Arousal of NPC‘s

猫乃麗雅

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Chapter 1/最初の国

№55 来襲②

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[Teamチーム Sエス]は“北の大通り”を歩いてゆく…。

およそ一分後に、大きな虫型モンスター達と戦っている“10人組”が視界に入った。
なお、1M級~3M級といった魔物らは、“蟷螂カマキリアリサソリ蜘蛛クモハチ”といった面子で、四体ずついるようだ。
バトル中のパーティーは人間と獣人の混合で、全員が“鉄製の武器と防具”を装備している。
そうしたなかで、こちらに気づいたらしい半分ぐらいのモンスターが、一斉に向かって来た。
「応戦するぞ!!」
シリウスの判断によって、[Team S]が構えだす。
それらと共に、60代前半で“黒色お団子ヘア・黒い瞳・白肌”のサキが、
「ダクドニア!」
「リン!」
「ラウス!」
立て続けにサーヴァントたちを召喚する。
このタイミングで、二匹の蜘蛛が放った【網目状の糸】に、20代前半で“茶髪ショート・茶色の瞳・白肌”のサーガと、サイザーが、それぞれ絡まり、身動きが取れなくなった。
2人が振りほどこうともがくなか、シューラと、30代半ばで“銀髪ショート・緑の瞳・黒肌”のシエルが、蜘蛛らに向かう。
前線へと駆けあがってくる味方の“ダークドッグ.Jr”と“ゴブリン”は、二頭の蟷螂を目指す。
そこへ、カマキリ達が同時に“鎌の腕”を縦に振るい、最大幅15㎝×長さ60㎝の【風】を弓なりに飛ばした。
“ダクドニア”と“リン”は、各自、左右にかわす。
仲間を通過した【三日月状の風】を、シリウスが大楯を横向きにして、くい止める。
こうしている間に5秒が過ぎ、サーガとサイザーを捉えていた糸が消えた。
彼らが自由になるなか、“黒髪ロング・黒い瞳・黄色肌”で50代前半のソウヤが、七連続で石を隆起させて、虫どもの下半身を拘束していく。
ただし、宙に浮いている魔物らには、届かない。
地上では、【毒】のスキルを用いたシエルが“ダガー短剣”で、蜘蛛の左前脚を斬り付ける。
もう一体は、シューラが“中剣”であごあたりを突いた。
ダクドニアは口から【火の玉】を発射し、リンは“木剣”を払い、カマキリたちにダメージを与える。
そこへ、空中にいる二頭の蛾が、羽を〝バタバタ〟と動かし、“黄色の粉”を撒き散らす。
これによって【混乱】に陥ったらしい“シューラ/サーガ/サイザー/ダクドニア/リン”が、同士討ちを始めてしまう。
難を脱がれていたソリュウが、後ろを振り返って、
「セイラン!!」
20代前半で“茶髪ゆるふわセミロング・黒い瞳・白肌”の[白魔術士]に声をかけた。
すぐに理解した彼女は、次々と【インタフィア障害リリース解除】を施してゆく。
一方で、[陰陽師]による【石】の効果が消える。
そんなソウヤと、サキに、セイランが、“MP回復ポーション”を摂取するなか、発砲音が聞こえた。
“銀髪ロング・緑の瞳・黒肌”で40代前半のスイによるものであり、これが胸元にヒットした一匹の蛾が【スロー】となる。
彼女の近くで、50代前半の“金髪ロング・青い瞳・白肌”といったサザミンが、一本の矢をった。
額に当たって【混乱】が付加された蜂が、ほぼ真下にいる蟻の背中を、針で刺す。
それによって、【麻痺】してしまう蟻であった。
この最中さなかに、“黒髪ショート・黒い瞳・白肌”で10代前半のソソが、直径15㎝の【エクスプロージョンボール】を放つ。
それ・・が、一体の蠍の顔に直撃するなり、爆ぜる。
こうして、深まっていく戦闘だった……。

数分が経ち、シューラ達は、魔物を殲滅している。
例の“10人組”もバトルを終えたみたいだ。
先頭で戦っていた[騎士]が、ツーハンデッドソードを鞘に収め、兜を脱ぐ。
身長は165㎝くらいだろう。
瞳は青く、肌が白い。
金色の髪はセミロングで、綺麗なルックスだが、男性である。
年齢は、20代後半のようだ。
軽く〝ふぅ〟と息を吐いた彼の頭上に、[ダイヤマーク]が現れた。
「なんだ? NPCだったのか。」
いささか〝キョトン〟としたのは、[武闘家]のサイザーである。
「話しかけてみて、いいよな??」
そのように尋ねた[シールダー]のシリウスに、誰もが頷く。
これによって、
「アンタらは?」
[金髪の騎士]に質問する“リーダー”であった―。
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