GOD SLAYER’S

猫乃麗雅

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― 第四章・西陸行路 ―

第170話 逆撃・其之陸

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ドォウッ!!

と、【ビーム光線】が放たれた。

が。

それ・・は、神によるものではない。

雪と土の埃を掻き分けて、一直線に伸びるのは、[ライオン型ロボット]が発射した“光線”である。

「!」

慌てた敵が左に躱そうとするも完全には回避できず、右の翼を〝ズバァオッ!!〟と貫かれた。

「ぬおッ!」

翼に直径50㎝の穴が生じて、バランスを崩した男神おがみが、落下する。

左の膝と手を殆ど同時に〝ドンッ!!〟と地に着けた敵を、タリアノたちが包囲していく。

「忌々しい奴らめ!」

目に怒りを込めて吐き捨てた神が、[大剣ラージソード]を杖代わりにして〝スクッ〟と立ち上がり、

「かくなるうえは、アヤツだけでも道ずれにしてくれようぞ。」

左のてのひらで、直径3Mの魔法陣を再び展開しだした。

敵が狙うは、タリアノである。

確かに、この男神が推測したとおり、タリアノは今や[ゴッド・スレイヤーズ]の“頭脳”となっていた。

言い方を変えれば[軍師]である。

そんな彼を葬り去っておくのは賢明な選択だろう。

「“死出の旅”へと赴くがよい。」

こう告げて、[ビーム]を発動しようとした神の背後から、何かが飛んできた。

左の翼を貫通して、肩に当たったにより、直径1Mぐらいの範囲が〝ボオォンッ!!〟と爆発する。

「がぁッ!」

ランソワによる攻撃で、その部分の翼と鎧が破損した敵が、流血するのと共に、前方にフラつく。

既に4分30秒が経過しており、クール(リキャスト)タイムを終えているため、

「皆さん、とどめを!!」

タリアノが指示を出した。

彼の声に反応した面子が、スキルや魔法に光線を放つ。

一斉射撃を浴びせ掛けられ、

「ぐああああ――ッ!!!!」

痛みに叫んだ男神が、うつぶせで〝ズドォン!〟と倒れる。

ちなみに、スリアの武器・トライク・ロボット・機械馬きかいうまにも、リキャストタイムがあるみたいだ。

スリアの[ライフル銃剣]は10発、これ以外は5発が限界で、どれも使い切ると4分のクールタイムに突入する。

なんでも、〝原動力となっている魔鉱石がヒートアップするので温度が下がるのを待つ必要がある〟との事であった。

とかく。

タリアノ達と戦っていた神が、息を引き取ったようだ…。


[GOD SLAYER’S]が改めて陣形を整え直していく。

残っていた二体の[成れの果て]は、ミーノン軍によって絶命したみたいだ。

他にも、敵の“左翼隊”と“右翼隊”に一柱ひとはしらずつ居た別の神々も、これらの指揮官クラスたちが倒していた。

現時点において、ミーノン側は100万ほどが、[西陸《さいりく》第八神国しんこく]は250万ぐらいが、それぞれに死滅しているようだ。

なお、“神々”や“成れの果て”を討たれた事によって多数に動揺が走り、敵陣が崩れ始めている。

この機を見て、

「全軍に突撃の合図をせよ!!」

そう号令する[武術マスター]だった―。
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