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【229.5話】 リリアと右フック
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リリア達はトラナックバース遺跡の中心部に馬車を乗り入れてクエスト開始。
馬車を停めておくのにもっと安全な場所を選びたいが、サンキャット達が馬車に残るので通信のイヤリングが出来るだけ届く距離であったり、捕獲したミミックをなるべく素早く檻に入れられる条件が整っている方が良さそうだ。
トラナックバース遺跡
パウロ・コートの街とルーダ港の街から西方の山中にある遺跡。
太陽神の使徒の一人、トラナックバースを信仰して建てられた社跡地。
この遺跡があることから一帯をトラナックバース、あるいはトラナックと呼ぶことがあるが、いかんせん人里離れているためあまり地域名として呼ばれることは少ない。
最寄りの村から山中を上がると少し台地になった土地があり、そこに一の殿、二の殿、三の殿、宝物庫の跡地があり、さらにさらに山頂にトラナックバースを祭っていたとされる社の跡がある。
石造りの建物だが今ではほとんどが崩れていて原型を留めていない。ツタと茂みに埋もれる過去の遺産となっている。
一の殿があったとされる場所に残る背の高い大柱石が有名。
残念なことに“スコットLOVEハナコ”、“デビッド参上!”等石柱に落書きをする輩が後を絶たない。
デビッド参上どころか遺跡が惨状だ…
一の殿の下は地下二階まで存在するが、地面が大きく陥没して地下一階は大きく地上に露出し地下二階に下りなければ比較的危険は少ない。
ほぼ遺跡が埋もれている上に村からのアクセスが悪いためあまり観光地として人気がない。
地下一階までなら難易度D、地下二階に下りるなら難易度C+と言った場所。
人が利用した跡地や、地下、宝物庫跡などにミミックが発生しやすいことと難易度を考慮してリリアは今回、ここを狩場と決めた。
「馬車はここに停めておくけど、遺跡の探索を始める前に周囲の魔物を倒しておこう。なるべく脅威は排除よ」
リリアは馬車を停めて探索の準備を始める。サンキャット達には多くを期待できない、人の気配がすることにより野生の動物が馬車に近寄らない程度の戦力。可能な限り周囲の魔物を倒しておくべき。
「ガスコインはハルバードが得意か… ミミックは打撃系で行きたいからウォーハンマーがいいけど… あぁ、そっか倒しちゃだめなのか… それからサンキャットかヒマネコは馬車からクロスボウで戦って。コロットとアケミはとにかく馬車から離れないで。ここからはメッチャ本気だからね!じゃ、ガスコイン行くわよ」
「馬車周辺もクリアかな?結構な数を倒したよね。連携の確認にもなったしよかったね」リリアは弓を手に汗を拭いながら言う。
「おう、リリアの弓も調子良いみたいだし接近戦も攻撃力こそ無いがスピードで魔物を引き付けられる強みがあるな」ガスコイン。
遺跡に入る前に馬車周囲の魔物を倒した。リリアの弓で先制、近寄られたらガスコインがハルバードで薙ぎ払う。なかなか良いコンビ。
「攻撃の相性も体の相性も良さそうだな!」ガッハッハとガスコインが笑う。
出たよ、冒険者ジョーク。
「万全を期して倒して回っていたら結構な範囲になったね、そろそろ戻ろうか」
リリア達は馬車まで戻る。
で、リリアは馬車に戻ってきて怒りを大爆発させている。
リリアとガスコインが周囲の魔物を一掃して馬車に戻ると大ネズミが数匹退治されていた。それは良いのだが…
