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【202.5話】 リリアの二つ名
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この大陸で生活をする者にとっては自然に知られていることであるが住人は親からもらった名前、いわゆるフルネームはよっぽど信用のある相手以外には知られることなく生活している。
リリアのフルネームはリリアスライン・リルバ・シルドであるが、この名前を知る者はリリアの両親ガウムドとメルディア、ウッソ村のファーザー・ゼフ、ペコ、アリスだけである。
その他ギルドマスターのコトロも勇者管理室長もリリアのフルネームは知らない。
ギルド関係の書類、管理室関係の書類は「Lilia」のサインで済む。
ギルドの書類程度ではフルネームを明かす事は無い。王宮の書類でリリアのフルネームを使用しないのは意外だが、勇者管理室が責任を持ってリリアを管理している事と現在、ルーダリでは勇者の威光が薄くなり関心が無くなっている理由等で書類も簡単になっている。
ペコとアリスがリリアのフルネームを知っているのは、言う事を聞かないリリアに対しアリスが強制的に誓約書にサインさせてリリアに言う事を聞かせる時に強要してサインをさせたのだ。その書類をペコが見てフルネームを知った。
個人の行動を制限したり、誓約違反後に魔法発動による罰則等を実行するような魔法の誓約書を有効にするには手をかざしてフルネームを書かせる必要がある。
逆に言えば相手のフルネームを知っていれば本人の承諾なしに勝手に魔法の誓約書に名前を書き込み有効化できてしまう。
手をかざす等しないかぎり無効、効果不十分な事もあるが、とにかくフルネームを相手に明かすことは自己を全て相手にゆだねるレベルの事。
因みにフルネームと本人の血等と対価が大きいほど強力な誓約を発揮できる。
ペコとアリスはリリアの名前を強制的に知る見返りとして自分たちの名もリリアに教えている。そういった意味ではこの三人は特別に信頼し合っている関係と言えるだろう。
一般的に身分が低くなると簡単な名前を使い、高貴な身分になるほど長い名前を短くして名乗る傾向にある。
特長のある名前でも短く名乗るので、名前が被る事が少なくなく、ニックネームや二つ名を用いたりすることもある。
ニックネーム
度々名前が被るのでニックネームを使う事がある。ニックネームは自分と他人のアイデンティティを分けるために名乗るものであり自分で名乗る事もあれば周囲が当人に相応しいニックネームをつけることもある。
因みに
コトロの本名はノーマ・ポエム・クロウス
アリスはプリシラ・パウメル・デ・ロクスウェル
ペコはタバサ・スターニア・チャフィ
である。
二つ名(通り名とも言う)
ニックネームとは別に二つ名を持つ者がいる。こちらは名前が被る被らないに関わらず、功績、外見、特別な生い立ち等その人物を表す特長等から付けられることが多い。こちらは自分で望むより人々の間でいつの間にか定着する事が多く、有名人である場合が多いが、必ずしも一般大衆に広く認知されているというわけでもない。
逆の現象で同じミノタウロスやドラゴンであっても特に認知されるほど凶悪になると地名や特徴で名前を付けられて呼ばれるようになるのと一緒。
リリアの周りで二つ名が定着している者であれば
「プチトマトのフェリア」
「戦場のバラ・ローズ」
「岩砕きのガル」
が頭に浮かぶ人物であろうか。
二つ名は褒めたたえられたり皮肉の意味を込められたり、同じような人物でも先人に続いてつけられたりするので、真実とは真逆の言葉で飾らる場合も多い。
勇者・冒険者となってリリアは一年と半年経った
リリアも二つ名が付きつつある。
何か強烈で本人を現わす特徴的出来事で一気に定着する二つ名もあれば、人々の価値観の違いからゆっくりと定着する場合もある。
リリアの場合は後者であり、いくつかの逸話からいくつかの二つ名が発せられている。
「ランカシム(砦)の娼婦」The Bitch of The (Fort) Lankercim
「マンティコア退治のリリア」Lilia the Manticore Slayer またはLilia the Maticore
「凄弓のリリア(勇者としては実力不相応と言う意味も込め)」Long Shot Lilia
「空気勇者リリア」Lilia the air
