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【203.5話】 宣告の斧
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リリアは王様からの依頼を遂行、デュラハンは撃退されダノンさん一家は無事、ナト村と周辺は平穏を取り戻した。
もっとも、結果的にはデュラハンの件は無事解決なのだが、もちろんリリアが直接対決で倒したとは言い難い状況であった。
リリアはデュラハンに薙ぎ払われた後、即座に冒険者仲間がなだれ込むようにリリアとデュラハンの間に割って入り撃退してしまった。
冒険者仲間が純粋にリリアを救ったかどうかは別として純粋な結果としてクエストは依頼通り終了。
デュラハンは人智を超えた強さをもっていたが「戦いは数だよ」の名言があるように、若干の怪我人を出したものの冒険者達が数と力で打倒するのをリリアは遠巻きに見ていた。
倒されたデュラハンは光となって散っていった。
これで来年以降までは宣告に現れないだろう。
その後、現場は誰の手柄か、勇者対デュラハン賭けは勝負上どういう結果になるのか、喧々諤々として討伐以上の混乱だった。
「デュラハンを倒したのは俺達だ!」「掛け金の支払いはどうなるんだ!」「デュラハン饅頭、投げ売りセール開始!」様々な声で揉める人込み。
「良い働きをしたとは言い難いけど、一件落着したみたいだね」ペコがリリアに声をかけてきた。もちろんアリスも一緒。
「うん… これで良かったのか… とにかくクエストは完了だね」リリアも少し苦笑い。
「あら、仕事って倒す瞬間だけではないわよ。この10日間、巡回して当直してきちんと働いていたのだから評価されるべきよ」アリスが微笑む。
「誰の一撃で最後デュラハンを倒したか、誰の攻撃が最も効果的だったのか等は王宮に報告する書類上あまり意味のない事です。王様からの依頼は確実に遂行され完了と記録されますよ、リリア」ディルも安堵の表情。
「リリア、お疲れ様でした。戦いの場面は記事になりませんが勇者の仕事を終えての取材をさせてもらいますよ」ピエンもペンとメモを持ってお祝いに来た。
他の情報紙の者は誰が最後にデュラハンを倒したかもめる冒険者達の輪の中にいる。
「ありがとうございました。大変な騒ぎでしたがあまり不安も感じることなく家族全員無事で乗り越える事ができました。珍しい体験をさせていただきました。王国と勇者様に感謝です」
リリアがダノン家に行くと旦那さんが一家を代表して挨拶してくれた。
命の危険どころか珍事の連続で飽きない十日間だったに違いない。
「この度をお疲れ様でした。王国に依頼を出していたのでダノンさんと代理で依頼の手紙を出したかたから書類にサインを… はい、こちらとこちら… 今回一般魔物退治ではなく特別指定で… この書類」
ディルはすかさず書類をかたづけている。
「… 何か… 自分で倒してないから実感ないけど… これで本当に撃退できたの?戻ってこないの?」リリアが首を傾げる。
「じゃぁ、あれを貰おうか」ペコはいたずらっぽくウィンクすると宣告の斧を指さした。
未だにダノン家の玄関先に斧が刺さっている。
「あ… 斧だけ残ってるんだね。あれって倒した今、引き抜けるの?」リリア。
「私も実際に見るのは初めてだけど話によればデュラハンを倒しても消えないくて貰おうと思ったら貰える物らしいよ」ペコが説明する。
リリアは壁に深く刺さる斧に手をかけた。
「…っよ… っく… 抜けないじゃない… これってまだ… バグ!!」
深く刺さった斧を引き抜こうとして思いっきり体重かけたら突然壁から斧が抜けた。リリアは変な声を出しながら玄関からひっくり返った。お尻をしこたま強打したようだ。痛がっている。
「っ痛ぁい… 斧重すぎだよ… これってマジックアイテムか何か特別な何かあるの?価値があるの?」リリアは斧を手に立ち上がる。お尻が激痛。
「デュラハンの宣告の斧」
極端に短い柄と大きな丸刃の斧で柄を含め全体が鉄で出来ている。
柄と斧の側面には抽象的だが力強い彫刻が施され刃の反対になる部分には鎖とツタが絡まるような装飾がある。
クラシックなデザインで年代物と一目でわかる。
見た目以上の重量でオーガ、オーク、ベアマン等の戦闘民族系でもないと使いこなせないだろう。少なくともリリアでは両手で「よっこらしょ」的になんとか振りかぶるような重武器だが、両手で握るには柄が短い。恐らく片手で扱える筋力がないと振り回すのも一苦労だろう。
特に何かの魔力があるわけでも打撃ボーナスがつく武器でもない。
刃もどちらかと言うと切れ味は良くなく、重量でぶつ切りにする感覚。
同じ斧武器でも街中で売られている物の方がバランスも切れ味も上だろう。
ただし「デュラハンの宣告の斧の所有者はデュラハンに襲われることはない」との伝説があり、オークション等では良い値がつくコレクターアイテム。
ただし、デュラハンの行動は気まぐれなので宣告の斧を所有していたから襲われなかったのか、宣告を受けないのかは確かめようがなく噂の域をでない。
デュラハンを撃退した夜は集まった者たちで大騒ぎだった。
デュラハンの出現が夕刻過ぎだったこともあり、野次馬も商人も翌朝村を発つのだろう。リリア達は屋台で大盛り上がりだった。
「ディル、お城に帰るまでは王国が食事代出すんだよね?… やったー!皆、牛肉の美味しいとこ頼んで乾杯よ!」
リリアはお肉を食べて葡萄酒を飲んではしゃいてでいたが、ペコ達が気がついたら結構早く馬車の荷台で寝ていた。
宣告の斧はオーガのドルソットが貰いに来たが扱い勝手が良くなく、何人かの手を回った後にリリアの手に戻ってきた。
「えぇ?これドルソットにあげたのに戻ってきたの?」リリアが返しに来たリザードマンのホロルドンに聞き返す。
「重いわりに切れないんだぜ。要らねぇよ。え?…持っているだけでデュラハン避けになる? っは!願ったりだ、返り討ちにしてやるよ。魔除けになるならリリアが持ってればいいだろ」と答えて斧を返しに来た。
どうやら皆同じ様な意見にたどり着いているようだ。
誰がデュラハンを倒したかはともかく、リリアはクエスト完了。
収穫期になり秋の虫の声の中リリアは馬車で寝入っている。
もっとも、結果的にはデュラハンの件は無事解決なのだが、もちろんリリアが直接対決で倒したとは言い難い状況であった。
リリアはデュラハンに薙ぎ払われた後、即座に冒険者仲間がなだれ込むようにリリアとデュラハンの間に割って入り撃退してしまった。
冒険者仲間が純粋にリリアを救ったかどうかは別として純粋な結果としてクエストは依頼通り終了。
デュラハンは人智を超えた強さをもっていたが「戦いは数だよ」の名言があるように、若干の怪我人を出したものの冒険者達が数と力で打倒するのをリリアは遠巻きに見ていた。
倒されたデュラハンは光となって散っていった。
これで来年以降までは宣告に現れないだろう。
その後、現場は誰の手柄か、勇者対デュラハン賭けは勝負上どういう結果になるのか、喧々諤々として討伐以上の混乱だった。
「デュラハンを倒したのは俺達だ!」「掛け金の支払いはどうなるんだ!」「デュラハン饅頭、投げ売りセール開始!」様々な声で揉める人込み。
「良い働きをしたとは言い難いけど、一件落着したみたいだね」ペコがリリアに声をかけてきた。もちろんアリスも一緒。
「うん… これで良かったのか… とにかくクエストは完了だね」リリアも少し苦笑い。
「あら、仕事って倒す瞬間だけではないわよ。この10日間、巡回して当直してきちんと働いていたのだから評価されるべきよ」アリスが微笑む。
「誰の一撃で最後デュラハンを倒したか、誰の攻撃が最も効果的だったのか等は王宮に報告する書類上あまり意味のない事です。王様からの依頼は確実に遂行され完了と記録されますよ、リリア」ディルも安堵の表情。
「リリア、お疲れ様でした。戦いの場面は記事になりませんが勇者の仕事を終えての取材をさせてもらいますよ」ピエンもペンとメモを持ってお祝いに来た。
他の情報紙の者は誰が最後にデュラハンを倒したかもめる冒険者達の輪の中にいる。
