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【17.5話】 こちょ作戦
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リリアは“ルーダの風”に戻ると数日、部屋に閉じこもってひたすら寝続けた。
気だるい湿気た空気のなかで目が覚めたリリアはベッドの上で身動ぎ一つせず、さっきまで見ていた悪夢を思い返していた。
父と母を失った夜以来時々見るようになったリリアが一番嫌いな悪夢。
“冒険者なんて、あたしには向いてなかったのかなぁ…”力なく呟く。
盗賊とは言え、人を殺めたのは初めてだった。しかし、これに関しては村のシェリフ・リーダーになる時に、いつか通る道だと覚悟していた。
それよりも大きくリリアにのしかかるのはキャラバン、護衛の中で自分だけ生き残った事実とロイ少年の事。まるで皆を見捨てて逃げ出したような気分。
人間の死に直面しながら生きることがこんなにも辛い事だとは…
リリアが小さい頃に味わった村人の死と、自ら戦場に立って仲間の死を味わうのとこんなにも違うのだろうか…
“………”リリアは部屋のドアの外の気配に気がついた。3つの気配、コトロ、ニャンとピョンだろう。部屋の中を伺っているようだ。
「お願い、しばらく放っておいて!」声は大きいが力の入っていないリリアの声。
少しの沈黙の後…
「リリア!」
「リリたん!」
扉が「バアァン!」と開いて、コトロ、ニャン、ピョンが雪崩れ込んで来た。
「放っておいて!ほっといて!」リリアは怒るが三人とも
「だめニャン、リリたん、何か食べないと元気出ないニャン」
「抵抗しても無駄ピョン、連行ピョン」
「リリア、寝すぎるとベッドに根っこ生えちゃいますよ」と口々にリリア布団ごとグルグル巻きにして担ぎ始めた。
「リリたん、重いピョン」
「お客さんにも手伝ってもらうニャン」
何人かで布団にくるまれたまま1階のカウンターまで運ばれた。
「やめて!や・め・ろ!」リリアは怒る。
「大声が出てきたピョン」
「よし、皆さん作戦通りいきますよ」コトロが言うと、お客と皆でリリアをカウンターの上に大の字に押さえつけた。リリアは必死に抵抗する。
「じゃ、こちょこちょの刑ニャン、大笑いすると元気出るニャン」そういうとリリアの全身をネーコがこちょこちょしだした。
「やめて!放して!は・な・せ!… いや… やめ… うふ、うふふふふふ」
ネーコの猫の手こちょこちょはなかなかのものだ。リリアも笑いだす。
「やめて! わっはっはっはっはっは やめ! やめ! わっはっはっはっは」
「こっちは足の裏ピョン。こちょこちょこちょ…」
「にゃぁ、やめ!やめて! ぅわっはっはっは、だっはっはっはっは」
「気絶するまで大笑いの刑ですよ、リリア」コトロが言う。
「だぁはっはっはっは~、やめて、おねがい、死ぬ、 わっはっはっはっは」
お客はドサクサに紛れてリリアの巨乳をもみもみする。
「わっはっはっは~ そこ、むね、おっぱ、おっぱ わっはっはっはっは あとで、わっはっは、ぶっとばす」
「ぶっ飛ばすなんて元気ニャン、その調子ニャン」
「ひゃ~、くるしぃ、わっはっは、いきが、 わっはっは、むね、わっはは、ぶっとばす」
「リリア、約束ですよ、今ご飯を食べるって約束するなら止めますよ」
「わは、かったから、ごはん、 たべ、食べる食べる」
「なら解放ピョン、約束したからご飯食べて、お酒飲むピョン」
リリアはこうしてこちょ地獄から解放された。リリアは笑い過ぎて放心状態だ。
お客はまだまだリリアの胸をもみもみしていた。
「ふぅ…」一息ついたリリア。鶏の煮込み料理と発泡酒でお腹を満たす。ちょっと食べ始めたら、空腹に火がついたようになり、物凄い量を食べた。今見たら、自分でも驚くべき量だ。本当にこれ全部体におさまったのだろうか?実はどこか胃袋でも破れていてその辺にこぼれていないだろうか?
