138 / 267
― 第四章・西陸行路 ―
第138話 不慮
しおりを挟む
紫蓮らは、城の北西に出た。
彼らが入ってきた南側は建物としての原型を留めていたものの、反対(北)は完全に崩れている。
レンガ類が散乱しているここで、討伐隊の300数程と、150体ぐらいの魔物が、激突していた。
位置的には、紫蓮達の右斜め前(北東)である。
モンスターの多くは、やはり、アルラウネ(上半身が女性+下半身が花)/人面樹/食人花/マタンゴ(キノコ)/マイドニコ(キノコ)/キラービー(1M大の蜂)/ジャイアントアント(1M大の蟻)/マンティス(1.5M大のカマキリ)/ソルジャービートル(1.5M大のカブトムシ)/ジャイアントスタッグビートル(1.5M大のクワガタムシ)といった、植物系と昆虫系だ。
それらとは別に、スライム・ゴブリン・ワーシープ(二足歩行の羊)・ノエル・(二足歩行のハイエナ)・ラミア(上半身が女性+下半身が蛇)・ヘルハウンド(犬)・ハーピー(鳥人間)などが、見受けられる。
更には、二頭の[成れの果て]が存在していた。
紫蓮たちから見て、奥の方で直立しているのは、背丈が4M前後の“トロール”のようだ。
手前の宙に浮いているのは、身長185㎝くらいの“ガーゴイル”ではなかろうかと思われる。
討伐隊と魔物とが乱闘になっているなか、誰かしらが“スキル”を発動した。
どうやら、30代前半といったところの女性戦士らしい。
彼女の左手から、15㎝大の[氷の礫]が、50個ほど、一直線に飛んでいく。
この正面に居た10匹の魔物のうち半数にヒットするも、残りは確実に躱していた。
それによって、20発ぐらいの礫が通過していき、最後尾に佇んでいる“元トロール(成れの果て)”の太ももに当たってしまったのである。
「ガアァ――ッ!!」
咆えたトロールが、直径4Mの魔法陣を構築した。
リーダーであろう40代後半の男性兵士が後ろを振り向き、
「全員、回避せよッ!」
討伐隊に告げる。
各自、左右へと散っていくなか、
ドォオウッ!!
魔法陣と同じ大きさで、紫色の【光線】が発射された。
その結果、逃げ遅れた討伐隊の20名ほどが“消し炭”となり、近くに居た15体くらいのモンスター達が巻き添えになったようだ。
敵味方問わず犠牲を生じさせたビームが、
ズドォンッ!
城の一部に直撃し、破壊した。
「あれが、成れの果て…。」
〝ゴクリ〟と唾を呑み込んだのは、ロンド―である。
彼以外の[PEACE MAKER’S]も目を丸くしたみたいだ。
紫蓮が、
「“成れの果て”は取り敢えず無視だ。」
「まずは、他の魔物を殲滅するぞ。」
先陣を切って歩き出し、仲間が続いていった。
現場では、再び、バトルが繰り広げられている。
空に居る“ハーピー”の一体が[風撃]を扱うべく、翼を反らす。
これを狙って、初老の男性弓術士が矢を射るも、咄嗟に上へと逃げられてしまい、真後ろで静止していた“元ガーゴイル”の右肩に刺さってしまったのだ。
「グガッ!!」
呻いた[成れの果て]が直径4Mの魔法陣を展開し、幅4㎝×長さ40㎝の[紫色の光線]を、100発、放っていく。
「!」
その近くまで来ていた紫蓮らが、スキルや魔法を使って、ビームを防ぐ。
「今、“結界”を!!」
鈴音が周囲に声を掛けるなか、1発の光線が流れ弾となり、
ブシュッ!
金髪少年騎士の、心臓部を、貫いた―。
彼らが入ってきた南側は建物としての原型を留めていたものの、反対(北)は完全に崩れている。
レンガ類が散乱しているここで、討伐隊の300数程と、150体ぐらいの魔物が、激突していた。
位置的には、紫蓮達の右斜め前(北東)である。
モンスターの多くは、やはり、アルラウネ(上半身が女性+下半身が花)/人面樹/食人花/マタンゴ(キノコ)/マイドニコ(キノコ)/キラービー(1M大の蜂)/ジャイアントアント(1M大の蟻)/マンティス(1.5M大のカマキリ)/ソルジャービートル(1.5M大のカブトムシ)/ジャイアントスタッグビートル(1.5M大のクワガタムシ)といった、植物系と昆虫系だ。
それらとは別に、スライム・ゴブリン・ワーシープ(二足歩行の羊)・ノエル・(二足歩行のハイエナ)・ラミア(上半身が女性+下半身が蛇)・ヘルハウンド(犬)・ハーピー(鳥人間)などが、見受けられる。
更には、二頭の[成れの果て]が存在していた。
紫蓮たちから見て、奥の方で直立しているのは、背丈が4M前後の“トロール”のようだ。
手前の宙に浮いているのは、身長185㎝くらいの“ガーゴイル”ではなかろうかと思われる。
討伐隊と魔物とが乱闘になっているなか、誰かしらが“スキル”を発動した。
どうやら、30代前半といったところの女性戦士らしい。
彼女の左手から、15㎝大の[氷の礫]が、50個ほど、一直線に飛んでいく。
この正面に居た10匹の魔物のうち半数にヒットするも、残りは確実に躱していた。
それによって、20発ぐらいの礫が通過していき、最後尾に佇んでいる“元トロール(成れの果て)”の太ももに当たってしまったのである。
「ガアァ――ッ!!」
咆えたトロールが、直径4Mの魔法陣を構築した。
リーダーであろう40代後半の男性兵士が後ろを振り向き、
「全員、回避せよッ!」
討伐隊に告げる。
各自、左右へと散っていくなか、
ドォオウッ!!
魔法陣と同じ大きさで、紫色の【光線】が発射された。
その結果、逃げ遅れた討伐隊の20名ほどが“消し炭”となり、近くに居た15体くらいのモンスター達が巻き添えになったようだ。
敵味方問わず犠牲を生じさせたビームが、
ズドォンッ!
城の一部に直撃し、破壊した。
「あれが、成れの果て…。」
〝ゴクリ〟と唾を呑み込んだのは、ロンド―である。
彼以外の[PEACE MAKER’S]も目を丸くしたみたいだ。
紫蓮が、
「“成れの果て”は取り敢えず無視だ。」
「まずは、他の魔物を殲滅するぞ。」
先陣を切って歩き出し、仲間が続いていった。
現場では、再び、バトルが繰り広げられている。
空に居る“ハーピー”の一体が[風撃]を扱うべく、翼を反らす。
これを狙って、初老の男性弓術士が矢を射るも、咄嗟に上へと逃げられてしまい、真後ろで静止していた“元ガーゴイル”の右肩に刺さってしまったのだ。
「グガッ!!」
呻いた[成れの果て]が直径4Mの魔法陣を展開し、幅4㎝×長さ40㎝の[紫色の光線]を、100発、放っていく。
「!」
その近くまで来ていた紫蓮らが、スキルや魔法を使って、ビームを防ぐ。
「今、“結界”を!!」
鈴音が周囲に声を掛けるなか、1発の光線が流れ弾となり、
ブシュッ!
金髪少年騎士の、心臓部を、貫いた―。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
27
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる