異世界コンビニ

榎木ユウ

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3巻オマケ

ボウちゃんの心 その1

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「……」
「っ……! ……!」

『…………』

 ボウは、元は防犯カメラであり、現在も防犯カメラの役割を担う。
 だから店内の様子を見張ることは勿論だが、彼の役割は無論それだけではない。

『そこまでにしておきな、筋肉』
 事務室に入り込み、背後から筋肉達磨の頸動脈にしっかりと、
刀のように研ぎ澄まされた触手の一本を当てる。

 恐る恐るサムズアップする彼の下で、顔を真っ赤にしてポヤンとしているのは、
ボウの最愛の人、ソラ様である。
 本人は気が付いていないが、エプロンの下のシャツの腹の辺りが捲れている。
 筋肉達磨は三十路を過ぎてはいるが、事務所で何をする気だったのかと、
ボウは触手でありながら怒りを禁じ得ない。

(キスまでは許すが、それ以上はコロス――!)

「な、なに? ゾクッときたぁぁぁぁ!」
 青ざめる筋肉達磨をしっかりとレンズで確認しながら、
今後もソラ様の純潔は自分が守ると心に誓うボウであった――


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