コトロはお客相手にバーの隅で演奏を始めていた。
「リリたん、良かったニャン、顔色だいぶ良くなったニャン」
「大笑いして、いっぱい食べたら元気出るピョン」
気づけばカサカサした唇も治り、リリアも元気が出た気がする。
「一人で悩んじゃダメぴょん」
「相談出来なくても、一人でふさぎ込んじゃだめニャン」
確かに、慣れないけど超えないといけない壁だ。寝込んでいても何もならない。切り替えていこう、傭兵の件もある。
「皆ありがとう。元気になった」笑顔を見せるリリア。
「お腹痛くなってきた」しばらくコトロの演奏を聴いていたリリアは立ち上がった。
「いきなりあれだけ食べたらお腹もびっくりニャン」ネーコが笑う。
ちょうどリリアがトイレに立った時、コトロの演奏が終わり、お客からまばらな拍手が出た。
気だるい湿気た空気のなかで目が覚めたリリアはベッドの上で身動ぎ一つせず、さっきまで見ていた悪夢を思い返していた。
父と母を失った夜以来時々見るようになったリリアが一番嫌いな悪夢。
“冒険者なんて、あたしには向いてなかったのかなぁ…”力なく呟く。
盗賊とは言え、人を殺めたのは初めてだった。しかし、これに関しては村のシェリフ・リーダーになる時に、いつか通る道だと覚悟していた。
それよりも大きくリリアにのしかかるのはキャラバン、護衛の中で自分だけ生き残った事実とロイ少年の事。まるで皆を見捨てて逃げ出したような気分。
人間の死に直面しながら生きることがこんなにも辛い事だとは…
リリアが小さい頃に味わった村人の死と、自ら戦場に立って仲間の死を味わうのとこんなにも違うのだろうか…
“………”リリアは部屋のドアの外の気配に気がついた。3つの気配、コトロ、ニャンとピョンだろう。部屋の中を伺っているようだ。
「お願い、しばらく放っておいて!」声は大きいが力の入っていないリリアの声。
少しの沈黙の後…
「リリア!」
「リリたん!」
扉が「バアァン!」と開いて、コトロ、ニャン、ピョンが雪崩れ込んで来た。
「放っておいて!ほっといて!」リリアは怒るが三人とも
「だめニャン、リリたん、何か食べないと元気出ないニャン」
「抵抗しても無駄ピョン、連行ピョン」
「リリア、寝すぎるとベッドに根っこ生えちゃいますよ」と口々にリリア布団ごとグルグル巻きにして担ぎ始めた。
「リリたん、重いピョン」
「お客さんにも手伝ってもらうニャン」
何人かで布団にくるまれたまま1階のカウンターまで運ばれた。
「やめて!や・め・ろ!」リリアは怒る。
「大声が出てきたピョン」
「よし、皆さん作戦通りいきますよ」コトロが言うと、お客と皆でリリアをカウンターの上に大の字に押さえつけた。リリアは必死に抵抗する。
「じゃ、こちょこちょの刑ニャン、大笑いすると元気出るニャン」そういうとリリアの全身をネーコがこちょこちょしだした。
「やめて!放して!は・な・せ!… いや… やめ… うふ、うふふふふふ」
ネーコの猫の手こちょこちょはなかなかのものだ。リリアも笑いだす。
「やめて! わっはっはっはっはっは やめ! やめ! わっはっはっはっは」
「こっちは足の裏ピョン。こちょこちょこちょ…」
「にゃぁ、やめ!やめて! ぅわっはっはっは、だっはっはっはっは」
「気絶するまで大笑いの刑ですよ、リリア」コトロが言う。
「だぁはっはっはっは~、やめて、おねがい、死ぬ、 わっはっはっはっは」
お客はドサクサに紛れてリリアの巨乳をもみもみする。
「わっはっはっは~ そこ、むね、おっぱ、おっぱ わっはっはっはっは あとで、わっはっは、ぶっとばす」
「ぶっ飛ばすなんて元気ニャン、その調子ニャン」
「ひゃ~、くるしぃ、わっはっは、いきが、 わっはっは、むね、わっはは、ぶっとばす」
「リリア、約束ですよ、今ご飯を食べるって約束するなら止めますよ」
「わは、かったから、ごはん、 たべ、食べる食べる」
「なら解放ピョン、約束したからご飯食べて、お酒飲むピョン」
リリアはこうしてこちょ地獄から解放された。リリアは笑い過ぎて放心状態だ。
お客はまだまだリリアの胸をもみもみしていた。
「ふぅ…」一息ついたリリア。鶏の煮込み料理と発泡酒でお腹を満たす。ちょっと食べ始めたら、空腹に火がついたようになり、物凄い量を食べた。今見たら、自分でも驚くべき量だ。本当にこれ全部体におさまったのだろうか?実はどこか胃袋でも破れていてその辺にこぼれていないだろうか?
コトロはお客相手にバーの隅で演奏を始めていた。
「リリたん、良かったニャン、顔色だいぶ良くなったニャン」
「大笑いして、いっぱい食べたら元気出るピョン」
気づけばカサカサした唇も治り、リリアも元気が出た気がする。
「一人で悩んじゃダメぴょん」
「相談出来なくても、一人でふさぎ込んじゃだめニャン」
確かに、慣れないけど超えないといけない壁だ。寝込んでいても何もならない。切り替えていこう、傭兵の件もある。
「皆ありがとう。元気になった」笑顔を見せるリリア。
「お腹痛くなってきた」しばらくコトロの演奏を聴いていたリリアは立ち上がった。
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