていった―。
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