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【65話】 優者の考え
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伐採場から夕方までに戻って来たリリア達。
村長に魔物を倒して、伐採場の建物まで行ったが、ゴブリンがいて、様子見して戻って来た事を報告した。ゴブリンと平和的対話を考えている事は言わず、取り返すまでに数日かかりそうだと報告して退出した。
その後、宿をとって、今日のドロップアイテムをキャンプサイトに停泊している商人に売り払った。二人で二十日間分くらいの生活費になった。
ひと風呂浴びて宿の部屋で一休み。二人共いっとき熟睡する。今日はなかなか大変だった。
日もすっかり暮れた頃リリアが先に目覚めて、オフェリアを夕食に誘う。
が、その前にオフェリア
「夕食の前に話があるの」
「ご飯食べながら話そうよ」リリアが答える。
「どうせ男達とワイワイしながら食べるんでしょ?そうなる前に落ち着いて話したいの」
「… 何よ、真面目な顔して」怪訝そうなリリア。
「私、リリアの事はとっても評価してる、頼りになるし。私が年上だからリーダーになったけど、正直私にはリーダーは向いてない。ギルドでも私がリーダーで書類を出したら、皆に驚かれたり、からかわれたり。無茶もするけどリリアの方が決断力があって、的確だし。それでも私の顔を立てながらやってくれてるし、感謝してる。旅も楽しい。今まで人の後ろに隠れてギルドに居たけど、こんなに外で仕事するのが楽しいって感じたの初めて。一緒にパーティー組んで良かったと思うわ」
「良かったじゃない。あたしもオフェリアと一緒に旅が出来て楽しいよ。とっても過ごしやすい。それに、オフェリアは今のあたしよりリーダー向きよ。指示出すだけが責任者じゃないでしょ。でも… 言いたい事はそんな事じゃないんでしょ?」リリアがオフェリアの顔を見据えながら言う。
「… そうよ。私がリーダーである以上、今回のゴブリンの件、納得いく説明が欲しいの」
オフェリアは言うと、ランプに油を足して椅子に座った。外からはキャンプサイトで食事を楽しむ人々の声が聞こえている。リリアもベッドに座りなおした。
リリアは一通りオフェリアに説明する。
自分の体験談を交え、街中にゴブリンが住んでいること等を踏まえ、建物に住んでいるゴブリン達を説得したら誰も血を流さず、建物を退去してもらう自信があること。
ゴブリンだって家族があって、退治するには忍びない、人間の施設を勝手に使用していることを説明して出てってもらえるはずだとリリアは語った。
オフェリアもそれが出来れば理想的だが、とリリアの考えは理解できた。
「わかったわ。さっきも言ったように正直そんなに上手くいかないと思うけど、リリアに自信があるなら協力する。ただし明日、ちゃんと村長を説得するのが条件。ゴブリン語を話せる人が必要なら一度街に戻って誰か連れてこないといけなくなるし、変に誤魔化しながらは無理。これで私たちと村が対立するようじゃやらない方がましよ」
オフェリアが念を押す様に言う。
「わかったわ。あたしが説得してみせる。誰も死なずに済むなら理解してくれるわよ」リリアは自信があるようだ。
「リリア、いい?村長も、村人もゴブリンに家族がいるとか、ゴブリンが死ぬとか生きるとか、誰も気にもしてないと思うの。村の願いは早く木が売れて、村の収入が入ること。リリアの言う事は人道的に理にかなっているけど建物の使用に時間がかかるようなら、首を縦には振らないわ。ちゃんと説得できなければお終いよ」オフェリアの意見はもっとも。いつもと違う感じにリリアも少し表情が変わる。
「… わかってるよ。ちゃんと説得してみせるよ」少し眉を寄せてリリアは言う。
「話しが終わりなら、食べに行くわよ」リリアは立ち上がって言うが、明らかに話しの前と雰囲気が変わっている。
「ねぇ、勇者だからゴブリンも救いたいの?」オフェリアが聞く。リリアが勇者っぽい行いをするとき、いつも疑念がわく。
「… 勇者なんて関係ないじゃない。人としてそっちが良いと思うのよ」
