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【68話】 優者とゴブリンと村人と
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リリアはゴブリン達に打開策を提案して村に戻った。
伐採場の建物周辺を共同で使える打開案。街の港湾、倉庫街、キッチン等でゴブリン達が人間と働いている。まぁ、実際は使われているというのが正しいようだが、とにかく、村が伐採に建物を使い、ゴブリンが手伝う事で建物を使え、仕事にもなり、両方の希望をかなえて双方得もある、って策。
これは「なるほど」オフェリアとオルデロも感心。実現するかどうかは別だが…
ゴブリン達も納得したようだが「そんな事できるのか?人間はそんなに柔軟な考えか?そんなに平和的な生き物か?」と心配もされたが、リリアがとにかく明日までは待ってくれと頼んで村に戻って来た。
翌朝、共同生活案を村に提案したリリア。
「ふざけるな!!」「時間の無駄ばっかりしやがって」「ゴブリンに言いくるめられたか!」「俺達の土地だ、取り返せ!」と大激怒。
リリアの話しなんか聞く耳持たない。
「魔物はいなくなった。建物までは行けるなら、俺達で始末するまで」と、とうとう武器を手に討伐準備を始め出した。
大慌てはリリアだ。「もう一日待って」とゴブリンに伝えてしまった。リリアを信用して待っていたら、村人が武器を手に雪崩れ込んできたとなれば信用問題にかかわる、というより、ゴブリン達に申し訳が無い。
「待って待って!期限まで後一日あるじゃない!せめて今日まで待って!」
必死になって村人を止めるリリアだが、だれもこんな若造の言う事に耳を貸すものはいない。
もう止められない。とにかく、この事態をゴブリンに知らせなければ。リリア達は必死に先回りして建物に向かった。
「ちょっと!皆逃げて!」「村人が武器を持ってくるぞ」「とにかくここを離れて!」
リリア達がゴブリン達の輪に駆け込む。
「今日まで待てって言ったのお前だろ」「人間が襲って来る?明日まで話し合いだろ」「急に言われても、家族もいるし」ゴブリン達も事態が飲み込めずマゴマゴしている。
「そうだけど、違うの。明日までだったけど、今来ちゃうの!逃げて!とにかく逃げて!」必死に説得するリリア。
言っている間に村人、シェリフ達が武器を手に雪崩れ込んできた!
「待ってまって!殺すことないじゃない!せめて逃がせてあげて!」
村人に立ちはだかろうとするリリアをオフェリアとオルデロが引き止める。
「危ない!もう無理だ!おまえが殺されるぞ!」
狂気の叫び声、怒号、阿鼻叫喚、目の前でゴブリン、村人双方に犠牲者が出ていく…
戦闘は四半刻も無かっただろうか。ゴブリン達は子供も含め十名程度の死者を出し潰走していった。村人は犠牲者一名、重軽症者五名。
リリアは「ごめんなさい」と繰り返して地面にへたり込んで泣きじゃくっている。
村人は犠牲者と怪我人を村に帰すと、建物の掃除などを始めた。
「おまえら、メソメソしてないで少しは手伝えよ」と聞こえよがしに皮肉を言う者もいる。
さすがにオフェリアも腹が立った。リリアの理想論とやり方も問題があったが村人も非道な上にかって過ぎる。そもそも、魔物が蔓延っていて村では手出し出来ないからとリリアが掃除して道を作ったのだ。約束の期限までは待ってくれても良いではないか。リリアの共同生活案も悪いイディアでは無かったはずだ。ゴブリン達は真剣にリリアの話を聞いてくれていたのに、肝心な人間が全くリリアの話を聞こうともせず、殺戮の所業に打って出たのだ。相手が、勝てるゴブリンだけとなった途端、武器を持って襲い掛かる、卑怯で臆病はどっちだと言ってやりたい。オルデロもさすがに怒りを禁じえないようだ。
「リリア、さぁ、行くわよ。もう私達のやることはないわよ」
オフェリアが言うが、リリアは立ち上がる気力もないようだ。気の毒で仕方がない。
「… オルデロ、もういいわよ。約束の報酬出すから、解散しましょう」オフェリアが言う。
「… あぁ、俺も仕事キャンセルしてるから報酬は…ね… でも、リリアちゃんが心配だろう。せめて一緒に村まで戻るよ」
「ホイルテッドには戻らない。その方がリリアにも良いでしょ。ここからなら西の村に向かうから」
「おまえら村に荷物あっただろう」
「… いいわよ、必要な物は持ってるし、置いてあるのは買いそろえられる物ばかり。村に戻らない方が良いわ。私も戻りたくないし…」
「… そうか… とにかく道まで出よう。リリアちゃんを何とかしないと」
二人は話し合い、リリアを振り返る。
「……… あれ?リリア?」
リリアがいなくなっている… どこ行った?…