ロードナイトがウロウロしている。ネズミごときは見逃したかもしれないがロードナイトを見逃していのだろうか?しかもたいてい小隊を率いるやっかいな魔物だがロードナイトが単体でいる。
不思議がってもいられない、出現してしまったものは出現してしまったので倒さなければならない。強力な相手だがガスコインと共同して倒して馬車に戻る。
「危なかったね、リリア達はロードナイトを見逃していたみたいだね。あいつ普段は手下を引き連れているけど単体でラッキーだったよ。大ネズミも大したことないけど自分達で倒したなんて見直したよ」リリアがサンキャット達を褒める。
「それが… 実は…」サンキャットが言いにくそうに話を切り出した。
「えぇ!!リリアのスクロール使っちゃったの!!」
リリアは説明を聞かされびっくり。
サンキャットの説明によると大ネズミが数匹馬車に寄って来たのだがアケミが勝手にスクロールを数枚使ってしまったと言うのだ。
「あぁ!アイスストームもライトアローも使っちゃってる!」
驚愕の事実発見…
食べ物に釣られて出てきたのだろうが大ネズミ程度は追い払えば逃げる相手だ、呪文を唱える必要もない、無駄遣いだ…
「あぁあ… 危ない目に合わされるこっちの身にもなってよねぇ、人命優先だって、当たり前じゃね」アケミが面倒そうに言う。
腹立たしいが確かに安全には変えられない、相手は素人、よく注意しなかったのもスクロールを入れたファイルを馬車に置いて行った自分も悪いは悪い…
「…ぅぐ ま、まぁ仕方ないよ… で、でも今度からは勝手に使わないでね。スクロールはメッチャ高いし、いざと言う時にとってあるんだよ」
リリアは改めて手持ちのスクロールを確かめる。
何を持っているのか把握しておかないと命に係わる問題だ。
「………あれ?え?… えぇ? 一番高いサモン・ロードナイトのスクロールがないよ… え?あれって… さっきのって? もしかしてクリエイトしたロードナイトはリリア達が倒しちゃった?」リリアは驚いて問いただす。
サンキャットとヒマネコは気まずそうに頷いた。コロットとアケミは全く意に介していないようだ。
「ちょっと!なんで使っちゃうのよ!ロードナイトは切り札だよ!メッチャ高かったんだよ!高いから今まで動くカカシや藁人形で我慢したてのを期限切れで割引するかっていうから奮発して買ったのに!まだリリアも使ったこと無くて楽しみにとっておいたのに!」
これにはリリアも声を荒げる、しかも事情も分からず自分で自分のクリーチャーを倒してしまった。
「はぃはぃわかりましたよ、紙の一枚、二枚で… 大騒ぎしてみっともない」アケミは不貞腐れている。
「なんだ!その態度!おまえ昨日から景色見て飯食ってるだけだろ!ふざけんな!こっちは命がけなんだよ!藁人形なんて魔法学校の実験教材だって笑われるのを我慢して使ってたんだ。ロードナイトをクリエイトするの楽しみにして第一号にはロッドって名前まで用意してたんだぞ!女だったらジェシカだけど… とにかく、勝手なまねしてその態度はなんだ!」リリア爆発。
「この女うけるぅ、そんなに大事な物だったら金庫にでもしまったら良いと思うんですけどぉ。ウチら頼まれてついて来てやってるだけだしぃ」アケミは薄ら笑いを浮かべながらそっぽを向いている。
「おう!俺の連れに文句あんのか… ブッ!」
コロットがいっちょ前に彼氏面して話をややこしくするため口を出してきたのでリリアは右フックを一閃… 手短に黙らせた。電光石火の攻撃。
こっちは現役の冒険者だぞ!なめんじゃねえぞ!!
