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【245.5話】 剣を握る理由
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ロックサラマンダークエスト三日目の朝
「エンリケは起きてこないですね…」メイリンがため息をつく。
リリア、メイリン、サラは同じ部屋に泊まっていたこともあり、全員準備して宿のビュッフェで朝食タイム。
パン、ライスが選べて、野菜類は自由に取れる。また、タマゴとハム料理が一人一皿ついている。
このタイミングで朝食を食べに出てきていないなら、朝ご飯抜き以外は遅刻決定的。
「もう、置いていっちゃって良いんじゃない… 知らんけど…」サラはあまり興味なさげだ。
「うん… これ食べたら起こしてくるよ。その前にしっかり食べないとね。魔物と戦う前に、怠け者エンリケとリリアちゃんが戦わなければいけないからね…」リリアはご飯とパンをおかわりしている。
で、リリアがエンリケの部屋に起こしにいき、女といかにも昨日の夜は己の剣を振り回しながら戦闘を繰り広げていました的な全裸で寝ているエンリケを注意し、エンリケがかったるそうに適当な返事をし、リリアがキレ始め、全裸の女が「この癇癪馬の尻尾頭誰?あんた昨日、俺彼女いない、私だけを見つめ続けるって言ったよね!」とリリアをディスりながら痴話喧嘩になり、リリアの怒りに油を注ぎ、「こんなアホビッチが俺の彼女なわけねぇよ、考えて物言え」とエンリケが油を注いだリリアの怒りに火薬を投下して、「てめぇぇ!!優しくしてやりゃぁつけ上がりやがってよぉ!」とリリアが全裸のエンリケと大ゲンカになり、なんだか文句をいっている全裸の女を「何だか知らんがあんたも同罪だぁ!とっとと消え失せろ!」と全裸のまま廊下に放りだした。
で、その女に通報されて、大ゲンカ中に村のシェリフ達に取り押さえられ取り調べを受ける事になった。
まぁ、取り調べはあまり時間がかからず放免になった。
部屋の外で見ていたメイリンとサラが事情を説明し、ギルド証等を提示し、リリアもエンリケも釈放。
「あたしもあなた達と同じ、シェリフ出身なのよ!この国の勇者なんだよ!ちょっとは勉強しなさいよ」リリアはブーブーと文句言いながら戻ってきた。
今日も予定は大大的に遅れる。
「エンリケ、次朝寝坊、命令違反、規律違反で除隊よ。それから今日は武器の使用禁止、剣は預かる、戦闘にも参加禁止、あなた以外で何とかするから。馬車の子守してなさい… 何が?… これは命令よ、あなたの行動一つ一つが状況を悪化させ、皆を危険にさらすの… 全部規則にあるの、そしてリリアはそれを使う権利があるの… はぁ?今までチャンスを与え続けてもらっていたと思ってよ… あ・ま・い・の!!人が死んでからじゃ遅いの!だからよ!このクエストを完了させてキャリアアップしたいならとにかく今日の命令は守ってもらうから、メイリン、サラ、今の私の言葉聞いたよね。あたしにはねぇ!王国民の命を守る義務があるの!それが勇者なの!それは魔物を倒す以上に大事な事なの!!」
リリアは怒鳴ると馬車に乗り込んだ。
メイリンもサラもリリアに念を押され目を丸くして頷く。
そして…
リリアパーティーは混乱していた…
三日目の午後
今日もド遅刻で村を出たリリア達。
馬車の上の雰囲気は良くない。エンリケは不貞腐れている。
「メイリン、サラ、今日急げば、クエスト開始できたかもしれなかったけど、もう遅くなったから昨日泊まる予定だった最寄りの村についたら本日の日程終了よ。もう急がなくていいからね。 は?エンリケ?誰それ? そんな人いたっけ?… ちょっとリリアにはわからないなぁ…」
リリアはこんな感じ。
目的地に向けて馬車を進める。
「森の向こうから煙が見えたけど… あれだねぇ… 馬車が燃えてる… メイリン、馬車を停めて」
しばらく前、リリア達のイヤリングにノイズが入って来ていた。
どこかの通信らしいが、ノイズだけで判別不能。
それからちょっとして前方の森の中から黒煙が上がり始めていた。
「… 賊だよねぇ… あいつら馬車を襲って全部奪うと馬を外して馬車に火を放つんだよね…」リリアが呟くように言う。
「皆、戦闘準備で待機。あたしが様子を見てくる。全員馬車に残って。全員ここで待機。もし襲われたら村まで逃げるのよ。リリアちゃんはこう見えても山の中は大得意、山育ちだから山中なら逃げ足早いの。サラは防具をしっかりつけて… …エンリケは盾よ… 剣… 剣も渡して。何かの時は身を守らないといけなからね。 いい?合図があるまで絶対に馬車を降りないで。今までの練習と賊はレベルが違うの。魔物なんかよりよっぽど残忍なのが人間よ、忘れないで。今まで倒して来た魔物達を知恵で倒せる、それが人間族なの… 襲われたら全員死ぬ、間違いなく死ぬ。命令を聞いて」
リリアが念を押すと全員身を硬くして頷く、エンリケ以外。
エンリケだけは剣を渡されそっぽを向いている。
「リリア、それなら通り過ぎちゃったら…」サラが言う。
「あなたが生存者だったら、通り過ぎられて絶望するでしょ?あたし勇者だし、勇者は国民の命と財産を守る義務があるの。とにかく、やばいと思ったら村まで逃げ帰るのよ」リリアは弓を手に馬車を離れる。
火をつけられた馬車はほぼ焼け落ちて下火になっているが、車輪の部分が残り、わずかに原形を留めてくすぶっている。
リリアは弓を構えながら慎重に馬車による。
馬車の形からすると荷馬車のようだ。馬は馬車から外されている。
この分なら襲った賊は必ず近くにいるはずだ。
犠牲者が見当たらないなら連れ去られたか、逃げ回っているか、森の中で果てているか…
とにかく、生存者の確認をしなければならない。
やばい雰囲気がプンプンとする…
“父さん、母さん、リリアをお守りください。神様、仲間達に、生存者にご加護を…”
リリアはペンダントを握る。
鼓動が早くなり、全身に血が巡り感覚が鋭くなる。
森の中はやたらと静かで、馬車がくすぶる音が小さく続く。
リリアは矢を弓にかけて構えながら馬車の周囲を警戒する。
“村人の馬車にしては大きいな。商人の荷馬車にしては小さい気も…”
周囲は静まり返り、リリアのブーツの音だけがはっきりと耳に届く。
“生存者が逃げるとしたら左手だろうなぁ…”
リリアから見て左手は下り斜面、経験から言うと人は土地勘のない山中で逃げる時は斜面を下って逃げ出すことが多い。斜面を上がると追いつかれやすく感じるのだろう。
“いるね… 左手に気配”
リリアの足は釘付けになった。
左手の木々の間から何かの気配がする。山は相変わらず静か。こんな時は気配の大きいものが蠢くと、小動物は鳴りを潜めるものだ。
生存者とは思えない、状況からして賊の何人かがこちらを伺っていておかしくない。経験と勘でわかる。
向かって行っては火の中に飛び込むようなものだが、逃げて背中を見せた途端襲ってくるのは必至だ。
「メ、メイリン、サラ、皆、左手… メイリン、ゆっくり馬車を発進させるふりをして、一気に突っ走るのよ。もう、今朝出た村には戻らないから… 合図を待って」リリアは震える声で通信する。
なるべく自然を装って通信のイヤリングに手をかける。
生存者を探している場合ではないようだ。自分達の生存を確保しなければならない。
お互いに見なかったことに出来ればよいのだが…
何となく馬車を進めてさっと飛び乗って一気にトンズラ…
これしかない…
森の中の気配は増えた様に感じる。
息を潜めても気配は伝わるものだ。
リリアは肩に、指先に神経をめぐらし、賊が飛び出して来たら射れるようにイメージを作っておく。
状況からして、食い止められるのは二人までだろう。
三人以上同時に飛び出されたら乱戦は必死。
「メイリン、馬車を進めて」
リリアは努めて冷静に伝えようとした時だった。
「エンリケ!」メイリンとサラの声。
リリアが振り返ると何を思ったのかエンリケが馬車を飛び出し、剣をかざして森の中に走り込んでいた。
「エンリケは起きてこないですね…」メイリンがため息をつく。
リリア、メイリン、サラは同じ部屋に泊まっていたこともあり、全員準備して宿のビュッフェで朝食タイム。
パン、ライスが選べて、野菜類は自由に取れる。また、タマゴとハム料理が一人一皿ついている。
このタイミングで朝食を食べに出てきていないなら、朝ご飯抜き以外は遅刻決定的。
「もう、置いていっちゃって良いんじゃない… 知らんけど…」サラはあまり興味なさげだ。
「うん… これ食べたら起こしてくるよ。その前にしっかり食べないとね。魔物と戦う前に、怠け者エンリケとリリアちゃんが戦わなければいけないからね…」リリアはご飯とパンをおかわりしている。
で、リリアがエンリケの部屋に起こしにいき、女といかにも昨日の夜は己の剣を振り回しながら戦闘を繰り広げていました的な全裸で寝ているエンリケを注意し、エンリケがかったるそうに適当な返事をし、リリアがキレ始め、全裸の女が「この癇癪馬の尻尾頭誰?あんた昨日、俺彼女いない、私だけを見つめ続けるって言ったよね!」とリリアをディスりながら痴話喧嘩になり、リリアの怒りに油を注ぎ、「こんなアホビッチが俺の彼女なわけねぇよ、考えて物言え」とエンリケが油を注いだリリアの怒りに火薬を投下して、「てめぇぇ!!優しくしてやりゃぁつけ上がりやがってよぉ!」とリリアが全裸のエンリケと大ゲンカになり、なんだか文句をいっている全裸の女を「何だか知らんがあんたも同罪だぁ!とっとと消え失せろ!」と全裸のまま廊下に放りだした。
で、その女に通報されて、大ゲンカ中に村のシェリフ達に取り押さえられ取り調べを受ける事になった。
まぁ、取り調べはあまり時間がかからず放免になった。
部屋の外で見ていたメイリンとサラが事情を説明し、ギルド証等を提示し、リリアもエンリケも釈放。
「あたしもあなた達と同じ、シェリフ出身なのよ!この国の勇者なんだよ!ちょっとは勉強しなさいよ」リリアはブーブーと文句言いながら戻ってきた。
今日も予定は大大的に遅れる。
「エンリケ、次朝寝坊、命令違反、規律違反で除隊よ。それから今日は武器の使用禁止、剣は預かる、戦闘にも参加禁止、あなた以外で何とかするから。馬車の子守してなさい… 何が?… これは命令よ、あなたの行動一つ一つが状況を悪化させ、皆を危険にさらすの… 全部規則にあるの、そしてリリアはそれを使う権利があるの… はぁ?今までチャンスを与え続けてもらっていたと思ってよ… あ・ま・い・の!!人が死んでからじゃ遅いの!だからよ!このクエストを完了させてキャリアアップしたいならとにかく今日の命令は守ってもらうから、メイリン、サラ、今の私の言葉聞いたよね。あたしにはねぇ!王国民の命を守る義務があるの!それが勇者なの!それは魔物を倒す以上に大事な事なの!!」
リリアは怒鳴ると馬車に乗り込んだ。
メイリンもサラもリリアに念を押され目を丸くして頷く。
そして…
リリアパーティーは混乱していた…
三日目の午後
今日もド遅刻で村を出たリリア達。
馬車の上の雰囲気は良くない。エンリケは不貞腐れている。
「メイリン、サラ、今日急げば、クエスト開始できたかもしれなかったけど、もう遅くなったから昨日泊まる予定だった最寄りの村についたら本日の日程終了よ。もう急がなくていいからね。 は?エンリケ?誰それ? そんな人いたっけ?… ちょっとリリアにはわからないなぁ…」
リリアはこんな感じ。
目的地に向けて馬車を進める。
「森の向こうから煙が見えたけど… あれだねぇ… 馬車が燃えてる… メイリン、馬車を停めて」
しばらく前、リリア達のイヤリングにノイズが入って来ていた。
どこかの通信らしいが、ノイズだけで判別不能。
それからちょっとして前方の森の中から黒煙が上がり始めていた。
「… 賊だよねぇ… あいつら馬車を襲って全部奪うと馬を外して馬車に火を放つんだよね…」リリアが呟くように言う。
「皆、戦闘準備で待機。あたしが様子を見てくる。全員馬車に残って。全員ここで待機。もし襲われたら村まで逃げるのよ。リリアちゃんはこう見えても山の中は大得意、山育ちだから山中なら逃げ足早いの。サラは防具をしっかりつけて… …エンリケは盾よ… 剣… 剣も渡して。何かの時は身を守らないといけなからね。 いい?合図があるまで絶対に馬車を降りないで。今までの練習と賊はレベルが違うの。魔物なんかよりよっぽど残忍なのが人間よ、忘れないで。今まで倒して来た魔物達を知恵で倒せる、それが人間族なの… 襲われたら全員死ぬ、間違いなく死ぬ。命令を聞いて」
リリアが念を押すと全員身を硬くして頷く、エンリケ以外。
エンリケだけは剣を渡されそっぽを向いている。
「リリア、それなら通り過ぎちゃったら…」サラが言う。
「あなたが生存者だったら、通り過ぎられて絶望するでしょ?あたし勇者だし、勇者は国民の命と財産を守る義務があるの。とにかく、やばいと思ったら村まで逃げ帰るのよ」リリアは弓を手に馬車を離れる。
火をつけられた馬車はほぼ焼け落ちて下火になっているが、車輪の部分が残り、わずかに原形を留めてくすぶっている。
リリアは弓を構えながら慎重に馬車による。
馬車の形からすると荷馬車のようだ。馬は馬車から外されている。
この分なら襲った賊は必ず近くにいるはずだ。
犠牲者が見当たらないなら連れ去られたか、逃げ回っているか、森の中で果てているか…
とにかく、生存者の確認をしなければならない。
やばい雰囲気がプンプンとする…
“父さん、母さん、リリアをお守りください。神様、仲間達に、生存者にご加護を…”
リリアはペンダントを握る。
鼓動が早くなり、全身に血が巡り感覚が鋭くなる。
森の中はやたらと静かで、馬車がくすぶる音が小さく続く。
リリアは矢を弓にかけて構えながら馬車の周囲を警戒する。
“村人の馬車にしては大きいな。商人の荷馬車にしては小さい気も…”
周囲は静まり返り、リリアのブーツの音だけがはっきりと耳に届く。
“生存者が逃げるとしたら左手だろうなぁ…”
リリアから見て左手は下り斜面、経験から言うと人は土地勘のない山中で逃げる時は斜面を下って逃げ出すことが多い。斜面を上がると追いつかれやすく感じるのだろう。
“いるね… 左手に気配”
リリアの足は釘付けになった。
左手の木々の間から何かの気配がする。山は相変わらず静か。こんな時は気配の大きいものが蠢くと、小動物は鳴りを潜めるものだ。
生存者とは思えない、状況からして賊の何人かがこちらを伺っていておかしくない。経験と勘でわかる。
向かって行っては火の中に飛び込むようなものだが、逃げて背中を見せた途端襲ってくるのは必至だ。
「メ、メイリン、サラ、皆、左手… メイリン、ゆっくり馬車を発進させるふりをして、一気に突っ走るのよ。もう、今朝出た村には戻らないから… 合図を待って」リリアは震える声で通信する。
なるべく自然を装って通信のイヤリングに手をかける。
生存者を探している場合ではないようだ。自分達の生存を確保しなければならない。
お互いに見なかったことに出来ればよいのだが…
何となく馬車を進めてさっと飛び乗って一気にトンズラ…
これしかない…
森の中の気配は増えた様に感じる。
息を潜めても気配は伝わるものだ。
リリアは肩に、指先に神経をめぐらし、賊が飛び出して来たら射れるようにイメージを作っておく。
状況からして、食い止められるのは二人までだろう。
三人以上同時に飛び出されたら乱戦は必死。
「メイリン、馬車を進めて」
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