「ランカシムの娼婦」は最近あまり言われなくなりつつある。弓のワンショットで砦を勝利に導いているが基本的に兵士でも傭兵でもないリリアの周りには冒険者が多く、冒険者の間では戦争の勝利等あまりなじみがない。また、リリア以上に自由で強欲で男遊びが有名な女性冒険者はもっと他にいる。
一晩13人を相手できると言われる「根の上のマリア」とにかく手当たり次第に寝取る「サキュバス・ミリアム」等有名人がいる。
「マンティコア退治のリリア」が勇者としてなかなか良い線を言っている。
マンティコアの凶暴さ魔力はかなりのものであり、空を飛べることからも高レベル冒険者でドラゴンライダー級かかなりの魔法の使い手でないと倒せない魔物であり、これを倒したリリアは大金星である。
残念なことにフリート帝国での事であり、リリアより手練れのペコとアリスが同伴していたので、その顔ぶれを知る冒険者はペコとアリスが大半を手伝って倒したという認識でいる。リリアの実力ではどうやっても倒せる相手ではない。そもそもリリア自身もマンティコア退治はロガルドさんの事であり、退治したことに良い気はしていない。
この二つ名も今後マンティコアクラスを倒さないと定着はしないだろう。ワンチャン定着する可能性があるなら“あの実力なのにマグレで倒しちゃった”的な皮肉で定着はある。
リリアに好意的な人はこの二つ名を使う者もいる。
「凄弓のリリア」はリリアの得意技、特徴をよく表している。完全物理の弓士ならリリアはルーダ・コートで間違いなく屈指に入って来る。トップを凌ぐ。
残念な事に剣、魔法の接近戦より地味。また、エルフ等一部産まれながらスキルを持っている者、魔力を込められる者に並ばれる部分がある。本人を表しているがストレート過ぎる部分もある。しかし弓は並外れてすごく、それ以外は平凡過ぎるくらい平凡であり、それにもかかわらず勇者をしていると言う、スパイスが聞いた二つ名の意味で定着の可能性は大きい。
「空気勇者リリア・空気のリリア」が現時点では一番よく認知されている二つ名。
公認勇者という唯一の存在であり、はっきりと記される事実であり、本来は自他共に認める実力者がなり、王国に迎え入れられ大衆に受け入れられる絶対的な存在であるにも関わらず、明らかに実力不足で“何かの手違いでこうなっちゃいました”感がバリバリとしており、王様からも空気、国民の間でも空気のような存在、まさに他の誰にも持っていないリリアだけの特長を表した二つ名。
あらゆる意味でリリアの喜劇的であり悲劇的な勇者ライフを物語った二つ名である。
リリアのフルネームはリリアスライン・リルバ・シルドであるが、この名前を知る者はリリアの両親ガウムドとメルディア、ウッソ村のファーザー・ゼフ、ペコ、アリスだけである。
その他ギルドマスターのコトロも勇者管理室長もリリアのフルネームは知らない。
ギルド関係の書類、管理室関係の書類は「Lilia」のサインで済む。
ギルドの書類程度ではフルネームを明かす事は無い。王宮の書類でリリアのフルネームを使用しないのは意外だが、勇者管理室が責任を持ってリリアを管理している事と現在、ルーダリでは勇者の威光が薄くなり関心が無くなっている理由等で書類も簡単になっている。
ペコとアリスがリリアのフルネームを知っているのは、言う事を聞かないリリアに対しアリスが強制的に誓約書にサインさせてリリアに言う事を聞かせる時に強要してサインをさせたのだ。その書類をペコが見てフルネームを知った。
個人の行動を制限したり、誓約違反後に魔法発動による罰則等を実行するような魔法の誓約書を有効にするには手をかざしてフルネームを書かせる必要がある。
逆に言えば相手のフルネームを知っていれば本人の承諾なしに勝手に魔法の誓約書に名前を書き込み有効化できてしまう。
手をかざす等しないかぎり無効、効果不十分な事もあるが、とにかくフルネームを相手に明かすことは自己を全て相手にゆだねるレベルの事。
因みにフルネームと本人の血等と対価が大きいほど強力な誓約を発揮できる。
ペコとアリスはリリアの名前を強制的に知る見返りとして自分たちの名もリリアに教えている。そういった意味ではこの三人は特別に信頼し合っている関係と言えるだろう。
一般的に身分が低くなると簡単な名前を使い、高貴な身分になるほど長い名前を短くして名乗る傾向にある。
特長のある名前でも短く名乗るので、名前が被る事が少なくなく、ニックネームや二つ名を用いたりすることもある。
ニックネーム
度々名前が被るのでニックネームを使う事がある。ニックネームは自分と他人のアイデンティティを分けるために名乗るものであり自分で名乗る事もあれば周囲が当人に相応しいニックネームをつけることもある。
因みに
コトロの本名はノーマ・ポエム・クロウス
アリスはプリシラ・パウメル・デ・ロクスウェル
ペコはタバサ・スターニア・チャフィ
である。
二つ名(通り名とも言う)
ニックネームとは別に二つ名を持つ者がいる。こちらは名前が被る被らないに関わらず、功績、外見、特別な生い立ち等その人物を表す特長等から付けられることが多い。こちらは自分で望むより人々の間でいつの間にか定着する事が多く、有名人である場合が多いが、必ずしも一般大衆に広く認知されているというわけでもない。
逆の現象で同じミノタウロスやドラゴンであっても特に認知されるほど凶悪になると地名や特徴で名前を付けられて呼ばれるようになるのと一緒。
リリアの周りで二つ名が定着している者であれば
「プチトマトのフェリア」
「戦場のバラ・ローズ」
「岩砕きのガル」
が頭に浮かぶ人物であろうか。
二つ名は褒めたたえられたり皮肉の意味を込められたり、同じような人物でも先人に続いてつけられたりするので、真実とは真逆の言葉で飾らる場合も多い。
勇者・冒険者となってリリアは一年と半年経った
リリアも二つ名が付きつつある。
何か強烈で本人を現わす特徴的出来事で一気に定着する二つ名もあれば、人々の価値観の違いからゆっくりと定着する場合もある。
リリアの場合は後者であり、いくつかの逸話からいくつかの二つ名が発せられている。
「ランカシム(砦)の娼婦」The Bitch of The (Fort) Lankercim
「マンティコア退治のリリア」Lilia the Manticore Slayer またはLilia the Maticore
「凄弓のリリア(勇者としては実力不相応と言う意味も込め)」Long Shot Lilia
「空気勇者リリア」Lilia the air
「ランカシムの娼婦」は最近あまり言われなくなりつつある。弓のワンショットで砦を勝利に導いているが基本的に兵士でも傭兵でもないリリアの周りには冒険者が多く、冒険者の間では戦争の勝利等あまりなじみがない。また、リリア以上に自由で強欲で男遊びが有名な女性冒険者はもっと他にいる。
一晩13人を相手できると言われる「根の上のマリア」とにかく手当たり次第に寝取る「サキュバス・ミリアム」等有名人がいる。
「マンティコア退治のリリア」が勇者としてなかなか良い線を言っている。
マンティコアの凶暴さ魔力はかなりのものであり、空を飛べることからも高レベル冒険者でドラゴンライダー級かかなりの魔法の使い手でないと倒せない魔物であり、これを倒したリリアは大金星である。
残念なことにフリート帝国での事であり、リリアより手練れのペコとアリスが同伴していたので、その顔ぶれを知る冒険者はペコとアリスが大半を手伝って倒したという認識でいる。リリアの実力ではどうやっても倒せる相手ではない。そもそもリリア自身もマンティコア退治はロガルドさんの事であり、退治したことに良い気はしていない。
この二つ名も今後マンティコアクラスを倒さないと定着はしないだろう。ワンチャン定着する可能性があるなら“あの実力なのにマグレで倒しちゃった”的な皮肉で定着はある。
リリアに好意的な人はこの二つ名を使う者もいる。
「凄弓のリリア」はリリアの得意技、特徴をよく表している。完全物理の弓士ならリリアはルーダ・コートで間違いなく屈指に入って来る。トップを凌ぐ。
残念な事に剣、魔法の接近戦より地味。また、エルフ等一部産まれながらスキルを持っている者、魔力を込められる者に並ばれる部分がある。本人を表しているがストレート過ぎる部分もある。しかし弓は並外れてすごく、それ以外は平凡過ぎるくらい平凡であり、それにもかかわらず勇者をしていると言う、スパイスが聞いた二つ名の意味で定着の可能性は大きい。
「空気勇者リリア・空気のリリア」が現時点では一番よく認知されている二つ名。
公認勇者という唯一の存在であり、はっきりと記される事実であり、本来は自他共に認める実力者がなり、王国に迎え入れられ大衆に受け入れられる絶対的な存在であるにも関わらず、明らかに実力不足で“何かの手違いでこうなっちゃいました”感がバリバリとしており、王様からも空気、国民の間でも空気のような存在、まさに他の誰にも持っていないリリアだけの特長を表した二つ名。
あらゆる意味でリリアの喜劇的であり悲劇的な勇者ライフを物語った二つ名である。
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