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【94.5話】 届いた手紙
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「ただいま、二人共帰っていたんですね」
コトロが買い物を抱え、バー・ルーダの風に戻ると、ネーコとラビは店内の掃除を済ませたところだった。
コトロは知り合いの吟遊詩人仲間のバンドセッションを手伝い、お店の買い物をしてきたところ。
「リリアとペコとハシェックから手紙が届いているニャン」
配達された手紙をネーコがコトロに差し出す。
「全部同時にですか?」
「リリたん、ちゃんと約束通り定期的に手紙書いて来てるピョン」
リリアとペコの手紙が投函された場所はフリートの帝都からのようだ。
ハシェックの手紙には投函場所が無い、“ルーダリア王国軍西方面統括局”とだけ記されている。
「ひとまず、リリア達は伝説の勇者エジンの都には着いたみたいですねぇ」
コトロが先ず、リリアからの手紙を開封する。ネーコもラビも手紙を覗き込む。
“親愛なるコトロ、ネーコ、ラビ様 あなた方に神のご加護がありますように
~要約内容~
昨日、フリートの帝都に到着してます。オフェリア、ペコ、アリス、もちろんあたしも全員、そろって元気。何も心配は要りません。
ここまでの道中、山中の廃寺院を見学しました。
廃寺院の途中、砦に残された骸骨兵士と戦闘になりました。
傷つき倒れるオフェリアの盾になり、リリア必殺の弓で全員ぶちのめしてやったわ。
ペコもアリスも改めてあたしの活躍に感心していたの。
ボッドフォートは緩衝地帯からゾンビだらけで、乗っけからリリアは大活躍。
政治が複雑で領内も治安が悪く、難民を助けながら移動してボッドフォートの都まで無事送り届けました。
フレイラさんってプリーストと共一緒に旅をしました。強烈なターン・アンデットと複数同時治癒が出来る凄い人。
都への途中、オフェリアがトロールにやられたけど、リリアが仕返しにぶちかましてやりました。こっちは勇者よ。
その後、伝説の勇者とメデューサの古戦場を見学して、無事に帝都に入りしています。
ここでは勇者の地位が確立されています。あたしも鼻が高いです。
リリアはオフェリアを支え、ペコ、アリスを助けよくがんばってます。
ご心配なく
~以上~
あなたのリリア“
相変わらず、締めくくりがラブレター様式になっている。
「リリたん大活躍ニャン」
「勇者の旅してるピョン」
ネーコとラビの二人は感心している。
「……… ペコとアリスには読ませられませんねぇ」
コトロは呟きながらペコの手紙を開封。
~要約内容~
道中色々有り、フリートの帝都に到着しました。
ペコ、ギルマスとしてギルメンの教育が全然出来ない。もっとしっかり勉強させなさいよ。
能天気勇者はマイペース、マイルールで自分の身も守れないのに正義感と親切心だけは強く、他国民の困りごとに首をつっこみたがり付き合わされるこっちは皆不必要な危険に晒される。命がいくつあっても足りない思い。
ホイルテッドではゴブリン退治を買って出て、平和的解決を提案して追い出され、ショックでしばらくリリアが寝込んでいた時に私達と合流。
勇者は理想論じゃないっての。
ボッドフォートではいい気になってイケメンと寝て、悪堕ち勇者になった。悪堕ちよ、悪堕ち。実物を見たの始めて、呆れる。
悪堕ちしてもチンケだったから良いような物の、皆でリリアを見張って解呪の為にシャーマンに連れて行って大変な騒ぎだった。
仲間意識が高くて、責任感もあり、サバイブ術、戦闘、冒険者として及第点付けられるけど、プラベートの無茶をもっと何とかするべき。
~以上~
「……ペコたん、辛口ピョン…」
「…同時に受け取った手紙とは思えない違いニャン」
「まぁ、実際のところはリリアとペコの手紙、フィフティフィフティで合わせてちょっとペコ寄りってくらいでしょうか」
「ハシェックの手紙見るニャン」
「これはダメですよ、リリア本人が一番先に読むものです」
「ところで、この部分何て書いてあるニャン?」
コトロと一緒に手紙を読み返すネーコとラビ。二人の公用語の読み書きはそこそこ程度。リリアからの手紙が届くとプチ勉強会が開かれる。
「リリアの手紙の文法はあてになりませんよ」と繰り返しながらコトロが教える。
「カラン!」ベルが小さな音をたててバーの扉が開かれた。コトロ達が振り返る。
「リリアはまだ旅から戻っていないかな?」他ギルドの男女が立っている。
「約束の今月末には戻るはずですけど、まだですね」コトロが答える。
「そっか、週末ギルドで子供教室を開くけど、弓の上手な人に参加して欲しかったんだがねぇ…」
「戻ってきたらよろしく伝えてね」
男女は言い残して帰って行った。
「今朝もエネコさんがリリんに仕事頼みたいって来てたピョン」
「リリたん戻ってきてないかって結構聞かれるニャン」