リリアはぶっきらぼうに答えながら、宿の廊下をジャンジャン歩いていく。
村長に魔物を倒して、伐採場の建物まで行ったが、ゴブリンがいて、様子見して戻って来た事を報告した。ゴブリンと平和的対話を考えている事は言わず、取り返すまでに数日かかりそうだと報告して退出した。
その後、宿をとって、今日のドロップアイテムをキャンプサイトに停泊している商人に売り払った。二人で二十日間分くらいの生活費になった。
ひと風呂浴びて宿の部屋で一休み。二人共いっとき熟睡する。今日はなかなか大変だった。
日もすっかり暮れた頃リリアが先に目覚めて、オフェリアを夕食に誘う。
が、その前にオフェリア
「夕食の前に話があるの」
「ご飯食べながら話そうよ」リリアが答える。
「どうせ男達とワイワイしながら食べるんでしょ?そうなる前に落ち着いて話したいの」
「… 何よ、真面目な顔して」怪訝そうなリリア。
「私、リリアの事はとっても評価してる、頼りになるし。私が年上だからリーダーになったけど、正直私にはリーダーは向いてない。ギルドでも私がリーダーで書類を出したら、皆に驚かれたり、からかわれたり。無茶もするけどリリアの方が決断力があって、的確だし。それでも私の顔を立てながらやってくれてるし、感謝してる。旅も楽しい。今まで人の後ろに隠れてギルドに居たけど、こんなに外で仕事するのが楽しいって感じたの初めて。一緒にパーティー組んで良かったと思うわ」
「良かったじゃない。あたしもオフェリアと一緒に旅が出来て楽しいよ。とっても過ごしやすい。それに、オフェリアは今のあたしよりリーダー向きよ。指示出すだけが責任者じゃないでしょ。でも… 言いたい事はそんな事じゃないんでしょ?」リリアがオフェリアの顔を見据えながら言う。
「… そうよ。私がリーダーである以上、今回のゴブリンの件、納得いく説明が欲しいの」
オフェリアは言うと、ランプに油を足して椅子に座った。外からはキャンプサイトで食事を楽しむ人々の声が聞こえている。リリアもベッドに座りなおした。
リリアは一通りオフェリアに説明する。
自分の体験談を交え、街中にゴブリンが住んでいること等を踏まえ、建物に住んでいるゴブリン達を説得したら誰も血を流さず、建物を退去してもらう自信があること。
ゴブリンだって家族があって、退治するには忍びない、人間の施設を勝手に使用していることを説明して出てってもらえるはずだとリリアは語った。
オフェリアもそれが出来れば理想的だが、とリリアの考えは理解できた。
「わかったわ。さっきも言ったように正直そんなに上手くいかないと思うけど、リリアに自信があるなら協力する。ただし明日、ちゃんと村長を説得するのが条件。ゴブリン語を話せる人が必要なら一度街に戻って誰か連れてこないといけなくなるし、変に誤魔化しながらは無理。これで私たちと村が対立するようじゃやらない方がましよ」
オフェリアが念を押す様に言う。
「わかったわ。あたしが説得してみせる。誰も死なずに済むなら理解してくれるわよ」リリアは自信があるようだ。
「リリア、いい?村長も、村人もゴブリンに家族がいるとか、ゴブリンが死ぬとか生きるとか、誰も気にもしてないと思うの。村の願いは早く木が売れて、村の収入が入ること。リリアの言う事は人道的に理にかなっているけど建物の使用に時間がかかるようなら、首を縦には振らないわ。ちゃんと説得できなければお終いよ」オフェリアの意見はもっとも。いつもと違う感じにリリアも少し表情が変わる。
「… わかってるよ。ちゃんと説得してみせるよ」少し眉を寄せてリリアは言う。
「話しが終わりなら、食べに行くわよ」リリアは立ち上がって言うが、明らかに話しの前と雰囲気が変わっている。
「ねぇ、勇者だからゴブリンも救いたいの?」オフェリアが聞く。リリアが勇者っぽい行いをするとき、いつも疑念がわく。
「… 勇者なんて関係ないじゃない。人としてそっちが良いと思うのよ」
リリアはぶっきらぼうに答えながら、宿の廊下をジャンジャン歩いていく。
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