「ありがとうございました。大変な騒ぎでしたがあまり不安も感じることなく家族全員無事で乗り越える事ができました。珍しい体験をさせていただきました。王国と勇者様に感謝です」
リリアがダノン家に行くと旦那さんが一家を代表して挨拶してくれた。
命の危険どころか珍事の連続で飽きない十日間だったに違いない。
「この度をお疲れ様でした。王国に依頼を出していたのでダノンさんと代理で依頼の手紙を出したかたから書類にサインを… はい、こちらとこちら… 今回一般魔物退治ではなく特別指定で… この書類」
ディルはすかさず書類をかたづけている。
「… 何か… 自分で倒してないから実感ないけど… これで本当に撃退できたの?戻ってこないの?」リリアが首を傾げる。
「じゃぁ、あれを貰おうか」ペコはいたずらっぽくウィンクすると宣告の斧を指さした。
未だにダノン家の玄関先に斧が刺さっている。
「あ… 斧だけ残ってるんだね。あれって倒した今、引き抜けるの?」リリア。
「私も実際に見るのは初めてだけど話によればデュラハンを倒しても消えないくて貰おうと思ったら貰える物らしいよ」ペコが説明する。
リリアは壁に深く刺さる斧に手をかけた。
「…っよ… っく… 抜けないじゃない… これってまだ… バグ!!」
深く刺さった斧を引き抜こうとして思いっきり体重かけたら突然壁から斧が抜けた。リリアは変な声を出しながら玄関からひっくり返った。お尻をしこたま強打したようだ。痛がっている。
「っ痛ぁい… 斧重すぎだよ… これってマジックアイテムか何か特別な何かあるの?価値があるの?」リリアは斧を手に立ち上がる。お尻が激痛。
「デュラハンの宣告の斧」
極端に短い柄と大きな丸刃の斧で柄を含め全体が鉄で出来ている。
柄と斧の側面には抽象的だが力強い彫刻が施され刃の反対になる部分には鎖とツタが絡まるような装飾がある。
クラシックなデザインで年代物と一目でわかる。
見た目以上の重量でオーガ、オーク、ベアマン等の戦闘民族系でもないと使いこなせないだろう。少なくともリリアでは両手で「よっこらしょ」的になんとか振りかぶるような重武器だが、両手で握るには柄が短い。恐らく片手で扱える筋力がないと振り回すのも一苦労だろう。
特に何かの魔力があるわけでも打撃ボーナスがつく武器でもない。
刃もどちらかと言うと切れ味は良くなく、重量でぶつ切りにする感覚。
同じ斧武器でも街中で売られている物の方がバランスも切れ味も上だろう。
ただし「デュラハンの宣告の斧の所有者はデュラハンに襲われることはない」との伝説があり、オークション等では良い値がつくコレクターアイテム。
ただし、デュラハンの行動は気まぐれなので宣告の斧を所有していたから襲われなかったのか、宣告を受けないのかは確かめようがなく噂の域をでない。
デュラハンを撃退した夜は集まった者たちで大騒ぎだった。
デュラハンの出現が夕刻過ぎだったこともあり、野次馬も商人も翌朝村を発つのだろう。リリア達は屋台で大盛り上がりだった。
「ディル、お城に帰るまでは王国が食事代出すんだよね?… やったー!皆、牛肉の美味しいとこ頼んで乾杯よ!」
リリアはお肉を食べて葡萄酒を飲んではしゃいてでいたが、ペコ達が気がついたら結構早く馬車の荷台で寝ていた。
宣告の斧はオーガのドルソットが貰いに来たが扱い勝手が良くなく、何人かの手を回った後にリリアの手に戻ってきた。
「えぇ?これドルソットにあげたのに戻ってきたの?」リリアが返しに来たリザードマンのホロルドンに聞き返す。
「重いわりに切れないんだぜ。要らねぇよ。え?…持っているだけでデュラハン避けになる? っは!願ったりだ、返り討ちにしてやるよ。魔除けになるならリリアが持ってればいいだろ」と答えて斧を返しに来た。
どうやら皆同じ様な意見にたどり着いているようだ。
誰がデュラハンを倒したかはともかく、リリアはクエスト完了。
収穫期になり秋の虫の声の中リリアは馬車で寝入っている。
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