「何だかんだ、キッチリ仕事してくれますし、頼みやすいですからね」
「リリたん早く帰って来ないかなぁピョン」
「居ると大変ですが、居ないと静か過ぎますねぇ」
コトロが買い物を抱え、バー・ルーダの風に戻ると、ネーコとラビは店内の掃除を済ませたところだった。
コトロは知り合いの吟遊詩人仲間のバンドセッションを手伝い、お店の買い物をしてきたところ。
「リリアとペコとハシェックから手紙が届いているニャン」
配達された手紙をネーコがコトロに差し出す。
「全部同時にですか?」
「リリたん、ちゃんと約束通り定期的に手紙書いて来てるピョン」
リリアとペコの手紙が投函された場所はフリートの帝都からのようだ。
ハシェックの手紙には投函場所が無い、“ルーダリア王国軍西方面統括局”とだけ記されている。
「ひとまず、リリア達は伝説の勇者エジンの都には着いたみたいですねぇ」
コトロが先ず、リリアからの手紙を開封する。ネーコもラビも手紙を覗き込む。
“親愛なるコトロ、ネーコ、ラビ様 あなた方に神のご加護がありますように
~要約内容~
昨日、フリートの帝都に到着してます。オフェリア、ペコ、アリス、もちろんあたしも全員、そろって元気。何も心配は要りません。
ここまでの道中、山中の廃寺院を見学しました。
廃寺院の途中、砦に残された骸骨兵士と戦闘になりました。
傷つき倒れるオフェリアの盾になり、リリア必殺の弓で全員ぶちのめしてやったわ。
ペコもアリスも改めてあたしの活躍に感心していたの。
ボッドフォートは緩衝地帯からゾンビだらけで、乗っけからリリアは大活躍。
政治が複雑で領内も治安が悪く、難民を助けながら移動してボッドフォートの都まで無事送り届けました。
フレイラさんってプリーストと共一緒に旅をしました。強烈なターン・アンデットと複数同時治癒が出来る凄い人。
都への途中、オフェリアがトロールにやられたけど、リリアが仕返しにぶちかましてやりました。こっちは勇者よ。
その後、伝説の勇者とメデューサの古戦場を見学して、無事に帝都に入りしています。
ここでは勇者の地位が確立されています。あたしも鼻が高いです。
リリアはオフェリアを支え、ペコ、アリスを助けよくがんばってます。
ご心配なく
~以上~
あなたのリリア“
相変わらず、締めくくりがラブレター様式になっている。
「リリたん大活躍ニャン」
「勇者の旅してるピョン」
ネーコとラビの二人は感心している。
「……… ペコとアリスには読ませられませんねぇ」
コトロは呟きながらペコの手紙を開封。
~要約内容~
道中色々有り、フリートの帝都に到着しました。
ペコ、ギルマスとしてギルメンの教育が全然出来ない。もっとしっかり勉強させなさいよ。
能天気勇者はマイペース、マイルールで自分の身も守れないのに正義感と親切心だけは強く、他国民の困りごとに首をつっこみたがり付き合わされるこっちは皆不必要な危険に晒される。命がいくつあっても足りない思い。
ホイルテッドではゴブリン退治を買って出て、平和的解決を提案して追い出され、ショックでしばらくリリアが寝込んでいた時に私達と合流。
勇者は理想論じゃないっての。
ボッドフォートではいい気になってイケメンと寝て、悪堕ち勇者になった。悪堕ちよ、悪堕ち。実物を見たの始めて、呆れる。
悪堕ちしてもチンケだったから良いような物の、皆でリリアを見張って解呪の為にシャーマンに連れて行って大変な騒ぎだった。
仲間意識が高くて、責任感もあり、サバイブ術、戦闘、冒険者として及第点付けられるけど、プラベートの無茶をもっと何とかするべき。
~以上~
「……ペコたん、辛口ピョン…」
「…同時に受け取った手紙とは思えない違いニャン」
「まぁ、実際のところはリリアとペコの手紙、フィフティフィフティで合わせてちょっとペコ寄りってくらいでしょうか」
「ハシェックの手紙見るニャン」
「これはダメですよ、リリア本人が一番先に読むものです」
「ところで、この部分何て書いてあるニャン?」
コトロと一緒に手紙を読み返すネーコとラビ。二人の公用語の読み書きはそこそこ程度。リリアからの手紙が届くとプチ勉強会が開かれる。
「リリアの手紙の文法はあてになりませんよ」と繰り返しながらコトロが教える。
「カラン!」ベルが小さな音をたててバーの扉が開かれた。コトロ達が振り返る。
「リリアはまだ旅から戻っていないかな?」他ギルドの男女が立っている。
「約束の今月末には戻るはずですけど、まだですね」コトロが答える。
「そっか、週末ギルドで子供教室を開くけど、弓の上手な人に参加して欲しかったんだがねぇ…」
「戻ってきたらよろしく伝えてね」
男女は言い残して帰って行った。
「今朝もエネコさんがリリんに仕事頼みたいって来てたピョン」
「リリたん戻ってきてないかって結構聞かれるニャン」
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