「どいつもこいつもふざけやがって!おまえらが全員檻に入ってろおぉぉぉ!この大馬鹿野郎!」
「おい、もういいだろ、放っておけよ、檻になんか押し込んだのがバレたら人権問題だぞ、とっとと仕事して帰ろうぜ」
ガスコインがリリアを止めに入る。
ガスコインは収まらないリリアとスクロールの書が入ったファイルを抱えて遺跡に向かう。
「次から何かあったらリリアのストレスは全部コロットの顔面で引き受けてもらうからな!覚悟しとけよぉ!」
リリアはガスコインに抱えられながら怒鳴り散らしている。
リリアは遺跡に入る前にいきなりド赤字決定のクエストとなった。
ロードナイトのスクロールは一般収入の半年分以上の値段がするのでリリアの気持ちも理解できなくはない…
馬車を停めておくのにもっと安全な場所を選びたいが、サンキャット達が馬車に残るので通信のイヤリングが出来るだけ届く距離であったり、捕獲したミミックをなるべく素早く檻に入れられる条件が整っている方が良さそうだ。
トラナックバース遺跡
パウロ・コートの街とルーダ港の街から西方の山中にある遺跡。
太陽神の使徒の一人、トラナックバースを信仰して建てられた社跡地。
この遺跡があることから一帯をトラナックバース、あるいはトラナックと呼ぶことがあるが、いかんせん人里離れているためあまり地域名として呼ばれることは少ない。
最寄りの村から山中を上がると少し台地になった土地があり、そこに一の殿、二の殿、三の殿、宝物庫の跡地があり、さらにさらに山頂にトラナックバースを祭っていたとされる社の跡がある。
石造りの建物だが今ではほとんどが崩れていて原型を留めていない。ツタと茂みに埋もれる過去の遺産となっている。
一の殿があったとされる場所に残る背の高い大柱石が有名。
残念なことに“スコットLOVEハナコ”、“デビッド参上!”等石柱に落書きをする輩が後を絶たない。
デビッド参上どころか遺跡が惨状だ…
一の殿の下は地下二階まで存在するが、地面が大きく陥没して地下一階は大きく地上に露出し地下二階に下りなければ比較的危険は少ない。
ほぼ遺跡が埋もれている上に村からのアクセスが悪いためあまり観光地として人気がない。
地下一階までなら難易度D、地下二階に下りるなら難易度C+と言った場所。
人が利用した跡地や、地下、宝物庫跡などにミミックが発生しやすいことと難易度を考慮してリリアは今回、ここを狩場と決めた。
「馬車はここに停めておくけど、遺跡の探索を始める前に周囲の魔物を倒しておこう。なるべく脅威は排除よ」
リリアは馬車を停めて探索の準備を始める。サンキャット達には多くを期待できない、人の気配がすることにより野生の動物が馬車に近寄らない程度の戦力。可能な限り周囲の魔物を倒しておくべき。
「ガスコインはハルバードが得意か… ミミックは打撃系で行きたいからウォーハンマーがいいけど… あぁ、そっか倒しちゃだめなのか… それからサンキャットかヒマネコは馬車からクロスボウで戦って。コロットとアケミはとにかく馬車から離れないで。ここからはメッチャ本気だからね!じゃ、ガスコイン行くわよ」
「馬車周辺もクリアかな?結構な数を倒したよね。連携の確認にもなったしよかったね」リリアは弓を手に汗を拭いながら言う。
「おう、リリアの弓も調子良いみたいだし接近戦も攻撃力こそ無いがスピードで魔物を引き付けられる強みがあるな」ガスコイン。
遺跡に入る前に馬車周囲の魔物を倒した。リリアの弓で先制、近寄られたらガスコインがハルバードで薙ぎ払う。なかなか良いコンビ。
「攻撃の相性も体の相性も良さそうだな!」ガッハッハとガスコインが笑う。
出たよ、冒険者ジョーク。
「万全を期して倒して回っていたら結構な範囲になったね、そろそろ戻ろうか」
リリア達は馬車まで戻る。
で、リリアは馬車に戻ってきて怒りを大爆発させている。
リリアとガスコインが周囲の魔物を一掃して馬車に戻ると大ネズミが数匹退治されていた。それは良いのだが…
ロードナイトがウロウロしている。ネズミごときは見逃したかもしれないがロードナイトを見逃していのだろうか?しかもたいてい小隊を率いるやっかいな魔物だがロードナイトが単体でいる。
不思議がってもいられない、出現してしまったものは出現してしまったので倒さなければならない。強力な相手だがガスコインと共同して倒して馬車に戻る。
「危なかったね、リリア達はロードナイトを見逃していたみたいだね。あいつ普段は手下を引き連れているけど単体でラッキーだったよ。大ネズミも大したことないけど自分達で倒したなんて見直したよ」リリアがサンキャット達を褒める。
「それが… 実は…」サンキャットが言いにくそうに話を切り出した。
「えぇ!!リリアのスクロール使っちゃったの!!」
リリアは説明を聞かされびっくり。
サンキャットの説明によると大ネズミが数匹馬車に寄って来たのだがアケミが勝手にスクロールを数枚使ってしまったと言うのだ。
「あぁ!アイスストームもライトアローも使っちゃってる!」
驚愕の事実発見…
食べ物に釣られて出てきたのだろうが大ネズミ程度は追い払えば逃げる相手だ、呪文を唱える必要もない、無駄遣いだ…
「あぁあ… 危ない目に合わされるこっちの身にもなってよねぇ、人命優先だって、当たり前じゃね」アケミが面倒そうに言う。
腹立たしいが確かに安全には変えられない、相手は素人、よく注意しなかったのもスクロールを入れたファイルを馬車に置いて行った自分も悪いは悪い…
「…ぅぐ ま、まぁ仕方ないよ… で、でも今度からは勝手に使わないでね。スクロールはメッチャ高いし、いざと言う時にとってあるんだよ」
リリアは改めて手持ちのスクロールを確かめる。
何を持っているのか把握しておかないと命に係わる問題だ。
「………あれ?え?… えぇ? 一番高いサモン・ロードナイトのスクロールがないよ… え?あれって… さっきのって? もしかしてクリエイトしたロードナイトはリリア達が倒しちゃった?」リリアは驚いて問いただす。
サンキャットとヒマネコは気まずそうに頷いた。コロットとアケミは全く意に介していないようだ。
「ちょっと!なんで使っちゃうのよ!ロードナイトは切り札だよ!メッチャ高かったんだよ!高いから今まで動くカカシや藁人形で我慢したてのを期限切れで割引するかっていうから奮発して買ったのに!まだリリアも使ったこと無くて楽しみにとっておいたのに!」
これにはリリアも声を荒げる、しかも事情も分からず自分で自分のクリーチャーを倒してしまった。
「はぃはぃわかりましたよ、紙の一枚、二枚で… 大騒ぎしてみっともない」アケミは不貞腐れている。
「なんだ!その態度!おまえ昨日から景色見て飯食ってるだけだろ!ふざけんな!こっちは命がけなんだよ!藁人形なんて魔法学校の実験教材だって笑われるのを我慢して使ってたんだ。ロードナイトをクリエイトするの楽しみにして第一号にはロッドって名前まで用意してたんだぞ!女だったらジェシカだけど… とにかく、勝手なまねしてその態度はなんだ!」リリア爆発。
「この女うけるぅ、そんなに大事な物だったら金庫にでもしまったら良いと思うんですけどぉ。ウチら頼まれてついて来てやってるだけだしぃ」アケミは薄ら笑いを浮かべながらそっぽを向いている。
「おう!俺の連れに文句あんのか… ブッ!」
コロットがいっちょ前に彼氏面して話をややこしくするため口を出してきたのでリリアは右フックを一閃… 手短に黙らせた。電光石火の攻撃。
こっちは現役の冒険者だぞ!なめんじゃねえぞ!!
「どいつもこいつもふざけやがって!おまえらが全員檻に入ってろおぉぉぉ!この大馬鹿野郎!」
「おい、もういいだろ、放っておけよ、檻になんか押し込んだのがバレたら人権問題だぞ、とっとと仕事して帰ろうぜ」
ガスコインがリリアを止めに入る。
ガスコインは収まらないリリアとスクロールの書が入ったファイルを抱えて遺跡に向かう。
「次から何かあったらリリアのストレスは全部コロットの顔面で引き受けてもらうからな!覚悟しとけよぉ!」
リリアはガスコインに抱えられながら怒鳴り散らしている。
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