向こうでは村人達が作業中。
「あいつ等何の役にも立たないなぁ」と嫌みを聞かされる。
伐採場の建物周辺を共同で使える打開案。街の港湾、倉庫街、キッチン等でゴブリン達が人間と働いている。まぁ、実際は使われているというのが正しいようだが、とにかく、村が伐採に建物を使い、ゴブリンが手伝う事で建物を使え、仕事にもなり、両方の希望をかなえて双方得もある、って策。
これは「なるほど」オフェリアとオルデロも感心。実現するかどうかは別だが…
ゴブリン達も納得したようだが「そんな事できるのか?人間はそんなに柔軟な考えか?そんなに平和的な生き物か?」と心配もされたが、リリアがとにかく明日までは待ってくれと頼んで村に戻って来た。
翌朝、共同生活案を村に提案したリリア。
「ふざけるな!!」「時間の無駄ばっかりしやがって」「ゴブリンに言いくるめられたか!」「俺達の土地だ、取り返せ!」と大激怒。
リリアの話しなんか聞く耳持たない。
「魔物はいなくなった。建物までは行けるなら、俺達で始末するまで」と、とうとう武器を手に討伐準備を始め出した。
大慌てはリリアだ。「もう一日待って」とゴブリンに伝えてしまった。リリアを信用して待っていたら、村人が武器を手に雪崩れ込んできたとなれば信用問題にかかわる、というより、ゴブリン達に申し訳が無い。
「待って待って!期限まで後一日あるじゃない!せめて今日まで待って!」
必死になって村人を止めるリリアだが、だれもこんな若造の言う事に耳を貸すものはいない。
もう止められない。とにかく、この事態をゴブリンに知らせなければ。リリア達は必死に先回りして建物に向かった。
「ちょっと!皆逃げて!」「村人が武器を持ってくるぞ」「とにかくここを離れて!」
リリア達がゴブリン達の輪に駆け込む。
「今日まで待てって言ったのお前だろ」「人間が襲って来る?明日まで話し合いだろ」「急に言われても、家族もいるし」ゴブリン達も事態が飲み込めずマゴマゴしている。
「そうだけど、違うの。明日までだったけど、今来ちゃうの!逃げて!とにかく逃げて!」必死に説得するリリア。
言っている間に村人、シェリフ達が武器を手に雪崩れ込んできた!
「待ってまって!殺すことないじゃない!せめて逃がせてあげて!」
村人に立ちはだかろうとするリリアをオフェリアとオルデロが引き止める。
「危ない!もう無理だ!おまえが殺されるぞ!」
狂気の叫び声、怒号、阿鼻叫喚、目の前でゴブリン、村人双方に犠牲者が出ていく…
戦闘は四半刻も無かっただろうか。ゴブリン達は子供も含め十名程度の死者を出し潰走していった。村人は犠牲者一名、重軽症者五名。
リリアは「ごめんなさい」と繰り返して地面にへたり込んで泣きじゃくっている。
村人は犠牲者と怪我人を村に帰すと、建物の掃除などを始めた。
「おまえら、メソメソしてないで少しは手伝えよ」と聞こえよがしに皮肉を言う者もいる。
さすがにオフェリアも腹が立った。リリアの理想論とやり方も問題があったが村人も非道な上にかって過ぎる。そもそも、魔物が蔓延っていて村では手出し出来ないからとリリアが掃除して道を作ったのだ。約束の期限までは待ってくれても良いではないか。リリアの共同生活案も悪いイディアでは無かったはずだ。ゴブリン達は真剣にリリアの話を聞いてくれていたのに、肝心な人間が全くリリアの話を聞こうともせず、殺戮の所業に打って出たのだ。相手が、勝てるゴブリンだけとなった途端、武器を持って襲い掛かる、卑怯で臆病はどっちだと言ってやりたい。オルデロもさすがに怒りを禁じえないようだ。
「リリア、さぁ、行くわよ。もう私達のやることはないわよ」
オフェリアが言うが、リリアは立ち上がる気力もないようだ。気の毒で仕方がない。
「… オルデロ、もういいわよ。約束の報酬出すから、解散しましょう」オフェリアが言う。
「… あぁ、俺も仕事キャンセルしてるから報酬は…ね… でも、リリアちゃんが心配だろう。せめて一緒に村まで戻るよ」
「ホイルテッドには戻らない。その方がリリアにも良いでしょ。ここからなら西の村に向かうから」
「おまえら村に荷物あっただろう」
「… いいわよ、必要な物は持ってるし、置いてあるのは買いそろえられる物ばかり。村に戻らない方が良いわ。私も戻りたくないし…」
「… そうか… とにかく道まで出よう。リリアちゃんを何とかしないと」
二人は話し合い、リリアを振り返る。
「……… あれ?リリア?」
リリアがいなくなっている… どこ行った?…
向こうでは村人達が作業中。
「あいつ等何の役にも立たないなぁ」と嫌みを聞かされる。
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